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デッサン完成「栗+サツマイモ」 [デッサン(Dessin)]

04・デッサン完成「さつまいも+栗」・510.jpg

題・「栗+サツマイモ」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・F6号(318×410)

Title "Chestnut + Sweet Potato"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Drawing by Pencil
Size / 14.6"×21"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座」用、
デッサン「栗+サツマイモ」完成しました。

今まで長期間に渡り更新もご訪問もせず、
コメント頂いた方や、
ページをご覧頂いた方には、
大変失礼しました。

前回記事の「似顔絵」の後・・・

サッカー場搬出→オハイオに行って展示→リノベル搬入
→パリに行き展示→帰ってきてリノベルで作品プレゼン、搬出
→「漁業」の絵、デッサンだけでも完成、提出
→その他〆切のある提出資料作成&送付→風景画の指導案作成
→日本水彩・兵庫支部秋期展、搬入搬出→開発した額「インボルダ」の今後を決める

・・・と、
どの〆切を落としても自分のみならず、
どなたかにご迷惑を掛ける事柄が続き、
中々更新ができませんでした。

その間ご迷惑をお掛けする事への恐怖との、
長い戦いでしたが、
おかげ様で何とか無事に乗り切る事ができました。
ありがとうございます。

では以下指導案です。
お気づきの点がありましたら、
ご指摘頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++

01・三角形の構図.JPG

1・三角形の構図

代表的な構図の一つとして、
「三角形の構図」があります。

正三角形では動きが出にくいので、
辺の長さを違えた三角形になるよう、
題材を配置します。

題材を必ずしも三角形の構図に、
配置する必要は無い訳ですが、
三角形は安定した構図には向きます。

複数の題材を配置する際、
一度試されるのも良いでしょう。
小さい題材(作例では小さい栗)は、
2個1組にするのも一案です。

02・消しゴムで書く.JPG

2・消しゴムで描く

講座初回にお伝えしました通り、
消しゴムは「描く道具」です。

カッターで角を出し、
「白い線(あるいは面)」を描きます。

鉛筆に「筆圧」があるように、
消しゴムも「消しゴム圧」とでも、
言うべきものがあり、
消しゴムに掛ける圧力を調整して、
描かれる「濃淡」も調整します。

栗の「針」など微細な要素は、
「塗り残す」操作「消して描く」操作、
の両方を必要とします。

「塗り残す」のは「消して描く」より、
難しい場合が多く熟達するまでは、
「余分に塗る」事を怖れないで、
塗り過ぎた分を「消して描く」方が、
良い結果が出るでしょう。

03・長手方向を大切に.JPG

3・長手方向を主とする

ものには「主」となる方向があり、
通常は「長手方向」が主です。

作例の「さつまいも」も長手方向を、
重視した線を入れています。

但し「短手方向(対義語)」も、
全く無視するのではなく、
長手方向の線を活かしながら、
注意深く短手方向を絡めていきます。

04・デッサン完成「さつまいも+栗」・510.jpg

4・完成

前回の講座で「要所」とは、
「ものの特徴」を表す所であり、
デッサンは「要所」を他の箇所より、
強調するのが大事とお伝えしました。

加えて同じ「要所」でも、
基本的には絵の「手前から」、
「優先順位」が付きます。

全体的に進めるのが大前提ですが、
3個題材があるとしたら、
最奥の題材よりは2番目、
2番目よりは最も手前の題材と、
より手前の題材の方に、
より多く手が加えられるよう、
時間配分します。

+++++++++++++++++++++++

・・・指導案は以上です。

次回の更新は11月19日(月)を、
予定しております。

前述した狂うような忙しさの中、
旅してきたオハイオ、パリ、
更に帰ってきてからのリノベルなどについて、
書いていきたいと思います。

よろしくお願い致します。
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人物デッサン完成・「夏子」 [デッサン(Dessin)]

04・完成「夏子さん」・510.jpg

題・「夏子」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・380×535(ミリ)

Title / "NATUKO"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Drawing by Pencil
Size / 15"×21"

