水彩完成「トウモロコシ」

題・「トウモロコシ」
作者・岩崎ナギ
技法・水彩
大きさ・３１８×４１０（ミリ）６号Ｐ

Title / "Corn"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Watercolor
Size / 318mm×410 (12.7"×16.4")

◎神戸市・西区民センター「デッサン講座」と「色鉛筆講座」、
芦屋青少年センター「デッサン・水彩講座」用の、
水彩指導案です。

トウモロコシは簡単なようで、
包葉（ほうよう）が薄いため、
剥いて中身を見せるやいなや、
乾燥して丸まり出し、
構図は変わり、
色も時間が経てば茶味がかるので、
短期勝負で描かなくてはなりません。

それが最大の難しさだと思います。

では以下指導案です。
よろしくお願い致します。

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１・色を絞る

しなびたり、変色したり、腐ったり、
短時間で描かなければならない題材は、
色数を絞り替わりに手数を増やします。

このトウモロコシの作例の場合は、
基本色は実、葉、背景の３色のみです。
その３色に明中暗とありますから９色。
最後の締めの濁色を含めても１０色です。

この時に留意しておきたいのは、
例えば実の色も葉や背景に使っても良く、
葉の色や背景色についても同様である、
という事です。



２・軸の後ろを持つ

トウモロコシはヒゲが特徴の一つですが、
ある程度の長さがあるため、
筆や鉛筆の先端近くを持っては、
中々真っ直ぐに線を引く事が出来ません。

このような時は筆や鉛筆の末端側を持ち、
歪みの少ない長い線を引いて行きます。

但し末端を持つほど運筆は難しいので、
他の筆や鉛筆を支柱として用いたり、
腕鎮という道具を使います。

腕鎮（わんちん）とは腕枕とも書き、
腕を置いて安定させるための棒です。
売っているものもありますが、
単に伸縮自在の洗濯物干しで軽量のもの、
これで十分です。

もちろん根本的には、
普段から線だけを引く練習を行ったり、
鍛錬を積む事が一番大事です。



３・完成

完成しました。

短時間での描写には高密度の集中が要り、
文字通り歯を食いしばる瞬間も必要です。

描画時間の全てにおいて、
高密度の集中維持は困難ですから、
題材の要点、
即ち力が集中する題材の先端などは、
より密度の高い集中で挑み、
その他の箇所はやや段階を下げて応じ、
全体として短時間で緊密な描画姿勢の、
維持に努め時間内に完成させます。

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・・・です。
いつもご覧いただき、
ありがとうございます。

次回は７月１０日（木）に、
更新予定です。
よろしくお願い致します。

では！

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コメント 4

短時間の処理は、お花の場合も、よく経験します。
開いてしまったり、下を向いてしまったりと。
モチーフのそれぞれの色の響き具合の記載、
とっても参考になります。
ありがとうございました！
by カズノコ (2014-07-05 10:07) 

カズノコさん→コメントありがとうございました。
花も苦労しますね。
ハイビスカスなんかは、
文字通り見る間に開いたり閉じたりするので、
葉より花を一番に手を入れたり、
気を使います。
いつもご丁寧にコメント頂き、
こちらこそありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2014-07-05 11:24) 

腕鎮は伸縮自在の洗濯物干しざお
で、代用できるんですか？やってみます。

トウモロコシのような淡い色のモチーフは
極薄い色から始める必要があるんですね？
by 匁 (2014-07-08 08:36) 

匁さん→お読み頂きありがとうございます！
腕鎮はプラスチック製の物干しざお
もしくは床拭きモップのアルミ製で伸縮自在のもの、
などが便利です。
ぜひお試しになってください。

トウモロコシはそうですね、
ごく薄い色から始められた方が、
修正しながら完成度を上げて行きやすいと、
思います。
by 岩崎ナギ (2014-07-08 21:27)