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デッサン完成「時計&写真&死を忘れるな」 [デッサン(Dessin)]

03・完成デッサン「写真+腕時計」・510.jpg

題・「時計&写真&死を忘れるな」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ) F6号

Title / Watch & Photo & Memento Mori
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

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時間は我々が触れ得ないほど速く過ぎゆく!
死を忘れない為の自画像。

Time goes on so rapidly that we cannot touch it!
Self portrait for memento mori.

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○神戸市・西区民センター「デッサン講座用」の、
「時計+写真」の課題です。

これも今期に初めてお出しした課題です。
作品の「意味作り」という観点からお出ししました。

では以下指導案です。
ご助言よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・近すぎず遠すぎず.JPG

①近すぎず遠すぎず

基本的には画用紙が大きく見えるように、
それぞれの題材を配置します。

しかし小さい題材ばかりを描く時に、
余りにもお互いの題材を離し過ぎるのも、
考えものです。

近すぎず遠すぎず真ん真ん中は避けて、
ほど良い関係性になる位置に配置します。

良い関係性を持つ配置が出来たら、
十字線で構図の真ん中を決定します。

薄い線を用いた影で二つの題材を繋ぐと、
両題材が世界の中で関係性がある事を、
それとなく示唆できるでしょう。

02・平らな物には平行の線.JPG

②平らな題材には平行線

今回題材に選んだ写真というものは、
様々なものが写っていますが、
物体として即物的に見れば、
「薄っぺらい紙」となります。

ですから立体的なものが、
写真に写っているからといって、
色々な方向の線を入れてしまうと、
「薄っぺらい紙」であるはずの写真が、
凸凹であるかのように見えてしまいます。

写真の中の陰影はなるべく、
「平行線」を用いて描画し、
写真そのものは「平ら」に見えるよう、
留意します。

しかし写っているものの性質上、
「平行線」だけで描き切れないものは、
この限りではありません。

03・完成デッサン「写真+腕時計」・510.jpg

③「物語性」を与える

作品に「物語性」を与えると、
解釈が複層的になり、
観者の面白味が増します。

例えば時計は「過ぎゆく時間」、
想い出の写真は「移ろいやすいもの」、
更に「薄っぺらい」ものである事が、
儚さを表し全体としては、
「死を忘れるな」という主題が、
「物語性」として作品に付与されています。

このように題材を選ぶ時点から、
「物語性」や「伝えたい事」を考ると、
題材を選ぶための異なる観点が持てます。
一度試してみられるのも良いでしょう。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・でした。
いつもお読み頂きありがとうございます。

次回更新ではフランスの公募展、
サロン・ドートンヌ」に入選しましたので、
その発表を7月30日(月)に致します。

よろしくお願い致します。

では!
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コメント 3

カズノコ

人それぞれに物語を持っていらっしゃるでしょうから
おもしろいものが出てきそうですね!
でも、絵をしようとすると、戸惑うのでは・・・・・・・・・?
「サロン・ト゜ートンヌ」展は、どこで見られるのかな。


by カズノコ (2012-07-27 10:35) 

岩崎ナギ

カズノコさん→そうですね。
写真は人それぞれの人生の一瞬間ですから、
何か為になるお話が、
お聴きできるかも知れないと思いました。
「サロン・ドートンヌ」はパリですね。
シャンゼリゼ通りの特設会場だと思います。
ご質問頂きありがとうございました。
by 岩崎ナギ (2012-07-30 06:07) 

匁

おはようございます。
暑いですね。
哲学的なテーマですね。
どんなことになるか匁も
描いてみます。
by (2012-07-30 07:58) 

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