◎10月9日(火)から始まる、
神戸市・西区民センター
秋季「デッサン講座」。

その1回目の授業、
「人物画・お互いに」のために、
人物デッサンを描きました。

今回のモデルさんも、
いつも人物画を描きに行っている、
あかつき美術同好会」でのモデルさんでした。

7月にお描きしましたか???
そのお名前も「夏子さん」という、
夏に相応しい方でした。

ここ最近涼しくなってきて、
というよりも今日は台風ですが、
制作はしやすい温度となりました。

では以下「指導案」です。
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++++

01・アタリを取る.JPG

①輪郭線を離れる

「大体これぐらい」という、
位置と大きさを輪郭線ではなく、
「塗って」決めていきます。

デッサンを始めて間もない頃は、
「輪郭線から離れる」というのが、
とても難しいものです。

最終的に「表現」としての、
輪郭線は十分にあり得ますが、
大体は「習慣で描く」例が多く、
一度この「習慣」をブチ破り、
「光と影」によって描く方法を得、
その後やはり表現として、
輪郭線が欲しいならば回帰する、
という道のりを選べば、
習慣としての輪郭線を超えて、
表現に達する事も可能です。
 
02・何頭身か知る.JPG

②何頭身か知る

頭の大きさを「測定棒」で測り、
頭のテッペンから椅子の脚まで、
「何頭身」かを測りました。

作例では椅子の脚でしたが、
今回の課題は「手まで」を、
画面に入れる課題ですので、
皆さんは手の少し下までが、
何頭身かを測ってください。

作例に話を戻しますと、
椅子の脚までで「5頭身と少し」。

・・という事は画面を6等分して、
その一番上の1分割内に、
「顔」を収めれば画面内に、
全身が収められる事を示します。

但し画面に比して余白が多く、
この点を最後に改善しています。

03・明度を合わせる.JPG

③暗い所から描く

「塗る」とお伝えしましたが、
最初に塗るのはどこでしょう?

一般的には「一番暗い」所から、
順次明るい所に塗り進みます。

同じ暗さの所は距離があっても、
同じ段階で塗ります。

冒頭の項でもお伝えしましたが、
デッサンを描く方法を会得する、
あるいは絵を会得する、
というのは特に必然性のない、
単なる「習慣」を断ち切って、
皆さんお一人お一々それぞれの、
描き方が確立される事です。

そのためには逆説的ですが、
普遍性を持った描き方を一度、
習得されるのが近道です。

04・完成「夏子さん」・510.jpg

④怖れず修正

2項目でこの人物画が、
椅子の脚までで「5頭身と少し」
とお伝えしました。

そのため画面を上下6等分し、
頭を一番上の分割内に入れた所、
画面に比して小さく入りました。

1分割中に頭を完全に入れると、
1×5=5で5分割目までしか要りません。

1分割中より少し大きいと、
1.1×5=5.5
となり6分割目の真ん中までが、
必然性のある空間となり、
構図を改善できました。

皆さんも構図の追求は妥協なく、
行って下さい。 

+++++++++++++++++++++++++

・・・以上です。
いつもありがとうございます。

秋季講座の追加募集は、
10月9日(火)の授業開始までは行っています。
ご希望の方は神戸市・西区民センターまでお問い合わせ下さい、
よろしくお願い致します。

その西区民センター近くの、
西神中央駅、駅前広場で、
10月6日(土)に、
「似顔絵(無料)」を描きます。

「福祉フェア」の一環です。
どうぞお越し下さい。

雨天の場合は翌7日(日)に順延いたします。

また「日本の自然を描く展・札幌展」が更に翌日、
10月8日(月)で最終日です。
21世紀回顧録「プレンティ西神中央」を、
出品しております。
ご高覧いただければ幸いです。

次回は10月7日(日)に、
更新予定です。

よろしくお願い致します。
では!
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デッサン完成「日々草・生涯の友情」 [デッサン(Dessin)]

003・デッサン完成「日々草」・510.jpg

題・「日々草」
作者・岩崎ナギ
花言葉・生涯の友情
技法・鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号

Title / "Vinca"
Artist / IWASAKI, Nagi
Flower Language / Lifetime Friendship
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4"×12.7"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「鉢植え」の課題です。

いつも思いますが植物は本当に難しい!

