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招待作家2件決定+デッサン完成・11:11:11「ジーナ」 [デッサン(Dessin)]

デッサン完成「ジーナ」・510.jpg

題・11:11:11「ジーナ」
作者・岩崎ナギ
技法・墨+鉛筆デッサン
大きさ・220×273(ミリ)

Title / 11:11:11"Gina"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Drawing by Sumi+Pencil
Size / 8.8"×10.9"

◎今日は話題が3つあります。

1・「ジーナ」のデッサン完成

2・「アゼルバイジャン」招待作家決定

3・「フィレンツェ・ビエンナーレ」スポンサー募集

1・「ジーナ」のデッサン完成

まず「ジーナ」の完成です。

ジーナはFBで友人のフィリピン人で、
『似顔絵を描いて欲しい』とお願いされていたので、
誕生日までに完成させました。

墨と鉛筆の併用で描いています。
右側の帽子をかぶっている方が、
ジーナです。
「11:11:11」集に加えました。

この絵はありがたい事に、
結構多くの国の方に気に入って頂けたようで、
同様のお願いをクロアチア人、台湾人、ベトナム人、イラン人、
の方から受けました。

忙しくて中々時間が取れませんが、
それぞれの方の誕生日までには完成させて、
プレゼントし国際親善を深めたいと思います。

2・「アゼルバイジャン」招待作家決定

次に「スポンサー」を探していた、
「アゼルバイジャン」のコンテストですが、
コンテストの事務局自体にスポンサーを申し出て頂き、
飛行機代を負担して頂ける事になりました。
本当にありがとうございました。

これで事務局側が、
「作品輸送費、渡航費(航空券代)、滞在費」の、
全てを負担する「招待作家」となる事ができました。
感謝です!

「アゼルバイジャン」はアジアでもあり、
ヨーロッパでもあり中東でもある、
そういう重要な位置です。

事実隣国イランの人口25%はアゼルバイジャン人です。
また日本もBTCパイプライン完成に貢献し、
アゼルバイジャン-日本は比較的良好な関係です。

ODAも日本は2008年までは、
5位以内に入っていましたが、
同年以降は脱落しています。
外務省アゼルバイジャン共和国基礎データ

経済面で存在感を増すのが困難になる中、
文化面でぜひ親日感情を持って頂けるよう、
「他国に旅行する誰であれその国の代表である。
その人間のいる所に日本がある。」
そういう気持ちできっと頑張って参ります。
よろしくお願い致します。

3・「フィレンツェ・ビエンナーレ」スポンサー募集

最後に「フィレンツェ・ビエンナーレ」スポンサー募集です。

同フィレンツェ・ビエンナーレから招待を受けましたが、
これまた全く資金が足りません。
スポンサーを大々募集中です!

スポンサーは公式カタログと公式WEBの両方に、
掲載されます。
また同ビエンナーレ事務局から、
公式依頼メールを受け取る事ができます。
過去のスポンサー紹介公式WEBページ

フィレンツェ・ビエンナーレは、
ヴェネツィア・ビエンナーレほどの歴史はありませんが、
近年存在感を増す美術展として、
国際交流基金のWEBページに紹介されています。
同ページのリンク

以下招待メールを抄訳付で転載いたします。

+++++++++++++++

Dear Iwasaki Nagi

The International Selection Committee
of the Biennale have given their approval
to your artistic production
and, for this reason, would like to extend the opportunity
to take part in the IX Biennale Internazionale
d'Arte Contemporanea di Firenze
that will be held in the historic Fortezza da Basso,
from November 30th to December 8th 2013.

親愛なる岩崎ナギ

ビエンナーレ国際選抜委員会は、
あなたの芸術作品を認め、
第8回フィレンツェ・ビエンナーレの参加資格を与えます。
同ビエンナーレは2013年11月30日~12月8日、
歴史的なバッソ要塞で開かれます。

The Florence Biennale is one of the largest events
representing artists from around the world,
with participants from 80 countries and more
than 2500 works displayed.
In the exhibition areas,
that are energized by a myriad of events and performances,
making it possible to admire a variety of styles,
artistic trends and new frontiers of international contemporary art.
Today the Florence Biennale represents a important moment
in every Artist's career,
offering an opportunity to come into contact w
ith other artists, critics and collectors from all over the world.

(大意のみ)同ビエンナーレは80カ国2500点の作品が並び、
作家、批評家、収集家が集まる世界でも主要なビエンナーレです。

In 2001 the Florence Biennale became an official Partner
in the United Nations’ "Dialogue Among Civilizations" program
which aims to promote dialogue between peoples
of diverse cultures through artistic expression.

