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デッサン完成「自画像」 [デッサン(Dessin)]

06・デッサン完成「自画像」・510.jpg

題・「自画像」
作者・岩崎ナギ
技法・墨+鉛筆
大きさ・318×410(ミリ)6号F

Title / "Self-Portrait"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Sumi(Japanese black ink) & Pencil
Size / 12.7"×16.4"

○神戸市・西区民センターでの、
デッサン講座用に、
「自画像」を描きました。

講座としては「自画像」ではなく、
「大笑いの肖像画(お互いに)」としました。

でも自画像って良いですよ。
人前で描くのは恥ずかしくても、
家で描く分には誰にも晒(さら)さなくて済みますし、
手軽で深く残酷にシッカリと観察できて、
とても勉強になります。

自分を甘やかさずに描きましょう。

今回は前回の「私の手」と同じで、
鉛筆を無くしていた時期ですので、
(その後おかげ様で出てきました。
ありがとうございます!)
「墨」で描きました。

では以下、指導案です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・カタマリで見る.jpg

1・「面」で捉える

「顔」と来ると、
「目、鼻、口」と行きがちですが、
まず「面」の変わり方を捉えます。

例えば「眉の下」を目、瞼を含め、
全体に傾斜した「面」と捉えます。

面の「全体」を「影」として塗り、
それから「目」、「瞼」等の中で、
明るい所はより明るくし、
暗い所はより暗くして、
徐々に細分化して行きます。

同様に「髪」も一本一々の前に、
面(塊)の変わり目で塗り分けて、
大きな「明暗」の変化を捉えます。
その後に髪の流れでできる筋の内、
「目立つ部分」の筋から取ります。
目立たない部分は描かない方が、
効果的な場合も多いです。

鼻の下、唇の下、顎の下、など、
繰り返しませんが同様の行程です。

02・背景は最初から.JPG

2・背景は最初から

背景にも濃淡を付けられるなら、
題材(この場合は人物像)が、
完成してから付けるのではなく、
最初から同時に描いていきます。

暗い所の隣は「明るく」して、
明るい所の隣は「暗く」するのが、
基本です。

ただ暗い所を影に没していき、
背景に同化する方法などもあり、
あくまで基本は基本として、
「観察に基づき」濃淡を付すのが、
一番大事な事です。

06・デッサン完成「自画像」・510.jpg

3・密度を変えて配分し完成

肖像画に限らず絵というものは、
画面全体を均一の密度で描くと、
退屈な印象になりがちです。

今回は「目」を最高度の密度にし、
後は目から離れるに従って、
密度(完成度)を低くしました。

両目の中でも手前にある右目は、
「ハイライト」で更に強調して、
密度に差を付けています。

画面から切れる胸の部分、
特に画面「左隅」から切れていく、
右胸の部分は光と同化させ、
画面に溶け込ませて密度を下げ、
目など、より重要度の高い箇所が、
目立つようにして完成としました。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

次は12月14日(金)に、
「2012年10月には」の4話を更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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カズノコ

自画像は、何度も描かれていらっしゃるので、
もう鏡などなくてもできるのではないですか。
それにしても、墨による新たな挑戦、流石ですね!
背景の対応の仕方も、とっても勉強になります。
by カズノコ (2012-12-11 19:55) 

岩崎ナギ

カズノコさん→いえいえそんな領域には、
まだまだ到達しておりませんが、
そう出来るよう努力を続けるべきですね。
墨への挑戦を認めて頂いて、
ありがとうございます!
より墨の表現が見栄え上も活きるよう、
表現の研究を重ねたいと思います。
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2012-12-14 10:16) 

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