この指導案では記しませんでしたが、
「諦めずに描く」というのが、
実は一番大事な気がします。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

001・「明るい流れと暗い流れ」.JPG

①影の「流れ」を見る

複雑に見える草花にも、
影の「流れ」があります。

花の一輪一々、葉の一枚一々、は、
必ずしも最初は描く必要がありません。

むしろフワッと全体を包括的に見て、
明るい「流れ」暗い「流れ」を見極め、
「大雑把」に塗り分けます。
眼を細めてボーッとみると、
明暗の流れを把握しやすいです。

「大雑把」とは言葉が悪いようですが、
『全体の骨組みをまず作る』という、
肯定的な意識で観察してみて下さい。

002・「中間域を作る」.JPG

②中間調を作る

デッサンは「暗い所から描く」のが、
基本となっていますが、
最初から極端な明暗を付けると、
修正が効きにくくなりますので、
例えば明度階調が10段階あったら、
「4、5、6、7」の「中間調」を、
まず作ります。

次に「8、9、10」の「暗部」を、
シッカリ塗って立体感を出しながら、
同時に形も修正して行きます。

最後に「1、2、3」の「明部」を、
薄い鉛筆と消しゴムで仕上げます。

形の修正に汲々とするのではなく、
「描いていく内に自然に直る」のが、
理想的な描画の進め方です。

003・デッサン完成「日々草」・510.jpg

③ものの端を見て完成

前項通り「中間調」を作った後、
「暗部」「明部」と階調の幅を拡げ、
完成としました。

さて階調を拡げる際に最も注意を払い、
見なければならない所は、
どこでしょうか?

それは「ものの端」です。
もっと正確に言えば「ある題材」と、
「別の題材」の「明度関係」を見ます。

「手前が明るく奥が暗い」時と、
「手前が暗く奥が明るい」時と、
両方ともありえます。

どちらが明るくどちらが暗いかを、
良く観察して描き分ける事で、
その場の「空気」も描けます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・でした。
お読み頂きありがとうございます。

現在10月からの「デッサン講座」の、
受講を受け付けています。

ご興味のある方は、
神戸市民文化振興財団「定例講座のご案内」を、
ご覧下さい。
リンクはコチラです

次回更新は8月24日(金)です。
よろしくお願い致します。

※上記予定でしたが所用立て込み、
明日8月25日(土)更新予定です。
済みません!

では!
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デッサン完成「UCCブラックコーヒー&森永ミルクキャラメルクッキー」 [デッサン(Dessin)]

04・完成「スナック袋+缶飲料」・510.jpg

題・「UCCブラックコーヒー&森永ミルクキャラメルクッキー」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号

Title / "UCC Black Coffee & MORINAGA Milk Caramel Cookie"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4"×12.7"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「スナック袋+缶飲料」の課題です。

基本が解れば何でも描ける。
基本を徹底すれば描きたいものが描ける。
「凡事徹底」自分も頑張ってそうありたいです。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・画用紙の内側に題材を向ける.JPG