同ビエンナーレは2001年、
芸術的表現を通じて、
多彩な文化を持つ人々の対話の推進を目的とする
国連の「文明間の対話」計画と公式提携しました。

The Lorenzo il Magnifico International Award
was launched at the first Biennale in 1997.
At every edition this award celebrates the career achievements
of top international artists.
The last edition of the Biennale
had the honor of hosting the fashion designer
and stylist Agatha Ruiz de la Prada
and the great maestro Jose Luis Cuevas
who received the Lorenzo il Magnifico Career Award.
At previous editions the award has been presented
to artists such as Chen Cheng Hsiung,
David Hockney, Christo & Jeanne-Claude,
Richard Anuszkiewicz, Gilbert & George, Marina Abramovic and Shu Yong.

(大意のみ)ロレンツォ豪華王賞は1997年の、
最初のビエンナーレから開始されました。
前回の同賞は同賞の職業部門も授与された、
プラダのスタイリスト兼デザイナー、
アガサ・ルイーズなどの人々をホスト役として、
授与されました。

The prestigious Lorenzo il Magnifico Award
is presented during an official ceremony
to participating artists
considered to be particularly praiseworthy
by the Members of the International Jury,
made up of eminent figures
on the international art and culture scene.

芸術や文化の場で国際的に、
高名な人物で構成された、
国際審査員団によって、
特に賞賛に値すると考えられた、
参加作家の中から、
公式式典期間中に、
名高いロレンツォ豪華王賞が授与されます。

The exhibition doesn’t receive any public
neither private financial assistance.
The exhibition is entirely funded by artists,
that can search for sponsors independently in their own country.
To those possible sponsors indicated by artists,
Arte Studio will provide to send a formal request.
Sponsors will be published both in the general catalogue
and the website, as you can see by visiting the sponsor's page
present in our website,
that helped some artists in the past biennales.

展示は公的財政支援も私的財政支援も受けません。
自国で独自に後援者(スポンサー)を、
探す事の出来た作家たちから、
展覧会の資金の全てを得ています。
作家から示されたスポンサー候補の歴々には、
アルテ・ストゥディオ側から公式の依頼を提供します。
スポンサーは現在ビエンナーレWEBサイトを訪問すれば、
過去のビエンナーレで作家たちを助けた、
スポンサーのページで見られるように、
WEBサイトと公式カタログの両方で公示されます。

(後略)

+++++++++++++++

同ビエンナーレは応募した訳ではなく、
どのような方法でかは解りませんが、
岩崎ナギの活動を見て頂いた同事務局から、
突然招待メールを頂いたものです。

最初フランス語で来たので、
サロン・ドートンヌを見られたのかも知れません。
『英語で送り返して欲しい』と依頼し、
返ってきたのが上記メールです。

上記説明にありますように、
作家は『自分で』スポンサーを探さなければなりません。

「参加費+作品輸送費+滞在費」総計で、
80万円ほどを見込んでいます。

その全部もしくは一部を負担してくださる、
企業、個人を切に募集中です。
一部負担して頂いた場合で、
最終的に総額が足りず、
企画が実現しなかった場合は、
全額お返しします。

最初同ビエンナーレが紹介されていた、
国際交流基金にお願いしましたが、
「個人は受け付けていません。」
との事で断られ、
企業を含む助成団体一覧を頂きましたが、
どの助成も2013年度中に始まる展覧会では、
〆切が過ぎていて該当しませんでした。

重厚長大型の製品輸出で、
日本の存在感を増すのは難しくなる中、
日本発の文化を世界に広げ、
友好関係を増すのを手助けしてくださる方、
ぜひよろしくお願い致します。

・・・以上です。
お読み頂きありがとうございます。

次回は3月29日(金)に、
更新予定です。

よろしくお願い致します。
では!
タグ:アゼルバイジャン Azerbaijan フィレンツェ・ビエンナーレ The Florence Biennale スポンサー募集 アート 芸術 美術 岩崎ナギ サロンドートンヌ パリ Salon d'Automne Paris NY個展 100人展 ニューヨーク  Solo exhibition Ouchi Gallery ヲウチギャラリー オハイオ Ohio ハドソン・ギャラリ HUDSON GALLERY メリット賞 Merit Award ホームズスタジアム神戸 川田画廊 KAWATA GALLERY  個展 private exhibition デッサン 鉛筆画 素描 dessin sketch 神戸市 西区民センター デッサン講座 美術教室 The New Primitive Declaration 新素朴派宣言 フェイスブック潮流 水彩を通じて明るい未来を共有する アゴラギャラリー 日本水彩画会 100周年記念 アニメフェア関西 関西のクリエイター展 デザイン道場 LIVING & DESIGN 2012 ACDC Gallery Re:novel 実用新案 patent インボルダ iNbolda bolda ボルダ 丸一興業 www.bolda.jp  第25回 日本の自然を描く展 優秀賞 日本芸術センター第6回絵画公募展 入選 Architectural Award 2012 Nominee 1662. What is “iNbolda”? http://www.art-center.jp/ http://www.archiaward.com/2012.php?l=E&m=8&theme=15&Obj=1662&pos=15] http://renovel.org/works/iwasaki.html http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=20171 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=25194 https://www.kobe-bunka.jp/course/center-list.php?cid=7&q=&p=1 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=422 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=423
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人物デッサン完成・11:11:11「ハル」 [デッサン(Dessin)]