①画用紙の内側に題材を向ける

原則的に題材の主要な方向は、
画面の内側に向けるようにします。

画面の外側に構図の力が逃げるのを、
防ぐ目的です。

スナック菓子などでは長手方向、
丸い缶では「ロゴ(商標)」の側を、
内側に向けます。

但しこれはあくまで「原則」なので、
ご自身が構成上どうしても「外側」に、
主要方向を向けたい時には、
この限りではありません。

02・ロゴの補助線.JPG

②複雑なロゴを基本の補助線で描く

複雑に見えるロゴも基本的な補助線で、
描ける場合が多いです。

例えば「ミルクキャラメル」のロゴは、
スナック袋の「箱状」部分の真ん中に、
描いてあります。

とすれば「立方体」の項目で学んだ、
四隅を「×」で結べば真ん中が解る、
という補助線の知識が活かせます。

缶のロゴは「回転体」の項目で学んだ、
真円は真上と真下から見る以外の時、
「楕円」の補助線で描ける、
という知識が活かせます。

視点から遠いほど真円率が高まるので、
見下ろす場合は下になればなるほど、
丸みが増すことにも注意します。

04・完成「スナック袋+缶飲料」・510.jpg

③完成

前項の基本的な補助線などを用いて、
形や文字の位置を引き締め直し、
また全体の明度関係を再確認し、
完成としました。

今回は「ロゴ」の多い課題でした。
しかし逆説的ですが、
「ロゴ」を描く必要はありません。

全体の中で「どこ」が「どの程度」、
「どんな風に」明るいか暗いか、
それを描き別けるだけです。

そのための補助線であった、
という事です。

文字である何であるといった、
表面的な事象に囚われず、
「一枚の絵」として完成を目指します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・でした。
いつもお読み頂きありがとうございます。

次回更新は8月10日(金)を目指しております。

今日は朝まで神戸市の「農商工連携事業」で、
「鰆(さわら)漁」に出ていて、
アップが遅い時間になりました。

海に向かい素描するナギ・510.jpg

農水課のみなさん、
漁師の方、漁協の方、
本当にお世話になりました。
ありがとうございます。

成果は近日中にお見せできると思います。
またよろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「時計&写真&死を忘れるな」 [デッサン(Dessin)]

03・完成デッサン「写真+腕時計」・510.jpg

題・「時計&写真&死を忘れるな」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ) F6号

Title / Watch & Photo & Memento Mori
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

+++++++++++++++++++++

時間は我々が触れ得ないほど速く過ぎゆく!
死を忘れない為の自画像。

Time goes on so rapidly that we cannot touch it!
Self portrait for memento mori.

+++++++++++++++++++++

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「時計+写真」の課題です。

これも今期に初めてお出しした課題です。
作品の「意味作り」という観点からお出ししました。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・近すぎず遠すぎず.JPG

①近すぎず遠すぎず

基本的には画用紙が大きく見えるように、
それぞれの題材を配置します。

しかし小さい題材ばかりを描く時に、
余りにもお互いの題材を離し過ぎるのも、
考えものです。

近すぎず遠すぎず真ん真ん中は避けて、
ほど良い関係性になる位置に配置します。

良い関係性を持つ配置が出来たら、
十字線で構図の真ん中を決定します。

薄い線を用いた影で二つの題材を繋ぐと、
両題材が世界の中で関係性がある事を、
それとなく示唆できるでしょう。

02・平らな物には平行の線.JPG

②平らな題材には平行線

今回題材に選んだ写真というものは、
様々なものが写っていますが、
物体として即物的に見れば、
「薄っぺらい紙」となります。

ですから立体的なものが、
写真に写っているからといって、
色々な方向の線を入れてしまうと、
「薄っぺらい紙」であるはずの写真が、
凸凹であるかのように見えてしまいます。

写真の中の陰影はなるべく、
「平行線」を用いて描画し、
写真そのものは「平ら」に見えるよう、
留意します。

しかし写っているものの性質上、
「平行線」だけで描き切れないものは、
この限りではありません。

03・完成デッサン「写真+腕時計」・510.jpg

③「物語性」を与える

作品に「物語性」を与えると、
解釈が複層的になり、
観者の面白味が増します。

例えば時計は「過ぎゆく時間」、
想い出の写真は「移ろいやすいもの」、
更に「薄っぺらい」ものである事が、
儚さを表し全体としては、
「死を忘れるな」という主題が、
「物語性」として作品に付与されています。

このように題材を選ぶ時点から、
「物語性」や「伝えたい事」を考ると、
題材を選ぶための異なる観点が持てます。
一度試してみられるのも良いでしょう。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・でした。
いつもお読み頂きありがとうございます。

次回更新ではフランスの公募展、
サロン・ドートンヌ」に入選しましたので、
その発表を7月30日(月)に致します。

よろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成・21世紀回顧録「西神中央橋」 [デッサン(Dessin)]