04・11:11:11「ハル」完成・510.jpg

題・11:11:11「ハル」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・380×535(ミリ)

Title / 11:11:11"HAL"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Drawing by Pencil
Size / 15"×21"

◎4月9日(火)から始まる、
神戸市・西区民センター、
春季「デッサン講座」。

その1回目の授業、
「人物画・お互いに」のための、
人物デッサンです。

同講座は追加募集中です。
ご希望の方は「西区民センター」に、
直接お問い合わせください。
よろしくお願い致します。

芦屋青少年センター」でも水曜日に募集中です。
こちらもよろしくお願い致します。

今回のモデルさんも、
いつも人物画を描きに行っている、
あかつき美術同好会」でのモデルさんでした。

お名前が「ハル」になっていますが、
これはお訊きするのを忘れたためで、
実際のお名前は残念ながら判りません。。。
春なので「ハル」とさせて頂きました。

あと最新の話題としては、
「アゼルバイジャン」の公募展に入選しました。

この展覧会は「作品輸送費」を、
アゼルバイジャン側が出してくれるのですが、
「渡航費」までは出ません。
「滞在費」は出ます。
渡航費だけが問題です。

3月10日(日)までに現地に行くかどうか、
返事をしなければならないのですが、
どうもこのままでは無理そうです。
そこまでの余裕が全くありません。

どなたか「スポンサー」なって頂ける、
志の篤い方(もしくは企業)を大募集中です!

前回のグルジアにしろ、
今回のアゼルバイジャンにしろ、
今後の日本にとって非常に重要な国々です。
日本と日本人に親近感を持つ方々を、
多く持っている事は、
とても良い事です。

「親日感情を築いてきて欲しい!」
そんな方を募集しております。
期間が短いですが、
おられましたらよろしくお願い致します!

では以下「指導案」です。
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++++

01・十字線.JPG

1・十字線を引く

画面に十字線を引きます。

十字線とは画面の、
上下と左右を2分割して、
結んだ線です。

目的は「画面の真ん中を知る」
これが第1です。

親指と人差し指で作った四角を、
題材(この場合は人物)に、
近づけたり遠ざけたりして、
画面の中にどの程度入れるか、
あるいは入れる位置はどこか、
更にその四角の真ん中はどこか、
これをまず把握します。

その「指四角(指窓)」の真ん中、
それが画面の「十字線」の交点と、
同じものなのです。

これで「真ん中」が解りました。
 
02・アタリを取る.JPG

2・比率を合わせる

次に軽い筆圧で描きます(アタリ)。

「測定棒(鉛筆で代用可)」を、
腕を伸ばして片目をつむり、
親指を目盛りにして、
「ある部分」と「他の部分」との、
比率を測ります。

例えば「頭」を「1頭身」として、
半身像の手の高さを測ると、
頭頂から3頭身+αぐらいの位置が、
左手(指)の一番下の部分でした。

これは画面を縦に4分割し、
頭を1分割目より少し大きく配せば、
今回の条件である「手を入れる」を、
満たす構図を作れる事を意味します。

同様に「縦」だけでは無く「横」も、
「一頭身」を使って測ってみると、
右手が少し長い事が判りました。
これを次項で修正します。

03・手の位置を直す.JPG

3・修正しながら描き進める

右手が長すぎ位置も高すぎたので、
直す必要が出たのですが、
この時に他の部分も描き進めながら、
同時に直して行く事が大事です。

位置や形が間違っていた時に、
全部消して全部描き直すという事を、
繰り返していては中々完成しません。

直す箇所だけがおかしいのではなく、
他の箇所との「関係性」で、
おかしく見えている場合も多いです。

例えばこの場合は椅子の肘掛や、
太ももの形も少しずつ違っており、
お互いの位置関係を何度見直すと、
手だけを見ている時よりも、
修正が容易です。

「空いた空間」の形に注意をすると、
「関係性」は把握しやすいです。

04・11:11:11「ハル」完成・510.jpg

4・明度を合わせて完成

当「デッサン講座」に於いては、
スケッチを「線描」と捉え、
デッサンは「陰影」と規定します。

これは本講座の見解であり、
必ずしも絶対の見解ではありません。

「陰影」と規定するならば
明度(明るさの度合い)に応じて、
各部を塗り分けて行く必要があり、
必ず「画面全体」に目配りしながら、
一箇所だけに拘泥せず全体の中で、
明度関係を構築する必要があります。

この様にデッサンとはある意味では、
「関係性」に注目する行動あり、
行動の目的は「1枚の絵」として、
各部が良い関係性で結びついた絵を、
目指して描いて行く事であると、
言うことが出来るかも知れません。

+++++++++++++++++++++++++

・・・以上です。
いつもありがとうございます。

次回は3月15日(金)に、
更新予定です。

よろしくお願い致します。
では!
タグ:https://www.kobe-bunka.jp/course/center-list.php?cid=7&q=&p=1 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=422 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=423 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=20171 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=25194 Architectural Award 2012 Nominee 1662. What is “iNbolda”? http://www.art-center.jp/ http://www.archiaward.com/2012.php?l=E&m=8&theme=15&Obj=1662&pos=15] http://renovel.org/works/iwasaki.html デザイン道場 LIVING & DESIGN 2012 ACDC Gallery Re:novel 実用新案 patent   インボルダ iNbolda bolda ボルダ 丸一興業 www.bolda.jp  第25回 日本の自然を描く展 優秀賞 日本芸術センター第6回絵画公募展 入選 Architectural Award 2012 Nominee 1662. What is “iNbolda”? ホームズスタジアム神戸 川田画廊 KAWATA GALLERY  個展 private exhibition デッサン 鉛筆画 素描 dessin sketch 神戸市 西区民センター デッサン講座 美術教室 The New Primitive Declaration 新素朴派宣言 フェイスブック潮流 水彩を通じて明るい未来を共有する アゴラギャラリー 日本水彩画会 100周年記念 アニメフェア関西 関西のクリエイター展 アゼルバイジャン Azerbaijan アート 芸術 美術 岩崎ナギ サロンドートンヌ パリ Salon d'Automne Paris NY個展 100人展 ニューヨーク  Solo exhibition Ouchi Gallery ヲウチギャラリー オハイオ Ohio ハドソン・ギャラリ HUDSON GALLERY メリット賞 Merit Award
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デッサン完成「雑誌」 [デッサン(Dessin)]

04・デッサン完成「雑誌」・510.jpg

題・「雑誌」
作者・岩崎ナギ
技法・色鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号

Title / "A magazine"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4"×12.7"

+雑誌いわく、「我ら大量生産であるが故に。」+
+The magazine says, "For we are the multiples."+

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「絵本または雑誌」の課題です。

今回も「雑誌」を選択しましたが、
やっぱり難しい・・・
とても難しかったです。

ちなみにこのデッサンは、
デッサン講座で描いた通算99枚目で、
掲載は逆になりましたが、
前回の「果物+皿」が100枚目でした。

デッサンは精神論的な面も、
やはり大事ですが、
純粋に「数」を描くのも大事で、
一念義と多念義の論争を思い出します。

受験だけで言えば100枚描けば、
国公立に受かる可能性は高まり、
200枚描けば確実性が出て、
300枚で「選べる」状態になります。

受験美術などというものは、
美術全体では小さな、
つまらないものではありますが、
様々な法則に気付かせてくれる、
気付きの季節でもあります。

このデッサンで言えば、
「目を縦に使う」のを、
我ながら久しぶりに意識しました。
反省点としてはもう一歩、
大きく入れられますね!
縮小しすぎました。

ともかく数を描く。
それが大事な時もあります。
淡々とまたデッサンを続けたいと思います。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・比率を測る.jpg

1・比率で縮小する

そのままの大きさで描ける題材は、
原寸大か1.1倍くらいに描くのが、
基本となっています。

紙に入らない大きさの題材は、
画面から切れる構図を選択するか、
縮小するのを選択するかになります。

この場合は半端に切れる構図を避け、
「縮小する」構図を選びました。

測定棒(鉛筆など)でまず真ん中を、
次に構図の左右両端、上下端を決め、
例えば真ん中から右端の3分の2に、
雑誌右側の丸めた頂点がある、
等を把握し縮小して描いていきます。

02・目を縦に使う.JPG

2・目を上下に使う

初回の授業時に、
「人間の目は構造上『横』には、
動きやすいが『縦』には動き難い。」
とお伝えしました。

題材中の描画すべきものが、
複雑な位置関係にある雑誌などは、
目を横に動かす習慣的な見方のみで、
的確に把握し描画する事は困難です。

意思的、意図的に目を縦に、上下に、
動かし位置関係を度々確認する事が、
複雑な関係性を把握し表す手段です。

04・デッサン完成「雑誌」・510.jpg

3・H系を使い完成

紙など明度が高い(白っぽい)、
かつ明暗の変化の少ないものは、
薄い鉛筆、つまりH~6Hくらいの、
「H系」で微妙に濃淡を付けて、
完成させると白っぽい中にも、
手触りのある風合いを描き出せます。

H系はロウ分が多く後から濃い色、
つまりB系を乗せるのは困難なので、
終盤戦に用います。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

「デッサン講座」の春季募集始まっています。
ご興味のある方はよろしくお願い致します。

次回は2月15日(金)に更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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色鉛筆デッサン完成「バナナ+アルミ皿」 [デッサン(Dessin)]

04・色鉛筆完成「バナナ+アルミ皿」・510.jpg

題・「バナナ+アルミ皿」
作者・岩崎ナギ
技法・色鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号

Title / "a bunch of bananas + an aluminum dish"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Colored Pencil
Size / 16.4"×12.7"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」に、
「果物+皿」の課題を作りました。