003・全体を統合して完成.jpg

題・21世紀回顧録「西神中央橋」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・455×530(ミリ) F10号

Title / The 21st century memoirs "Center Bridge of West Kobe"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / H21"×W18"

※完全な完成ではありませんが、
一旦筆を止め、
授業後に加筆したいと思います。
写真は自分が納得できましたら差し替えます。

○おはようございます。

神戸市・西区民センター「デッサン講座」の、
次回課題は「風景」です。
http://www.kobe-bunka.jp/facilities/nishi/

雨雨雨と降り続きましたので、
作例も雨を取り入れた主題としております。

ハトに餌をやるタクシー・ドライバーは、
実際に橋の下で餌をやっていおられた方ですが、
ハトの飛ぶ所は中々捉えがたかったので、
「ゆんフリー」というフリー素材を使用できるサイトの、
写真を参考にさせて頂きました。
Photo by (c)Tomo.Yun サイト・http://www.yunphoto.net

ありがとうございます。

文中にも書きましたが、
自分で撮られたり、
著作権を問われない写真から、
人物などを風景に配すると面白味が出ます。
一度試みられても良いかも知れません。

では以下指導案です、
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++

001・全体的に描く.jpg

①構図を考える

風景画はこれまで描いた各課題が、
全部統合されたような課題です。

構図の取り方、立方体や円筒の陰影の付き方、
点景では人物画の知識などを統合します。

構図で言えば備忘録などに小さな四角を描き、
その中に大体の構図を簡単に下描きしてみて、
実際は複雑な構図を単純化して理解します。

作例で言うと基本構図の内「三角構図」を、
使用しています。
左橋脚を頂点とし左右の屋根を2辺とした、
三角形を作り構図の土台の骨組みとしました。

視線の導入部として手前の「手すり」を使い、
円弧状の下の手すりにつなげ、
バス停の屋根で奥へと誘い円弧状の花壇等で、
左橋脚の頂点に持ってきて再びワイヤーで、
全体に拡散し橋で最初の手すりに戻します。

こうしてみるとごく基本的な構図の取り方で、
組み立てられている事が解ります。
次項は構図の動きを人物により更に与えます。

002・点景人物を入れる.jpg

②点景人物で動きを付ける

点景人物は入れても入れなくても結構ですが、
入れた方が「動き」は出やすいでしょう。

その場の人物をスケッチしたり、
写真で撮ったものを参考にして、
画面中に配します。

その場所を象徴するような人物を描くと、
主題や場所の特徴を強められるでしょう。

作例では雨の日に橋を渡ってくる、
傘を差した人の賑わいで「動」、
橋の下でそれらの人々も気付く事なく、
ハトに餌をやるタクシー・ドライバーで「静」、
「対比」で構図に変化と物語をもたらし、
作品には主題を与えました。

003・全体を統合して完成.jpg

③全体を見て完成

風景画も含めて全てのデッサンがそうですが、
全体的に進め全体の釣り合いを見て、
完成に導くのが大事です。

一部だけを先行させ過ぎると、
後で他の箇所を描いた時、
先行させた箇所が構図上や主題上、
不要であったり場所をずらす必要がある時に、
修正するのが著しく困難になります。

また完成までに時間が足りない時も、
全体的に進めていれば完成度の差はあれ、
いつでも「完成」とする事が出来ます。

作例でもまだまだ描き足りませんが、
「持ち時間」の範囲内では全体的に仕上げて、
完成とする事ができました。

+++++++++++++++++++++++

・・・以上です。
いつもご覧頂きありがとうございます。

次回は7月27日(金)に、
更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「ラジオ+手」(彼に再び歌わしめよ幸せの歌!) [デッサン(Dessin)]

03・デッサン完成「手+ラジオ」・510.jpg

題・「ラジオ+手」(彼に再び歌わしめよ幸せの歌!)
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ) F6号

Title / "Radio + Hand"(Let him sing a happy song again!)
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「ラジオ」の課題です。

デッサン講座の開設当初から、
続く課題ですが、
透視図法の基礎を勉強し、
複雑なものを描く手順を知る題材として、
やはり今期も残すことにしました。

今回は微妙に新規性を出すため、
手で持って描いてみました。
左手が使えないだけでも、
難易度が上がって大変だったです!

受講生の皆さんは今までどおり、
置いて描いて頂けます。
新規性を出したい方は、
それぞれに工夫を凝らしてみて下さい。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・補助線の引き方.JPG

①複雑なものを簡単に描く

今回のラジオのように、
無数の点が打ってあるなど
複雑な題材は一見困難です。

しかし規則性を持つ事も多く、
補助線を使えば簡単に描けます。

今回はまず四隅に補助線を引き、
X字の補助線を次に引くと、
点の集合「真ん中」を出せます。

あとは更に2分の1、4分の1と、
必要な数だけ補助線を入れます。

大切な事は「端」から描かず、
常に「真ん中」から割り出し、
誤差を極小化する事です。

02・総合的な見方.JPG

②前課題までの「基礎」を活かす

デッサン講座も後半に入り、
皆さんは基礎を収め後は応用です。

応用的な課題には、
実は基礎で習った事が、
複合的に隠れています。

例えばラジオの陰影は、
立方体の陰影が「基礎」。
僅かな角の面を描く事は、
工業製品を描く「基礎」。
余白で構図を決めるのは、
芸術全体の「基礎」。

いかに多くの「基礎」を、
見抜き使いこなせるかが、
作品の成否を分けます。

03・デッサン完成「手+ラジオ」・510.jpg

③シッカリ黒く塗り完成

白物家電、黒物家電とあり、
音響機器は黒物家電です。
現在でも濃色の物は多いです。

構図がシッカリ決まり、
位置が以後動かないならば、
今度は色をシッカリ塗ります。

鉛筆は色々持ち方がありますが、
最も強い筆圧で綺麗に発色する、
鉛筆を画面に90°立てた、
「鉛筆持ち」で最暗部を締めます。

画用紙の凸凹が完全に潰れるまで、
最暗部をシッカリと塗り込むと、
その他の部分は光沢等を取っても、
部分が全体を代表し黒く見えます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・でした。

さておかげ様で「佐渡のたらい舟」が、
フェイスブックの「Work Of Art Contest」で、
5月分「今月の1枚」に選ばれました!

WOC「今月の一枚」・全体スナップ・510.jpg

©Facebook

++++++++++++++++++

"The bowl ship of Sado" was selected to
"ART OF THE MONTH AWARD MAY" in WOAC! Thank you!

「佐渡のたらい舟」がWOAC「今月の1枚・5月分」に、
選ばれました。ありがとうございます!

++++++++++++++++++

以前は「今週の1枚」でしたが、
「今月の1枚」にも選んで頂きました。
2012年「今年の1枚」に選ばれるかは、
まだ未定です。

ぜひ選ばれますように!
「たらい舟」の作品紹介の記事にも、
この事は付記しました。

ただ電子画像的に「額」に収めるため、
画面の比率が変わっている事が、
とても気になりますが、
今回は目をつぶりたいと思います。

さて次回は6月22日(金)更新予定です。
またよろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「ナイロン袋+水」 [デッサン(Dessin)]

04・デッサン完成「ナイロン袋+水」・510.jpg

題・「ナイロン袋+水」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ) F6号

Title / "Nylon Bag & Water"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「ナイロン袋+水」です。

これは今期から初めてお出しした課題です。
「透明な題材も実は『色』が付いているんだ」
という事をお伝えしたくて作りました。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・図地反転.JPG

01・図地反転・「図」.jpg

01・図地反転・「地」.jpg

①図地反転

今回のように「1個だけ」の題材も、
構図としては「日の丸弁当」を避け、
ど真ん中から少し外すのが常道です。

常道を必ず採る必要はありませんが、
安定的に良い結果を得やすいです。

中心からどれぐらい外すかは、
想像か別紙で題材を「黒」に塗り、
「影絵」として中身を描かず、
余白も完全な「白」として、
主要なものは「図」それ以外を「地」、
として構図の釣り合いを見ます。