今回は「色鉛筆」を用い描く事にします。

鉛筆で描く時に、
「輪郭線」を用いない方法をお伝えしていますが、
「なぜ輪郭線を描かないのか?」と言えば、
「色を用いて描く時にも使えるから。」というのが、
主要な理由です。

「線」では無く「明暗」に基準を置いた描画方法なら、
色鉛筆でも水彩、
もしくは恐らくは油彩、パステル、岩絵具、など、
画材を問わず「ヒット」を、
確実に打つ事が可能です。

絵は公募展のためにやるのでも、
人に褒めてもらうためにやるのでも、
あるいは受験に受かるためにやるのでも、
無いものかも知れませんが、
確実に「受かる」のもある程度、
大事な事であるとも言えます。

そして「ホームラン」を打つのは、
指導案の末尾にありますように、
そこがそれぞれの方の、
創意工夫と努力、
という事になるでしょうか?

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・色鉛筆を選ぶ.JPG

1・「明中暗」の3本

色鉛筆も描き方は様々です。
今回は手順を計画的に立案可能で、
簡単な描画方法をお伝えします。

作例ではアルミ皿に載ったバナナを、
描く事にします。

色鉛筆はバナナの「黄色」では、
「明るい」「中間」「暗い」と用意し、
他に必要な色についても同様に、
「明中暗」と3本づつ用意しました。

02・薄い色を入れる.JPG

2・「明」で描く

まずそれぞれの色の3本の内、
最も「明るい」色を塗ります。

鉛筆で描く時と同様「アタリ」から、
弱い筆圧で描き出します。

段々位置が明確になってきたら、
筆圧に注意して暗い所は強く、
明るい所は弱く塗っていきます。

最初にお伝えしましたように、
「最も明るい色」を選んだ訳です。
しかしその最も明るい色を用いて、
最初に塗るのは「最も暗い所」です。
その点を誤解が無い様ご留意下さい。

暗い所から明るい所へと、
順次筆圧を弱めながら塗り進めます。
それぞれの「最も明るい色」で、
同様の行程を繰り返します。

03・中間色を入れる.JPG

3・「中」で描く

次に明度が「中」の色で塗ります。

前項で最も明るい色を塗った時より、
濃い部分を塗る訳ですから、
塗る範囲は「明」段階より、
「狭く」なる事にご注意ください。

また例えば「ヘタ」用に選んだ色、
この場合は「中明度」の茶色で、
ヘタ以外の明度が同じ箇所、
具体的にはバナナの房と房の影など、
「色相(色)」が同じで無い箇所も、
塗って行く事が可能である、
というのも重要な点です。

人間の目は「色」よりも優先して、
「明度関係」で「これは何か?」を、
判断しますので多少色が違っても、
明度が同じであれば大丈夫です。

04・色鉛筆完成「バナナ+アルミ皿」・510.jpg

4・「暗」で締め完成

最後に「暗」明度の色を、
最も範囲を絞って塗り完成させます。

この「明中暗」を順次塗る方法なら、
描き出す前から完成がどうなるか、
ほぼ予想が付き制作計画の立案も、
比較的容易かつ短時間で可能です。

更なる絵画表現の追求は、
自分の持ち時間の許す限り、
「明中暗」に限らない他の色の、
「色鉛筆」を塗り足したり、
「クレヨン」で厚みを出したり、
「透明水彩」で質感を追求したり、
どんどん自主的に行ってください。

今回ご紹介した方法は最低限、
「ヒット」を確実に打つ方法です。
「ホームラン」にする方法は、
ぜひご自身の力で編み出して下さい。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

次回は2月8日(金)に更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「グラス+スカーフ」 [デッサン(Dessin)]

004・デッサン完成「ビン+スカーフ」・510.jpg

題・「グラス+スカーフ」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号

Title / "Glass + Scarf"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4"×12.7"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「グラス(ビン)+スカーフ」の課題です。

旧年中からプリンタは壊れる、
新年はパソコンが壊れる、
年末ジャンボは3枚買って600円当たる・・・

・・・とまぁ前途多難な昨今です。
めげずに頑張りたいと思いますので、
応援よろしくお願い致します。

では以下指導案です。
ご助言もよろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

001・鉛筆を寝かして描く.JPG

1・鉛筆を寝かして描く

布などの明度の移り変わりが、
段階的に付く場所が多い題材は、
鉛筆を寝かして柔らかい線で描くと、
表現しやすいでしょう。

寝かす方法ばかりが良い訳ではなく、
その題材に合った線を引くために、
鉛筆の角度と筆圧と更には持ち方を、
決定します。

002・逆さまにして描く.JPG

2・逆さまにして描く

今回のグラス(ビン)は回転体です。

補助線を引き楕円を描きますが、
人間の手の構造上、
右利きの人は右側の円弧が、
左利きの人は左側の円弧が、
それぞれ描きにくくなっています。

こんな時は画用紙を逆さまにして、
描いてみるのも一案です。

画面を逆さまにする事は新鮮な目で、
自作を点検する事にもつながります。

003・裏側を描く.JPG

3・裏側を描く

グラスなど透明なものは裏側にも、
線を入れると現実味が出ます。

同様にグラスの底や脚の下も、
裏側の空間が屈折しながらも透けて、
こちら側に見えています。

表側の線を基調にしながらも、
裏側の線を良く観察して絡めると、
透明感を表現できます。

004・デッサン完成「ビン+スカーフ」・510.jpg

4・完成

線の入れ方を中心に解説しましたが、
どのような線の引き方であれ、
全体的な「絵」としての完成に、
寄与している事が大前提です。

「この時にはこういう方法」等の、
公式に囚われ過ぎず、
「一枚の絵」としての完成を目指し、
最も良い方法論を選択して下さい。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