更にそれを「図地反転」させて、
余白を黒で塗り「図」として見た時、
なお面白いときに良い構図とします。

02・同じ明るさの所は同じ時期に.JPG

②同じ濃さを同じ時に塗る練習方法

すでにご存じのように、
同じ濃さの所は同じ時に塗りますが、
中々「難しい」とご意見を頂きます。

塗りたい色(鉛筆では濃さ)を、
塗りたい時に塗っていると、
同じ濃さを発見する能力を、
発達させるのが難しいです。

同能力を発達させる訓練として、
使う鉛筆の「濃さ」を限定し、
「一本ずつ」使う訓練を提案します。

「濃い所」から「薄い所」に描くのが、
一般的なデッサンの進め方ですが、
それに沿う形で例えば2Bから始め、
「B→HB→F→H」というように、
手には一本ずつ持ち選択した鉛筆が、
相応しいと思われる「濃さ」の所を、
同じ選択期間中に塗って行きます。

あくまで訓練ですから妥協せず、
鉛筆の濃い「順番通り」に行います。

03・消しゴムで描く.JPG

③消しゴムで描く

初回でお伝えした通り、
消しゴムは絵を「描く」道具です。
ただその筆圧(消しゴム圧)を変え、
「白」で階調を付ける役割なのが、
「黒」で階調を付ける役割の鉛筆と、
「逆」の役割を担うだけです。

今回のナイロン袋のように、
光の筋が多く見られる題材では、
使える局面が多いでしょう。

但し「真っ白」の箇所は、
ごくごく僅かですので、
白く抜き過ぎた時はもう一度、
「鉛筆」を適切な濃さだけかけ直し、
全体の中での明暗階調を崩さぬよう、
心を配ります。

また鉛筆同様「削って」使います。
削る手間を惜しまず、
必要に応じて削ってください。

04・デッサン完成「ナイロン袋+水」・510.jpg

④完成

完成しました。

最後にお伝えしたい事は、
「透明」なナイロン袋の「絵」は、
「透明」ではありません。

シッカリと色が付き、
その濃淡により、
「透明」に「見えて」いるだけです。

あくまでそう見えれば良いだけです。
ですから塗るのを手控えてしまわず、
思い切って塗る事をオススメします。

前項で記しましたように、
塗り過ぎ黒くし過ぎた時は、
消しゴムで白くすれば大丈夫です。

「透明」を過剰に意識せず、
観察はシッカリ行いつつも、
「色」もドンドン積極的に、
塗っていかれるのが良いでしょう。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・でした。

話は変わりますが、
6月8日(金)「日本水彩100周年記念展」を、
一緒にご覧頂いた皆さん、
改めてありがとうございました。

お忙しい所をお越し頂き、
本当に嬉しかったです。

また佐渡への旅行記を書く書ゝと言いながら、
書いていませんので、
来週金曜日から連載を始め、
その最終回で同展鑑賞の日を、
記事にしたいと思います。

そういう訳ですから、
次回は6月15日(金)更新予定です。
またぜひよろしくお願い致します。

では!
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デッサン完成「私の手」 [デッサン(Dessin)]

04・デッサン完成「私の手」・510.jpg

題・「私の手」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ) F6号

Title / "My Hands" For Hope
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

西区民センター「デッサン講座用」の、
「私の手」です。

自分の両手を鏡で見ながら、
「記憶」で描くこのやり方、
相変わらす難しく感じました。

今回は背景を少し付けてみました。
日水100周年用に「たらい舟」が出来上がり、
昨日応募のために発送しました。

同作の手の箇所は、
普段の手の観察が役立ったと思います。

では以下指導案です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・構図もっと右へ.JPG

①構図を探る

絵には色々な要素がありますが、
「構図」は最重要の要素と言っても、
過言ではありません。

今回は両手を記憶して描く方法で、
十字線が使えませんでしたので、
「アタリ」を軽く取って、
構図を「探る」過程を取りました。

皆さんには「二人一組」で、
行っていただきますが、
同様に「探る」過程を重視し、
最初に取った構図に固執せず、
もっとも良い位置を、
軽い筆圧で消しやすい内に、
探ってみてください。

作例では左に寄りすぎでしたので、
右に寄せました。
余白の出方が綺麗な位置が、
「良い構図」と言えます。

02・背景を塗る.JPG

②背景を塗る

今回は手が白っぽい画題ですので、
周りの背景を塗ってみました。

明るい所の隣は暗く塗り、
暗い所の隣を明るくするのが、
基本です。
但し意図によっても異なります。

輪郭線から離れる方法の一つとして、
試みられるのも一案でしょう。
消したり塗ったりして、
量を増減します。

03・明暗を付けていく.JPG

③流れを見る

手には筋肉の流れがあります。
指1本1々や細部に拘泥せず、
光と影の流れ(筋肉の流れ)で、
大きく掴まえます。

04・デッサン完成「私の手」・510.jpg

④強調して完成

白い部分はより白く、
黒い部分はより黒く、
やや強調し気味に仕上げました。

自由な作品中で「手」や「顔」を、
見ずに描くのは難しいものです。
しかし普段の観察と表現があれば、
自由な描写でも描きたい人物が、
描けるようになっているでしょう。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・でした。

先週「デザイン道場」の伸展企画として、
2012年10月24日(水)~28日(日)まで、
リビング&デザイン展」のシティ会場、
ACDCギャラリー」に出展する事が決まりました。

「絵」+「開発中のプロダクト」で、
出展する予定です。

開催日が近づきましたら、
またご案内致します。

次回は5月28日(月)更新予定です。
よろしくお願い致します。
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デッサン完成「トマト+ビン」 [デッサン(Dessin)]

05・デッサン完成「トマト+ビン」・510.jpg

題・トマト+ビン
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ)6号P

Title / Tomato & Bottle
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

○神戸市・西区民センターでの、
デッサン講座用に、
「トマト+ビン」を描きました。

またも微妙に課題を変えています。

トマトであれリンゴであれ、
「球」の陰影の付け方が把握出来ていれば、
種類を問わずに描けます。

やはり根本を理解する事が大事ですが、
目先を変えるのも大事と思い、
少しだけ変えています。

では今回の描画手順を見てみます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・フリーハンドが原則.JPG

1・フリーハンドが原則

今回は回転体の「補助線」も、
勉強する訳ですが、
いきなり補助線を描いたりせず、
まず軽い筆圧で「アタリ」を、
十分に取ってから、
補助線をいれます。

補助線は文字通り「補助」です。
「フリーハンド」を原則として、
描いて行かれた方が、
柔軟に構図や形を決定できます。

02・補助線.JPG

2・補助線を入れる

「フリーハンド」で構図や、
形を決定した後、
「補助線」を入れて行きます。

まず回転体の中心に、
垂直に補助線を入れます。

画面の端から測定棒などで、
等間隔を測って「点」を打ち、
それをつなげると良いでしょう。

その後、回転体の、
太さが変化する箇所ごとに、
平行線を引いて、
楕円を描く助けとします。

03・Fまで入れた段階.JPG

3・裏側も描く

ビンなどの透明なものは、
裏側も積極的に描いていきます。

ただ機械的に描くのではなく、
屈折による歪みや光の筋なども、
観察しながら描いていきます。

意外とビンは細い線が均等に、
集まっているのでは無く、
線が「溜まって」いる事が、
よくあります。

底などはこの現象が多いので、
線の「粗密」に注意して、
描かれると良いでしょう。

05・デッサン完成「トマト+ビン」・510.jpg

4・影にも注意して完成

力が集中する箇所が、
「要点」である事は、
以前お伝えしました。

この場合では「ヘタ」や、
ビンの「フタ」「底」などです。

更に今回は透明なものの影は、
透過した光によって、
光の筋が出来ているので、
そういう現象も観察して、
描かれると透明な題材の雰囲気を、
良く表す事ができます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
お読み頂きありがとうございました。

次は5月14日(月)に更新します。
よろしくお願い致します。

では!
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