現在ノートPCでの更新中です。
ご訪問が遅れる事もあるかも知れませんが、
ご理解頂ければ幸いです。

次回は1月28日(月)に更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「菊」 [デッサン(Dessin)]

03・デッサン完成「菊+ドイツ・ビールジョッキ」・510.jpg

題・「菊」
作者・岩崎ナギ
花言葉・真実
技法・鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号

Title / "Chrysanthemum"
Artist / IWASAKI, Nagi
Flower Language / Truth
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4"×12.7"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「鉢植え」の課題です。

朝講座の生徒さんから、
庭に咲いていた菊を頂きましたので、
旧年中に描いてみました。
ありがとうございます。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・全体の流れを見る.JPG

①明暗の大まかな分布から

草花と言うと要素が複雑で、
「どこから描いたら良いか解らない」、
という事になりがちです。

基本通り暗い所から描くのですが、
明暗が複雑に入り組んでいますので、
明暗の大まかな分布から表現するため、
細かい差異を無視し区分して見ます。

暗い部分を囲み強調した写真が上です。
HB、B等やや濃い鉛筆で、
この部分を塗り潰します。

塗り潰すと言っても強い筆圧ではなく、
ごく弱い筆圧で軽く塗り潰します。

前述の通り細かい明暗は無視しますが、
完全な「べた塗り」でもなく、
ある程度は抑揚も留意します。

02・明度差を付ける.JPG

②明暗を深化させる

前項で作った大まかな明暗分布を、
濃い所はより濃く薄い所はより薄く、
明暗を深化させて行きます。

薄くする所は消しゴムを用い、
筆圧に注意し「白さ」を描き別けます。

明暗共にいきなり強い筆圧で、
決定的な線を引くよりも、
何度かに分けて段階的に、
筆圧を強くして描く方が、
良い結果を早く得やすいです。

03・デッサン完成「菊+ドイツ・ビールジョッキ」・510.jpg

③最後は根気

デッサン講座も後半に入り、
主要な技術はほぼ全てお伝えしました。
花など複雑なものを描くのは、
最後は根気になると思います。

デッサンを描くために必須の技術は、
たかだか5つか6つくらいで、
あとは諦めず根気良く描けるかどうか、
向上を目指し続けられるかどうか、
そして実際に手を動かし描くかどうか
それが本質になって来ます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

次回は1月14日(月)に更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「携帯電話」 [デッサン(Dessin)]

03・デッサン完成「携帯電話」・510.jpg

題・「携帯電話」
作者・岩崎ナギ
技法・墨+鉛筆
大きさ・410×318(ミリ)6号F

Title / "A Cell Phone"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4"×12.7"

◎神戸市・西区民センター
「デッサン講座」用の指導案、
「携帯電話」完成しました。

スマート・フォン全盛時代に、
ずいぶん古い携帯です。

複雑な構造物の規則性を見抜く課題として、
お出ししました。

透視図法の基礎も同授業で軽く実習し、
手描きのデッサンにも活かせる、
実際的な知識として習得します。

1・指導案「透視図法」・510.jpg

○透視図法
○Perspective

では以下指導案です。
ご助言頂ければ幸いです。

++++++++++++++++++++++

01・構成を工夫する.JPG

①自由に構成できるものを活かす

基本通り「画面の空白部分の面白さ」を、
常に意識しながら題材を構成します。

空間の空きを調整するのが容易なので、
ヒモなど形状が自由に構成できる物は、
活用度が高いです。

あくまで一例ですが、
巻いてみたり結んでみたり重ねてみたり、
構図の要となるよう工夫してみて下さい。

02・複雑な形状を描く・510.jpg

②複雑な物の規則性を見抜く

授業で透視図法の基礎を学びましたが、
デッサンなどフリーハンドで描く時にも、
応用する事が出来ます。

例えばこの携帯は数字のボタンの配列が、
縦4列、横3列、となっています。

ボタン全体の位置はフリーハンドで取り、
小分けする際にボタン全体の四隅それぞれを、
対角線で結ぶと縦の列、横の列、共に
並んでいる列の「真ん中」が判り、
2分の1の「補助線」が引けます。

同様の手順を繰り返して4分の1、
8分の1・・・と小割りした補助線を引き、
ボタンの配列を描く助けとします。

03・デッサン完成「携帯電話」・510.jpg

③浮いている物の影

影にも注意を払って完成します。

注意を払うべき点は、
「接地している物」と、
「地面から浮いている物」では、
影のあり方が異なる点です。

具体的には「接地している物」の影は、
その物のすぐ横から影が出るのに対し、
「地面から浮いている物」の影は、
浮き具合に応じて離れた所に影が落ちます。

影は物がどう地面に接しているかを表す、
重要な視覚情報となっている訳です。

++++++++++++++++++++++

・・・でした。
お読み頂きありがとうございます。

次回は1月7日(月)に更新予定です。

では!
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デッサン完成「自画像」 [デッサン(Dessin)]

06・デッサン完成「自画像」・510.jpg

題・「自画像」
作者・岩崎ナギ
技法・墨+鉛筆
大きさ・318×410(ミリ)6号F

Title / "Self-Portrait"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Sumi(Japanese black ink) & Pencil
Size / 12.7"×16.4"

○神戸市・西区民センターでの、
デッサン講座用に、
「自画像」を描きました。

講座としては「自画像」ではなく、
「大笑いの肖像画(お互いに)」としました。

でも自画像って良いですよ。
人前で描くのは恥ずかしくても、
家で描く分には誰にも晒(さら)さなくて済みますし、
手軽で深く残酷にシッカリと観察できて、
とても勉強になります。

自分を甘やかさずに描きましょう。

今回は前回の「私の手」と同じで、
鉛筆を無くしていた時期ですので、
(その後おかげ様で出てきました。
ありがとうございます!)
「墨」で描きました。

では以下、指導案です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・カタマリで見る.jpg

1・「面」で捉える

「顔」と来ると、
「目、鼻、口」と行きがちですが、
まず「面」の変わり方を捉えます。

例えば「眉の下」を目、瞼を含め、
全体に傾斜した「面」と捉えます。

面の「全体」を「影」として塗り、
それから「目」、「瞼」等の中で、
明るい所はより明るくし、
暗い所はより暗くして、
徐々に細分化して行きます。

同様に「髪」も一本一々の前に、
面(塊)の変わり目で塗り分けて、
大きな「明暗」の変化を捉えます。
その後に髪の流れでできる筋の内、
「目立つ部分」の筋から取ります。
目立たない部分は描かない方が、
効果的な場合も多いです。

鼻の下、唇の下、顎の下、など、
繰り返しませんが同様の行程です。

02・背景は最初から.JPG

2・背景は最初から

背景にも濃淡を付けられるなら、
題材(この場合は人物像)が、
完成してから付けるのではなく、
最初から同時に描いていきます。

暗い所の隣は「明るく」して、
明るい所の隣は「暗く」するのが、
基本です。

ただ暗い所を影に没していき、
背景に同化する方法などもあり、
あくまで基本は基本として、
「観察に基づき」濃淡を付すのが、
一番大事な事です。

06・デッサン完成「自画像」・510.jpg

3・密度を変えて配分し完成

肖像画に限らず絵というものは、
画面全体を均一の密度で描くと、
退屈な印象になりがちです。

今回は「目」を最高度の密度にし、
後は目から離れるに従って、
密度(完成度)を低くしました。

両目の中でも手前にある右目は、
「ハイライト」で更に強調して、
密度に差を付けています。

画面から切れる胸の部分、
特に画面「左隅」から切れていく、
右胸の部分は光と同化させ、
画面に溶け込ませて密度を下げ、
目など、より重要度の高い箇所が、
目立つようにして完成としました。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

次は12月14日(金)に、
「2012年10月には」の4話を更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「私の手」・明日への祈り [デッサン(Dessin)]

005・デッサン完成「私の手(明日への祈り)」・510.jpg

題・「私の手」・明日への祈り
作者・岩崎ナギ
技法・墨+鉛筆
大きさ・318×410(ミリ)6号F

Title / "My Hand" : A prayer for tomorrow
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Sumi(Japanese black ink) & Pencil
Size / 12.7"×16.4"

神戸市・西区民センターでの、
デッサン講座用に、
「私の手」を描きました。

自分の両手を記憶して描くのも、
これで何度目でしょうか?
すぐには正確に思い出せないほど、
何枚も描いた気がします。
でもまだまだ描き足りません。

今回はどこで忘れたのか、
長年愛用してきた、
「鉛筆袋」が教室か別の所か、
無くなってしまい困った状態です。
そこで「筆」で描くことにしました。

「筆」で描くのも「鉛筆」で描くのも、
本質的には全く同じです。

また同じでなければ「鉛筆」で学習するのと、
「筆」学習するのと、
完全に別個に行わなければならない事になります。

時々お聞きするのは、
「デッサンは出来るけど、
絵具を使った途端ムチャクチャになる。」
という状態です。

そういう状態に何故なるのか?と言えば、
「鉛筆の使い方」には習熟されたけれど、
「光と影」で対象を観察される事には、
まだ慣れておられないからだと思います。

ある程度それぞれの「道具」に習熟する事は、
もちろん重要な欠くべからざる事ですが、
ぜひ「光と影」でも観察出来るようになり、
「鉛筆」で描こうが「筆」で描こうが、
問題なく描けるようになって頂きたいと思います。

では今回の描画手順を見て行きます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

001・大体の「陰影」を取る.JPG

1・ザッと陰影で捉える

「ここは指である」とか、
「手首である」とか、
「何であるか?」に囚われず、
とにかく「暗い所から」、
ザッと塗って陰影を捉えます。

最初は大雑把で結構です。
薄い絵具で描き出すと、
描き始めに入ってしまう、
余分な筆もそれ程、
後には響きません。

これは鉛筆の場合、
最初は弱い筆圧で、
薄く描くのと同じ要領です。

002・筆の持ち方「大きな箇所」01・510.jpg

003・筆の持ち方「小さな箇所」02・510.jpg

2・捉え方が変われば持ち方も変わる

写真上のように大きく捉える時は、
筆(鉛筆)の後の方を3本の指、
親指、人差し指、中指で持ちます。

「受け手」でヘラを持つように持ち、
「線」と言うよりは「面」を描く事を、
意図する時もあります。

写真下は細かい所を描くやり方で、
小指で支点を取り他の所を潰さぬ様、
筆(鉛筆)を立てて描きます。

004・全体に筆を入れ終わった所.jpg

3・徐々に小割りする

1項目で述べたように、
最初はザッっと陰影で捉えます。

次に2項目で述べたように、
筆(鉛筆)の持ち方も工夫しながら、
徐々に小さな面にも目を配ります。

シワや爪など細部が気になりますが、
薄く軽く大きく陰影を捉えて行けば、
「小割」する事は案外簡単なものです。

大から中へ、中から小へ、の流れは、
比較的容易ですが逆に、
小から中へ、中から大へと、
観点や描法を推移するのは、
整合性の点で難しいものです。

例として言えば人間の全身を描く時、
「目」から描いて全身の比率が合う、
というのは中々難しいと言う事です。

005・デッサン完成「私の手(明日への祈り)」・510.jpg

4・完成

部分的に鉛筆を入れメリハリを付け、
完成としました。

メリハリを付けるべき箇所は、
明暗が大きく変化している箇所です。
実際に見えているよりは、
多少強調すれば空気感も伝わります。

逆に明暗にそれほど変化の無い所は、
別の指であってもまとめて塗り、
影の中に埋没させる事も、
大きな意味ではメリハリを増します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

次は12月7日(金)に、
「2012年10月には」の4話を更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「フランスパン(丸形)+缶コーヒー(BOSS)」 [デッサン(Dessin)]

04・デッサン完成「フランスパン(丸形)+缶コーヒー」・510.jpg

題・「フランスパン(丸形)+缶コーヒー(BOSS)」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ)6号P

Title / French Roll & Canned Coffee BOSS
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

○神戸市・西区民センターでの、
デッサン講座用に、
「フランスパン(丸形)+缶コーヒー(BOSS)」を描きました。

回転体(缶など)のような基本形体は、
定期的に描いておかないと、
手が上手く動かなくなるので、
良い訓練になると思います。

では今回の描画手順を見てみます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・上に取り過ぎた所.JPG

1・完全に消さずに直す

いつも通り十字線を引いて、
真ん中を決め構図を取りましたが、
上に配し過ぎて下が空いています。

構図を一度で決定しきれない事は、
よくある事なので取り損なっても、
気落ちしたりせず、すぐ直します。

構図の「真ん中」をもう少し上に、
再設定して下に配置をずらします。

このとき完全に消さずに、
前の位置の描写を残しておき、
アタリ兼、描写の一部として、
再利用します。

02・下に修正.JPG

2・再利用して描き増す

前項通り薄く残した以前の描写に、
加筆しながらずらせました。

この事で「構図を直す」という、
一見「後退」に見える行為から、
逆に以前の配置を手掛かりにして、
描写の密度を上げるという、
「前進」する肯定的な行為に、
転換する事ができました。

03・補助線.JPG

3・補助線を入れる

「フリーハンド」で構図や、
形を決定した後、
「補助線」を入れて行きます。

まず回転体の中心に、
垂直に補助線を入れます。

画面の端から測定棒などで、
等間隔を測って「点」を打ち、
それをつなげると良いでしょう。

その後、回転体の、
太さが変化する箇所や、
模様が変化する箇所ごとに、
平行線を引いて、
楕円を描く助けとします。

04・デッサン完成「フランスパン(丸形)+缶コーヒー」・510.jpg

4・完成

完成しました。

缶(回転体)は底や模様が、
楕円になるだけではなく、
文字なども楕円の補助線上に、
配される事に留意してください。

楕円の丸みは視線から離れる程、
丸くなっていきます。
具体的には缶の先端より底の方が、
丸みが強い(真円率が高い)です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

次は11月26日(月)に、
「2012年10月には」の2話を更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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