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アゼルバイジャン記7話「銃を撃つ」 [旅(Travel)]

007-001・ナギ射撃「タマーラ撮影」・510.jpg

○日本を表す踊りは確かに、
日本人であるナギのために踊られたのだが、
もちろんナギや日本人以外の、
各国から来た作家のためにも、
それぞれの国から想を得た踊りが踊られていた。

007-002・各国を表す踊り・510.JPG

どれもとても華やかで美しい。
日本は扇子を使った踊りだ。
多少大ざっぱに東洋っぽくもあるが、
その好意に対して惜しみなく拍手する。

007・日本を表す踊り-01・510.jpg

007・日本を表す踊り-02・510.jpg

また話が前後するけれど、
各国の踊りの前には、
色々な歌手が唄を披露していた。

それぞれの歌手が素晴らしかったが、
特に最初に唄った髪の長い女性歌手、
「Latifa Soyuoz」
の堂々たる声量と繊細な情緒溢れる歌声に、
ナギは心を打たれて涙を流す。

007-003・Latifa Soyuoz(歌手)熱唱・510.jpg

生で見て聴いて頂くのとは天地の開きがあるが、
ユーチューブでも動画が上げられている。
ただやはり実際に聴くのには敵わない。



+Latifa Soyuoz "Sari gelin" ("Blonde bride")+

変わって翌日はまずモスクの見学。
ギャバラでは今年初めて出来たばかりの、
本格的モスクだそうだ。

モスクに入るのは初めてだ。
礼拝所から丸天井を見上げてみる。
宗教建築独特の吸い込まれる垂直性。

007-004・モスクで上を見上げる・510.JPG

2階は女性が祈るための場所だ。
格子窓で1階の男性から見えないようになっている。

数人の女性が祈り始める。
撮影許可は出ていたが、
礼儀上その姿は撮らなかった。

続けてその足で発掘中の遺跡を見学し、
博物館の中で昼食を食べる。

夕食かと見まごう豪華さだが、
果物に関しては皆「酸っぱい」の特徴だ。
桃も決して甘くはない。

007-005・夕食と見まごう豪華さ・510.JPG

品種改良が進んでいないからだが、
暑い地方では『これで良いのだ』と気付く。
と言うのは肉を食べると、
口中がしつこくなるので、
サッパリしたものが欲しくなるのだ。
肉は流石に美味しかった。

昼からは「銃」を撃つ。

ライフル銃に弾を込め。
向こうから飛んで来る「マト」を狙い撃つ。
銃声が凄まじい。
防音用ヘッドフォンをする。

結構みんなハズしている。
クルド人女性が命中させたのには、
ドキッとした。
皆拍手する。

ナギの番が来て教官に指導を仰ぐ。
『アゴで銃床をハサむのがコツだ。」
それだけ。

こんなのは空手と同じだろう。
肩の力を抜き息をゆるく吐き、
マトの動く軌道を読み、
落ち着いて撃つ。

007-006・ナギ射撃「アシャナ撮影」・510.jpg

当たった!
偶然一発で命中しマトは砕け散った。
皆どよめき拍手する。
一発だけで止す事にした。
バンバン撃つものじゃないしな。

防音ヘッドフォンを誰かに譲り、
射撃場を離れる。
覆いを取り去った耳に、
改めて銃声が鼓膜に突き刺さる。

休憩を取りに近くの谷川に近付くと、
ラナが立っている。
モスクの2階で祈っていた女性の一人だ。
「未来少年コナン」の女性主人公と同名だが、
堂々たる体躯の中年女性だ。

『銃を撃たないの?』
『ああいうのは嫌い。』
手を振って答える。

『モスクで祈っていたでしょう?』
『あたしはイスラム教徒だから。』
『他の宗教も受け入れられる?』
『もちろん!』

イスラムかどうなどを一切問う事なく、
全ての国の中庸な人々に心を開いて頂き、
民主主義を共有するのも、
今回の旅の重要な目的の一つだ。

ホテルへ帰り際にロープウェイに立ち寄る。
まだまだ未完成で工事中だ。
しかしこの国自身と同じように、
凄い速度で段階が進展している。

スリバチ状の巨大な穴を、
山の裾野に掘っている。
『あれは何をするのもの?』
サビーナ(同名の通訳が2名いるがこちらはギャバラ担当)
に訊ねる。

007-007・すり鉢状の工事・510.JPG

『判らないので訊いてくる。』
と現場作業の人に訊いて頂くと・・・
『人工ゲレンデ(スキー&スノボ用)だそうだ。』
へぇー!

ロープウェイで上がる最中にも、
別のロープウェイが建設中なのが見える。
とにかく急速度なのだ全てが。

山の上からは遥か遠くまで見渡せる。
まだまだ整備途上の山ではあるが、
関わっている人には発達していく青写真が、
ハッキリ見えているのだろう。

007-008・将来のスキー場からの眺望・510.JPG

『ドンドン建って行くぞ!』
現場作業員の人が、
誇らしげに身振り手振りで表現する。
この人とは一緒に記念撮影もした。

再びロープウェイで登り口に戻る。
建築資材を吊り下げ飛び立つヘリの、
凄まじい砂ボコリを、
車の陰に入って避けながら、
素早くバスに乗り込む。
それでも全身がホコリまみれだ。

発展して行くこの国の、
急速な変化とそれに伴う問題が、
ピカピカのロープウェイと、
それを作るために出るホコリとに、
端的に象徴されていた。

その日はそれでホテルに帰ったが、
次の日はまた「置いてけぼり」を、
喰うハメになってしまった。

しかも韓国人作家から、
竹島に対する激論を挑まれたのだった。

(つづく)

+++++++++++++++++

世間ではお盆休みも終わり、
また忙しくなりましたね。
自分も何とか夜にブログを更新しました。

次回は8月23日(金)の、
更新を予定しています。

よろしくお願い致します。
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匁

大分記事が貯まりましたね!?
整理は大丈夫ですか?
これは懇親会と社会見学のツアーのチームなんですね。
国内のイベントだともうひと組 ゴルフ会チームも
設定されますが、そんなのはなかったんですか?

我々政治家でもないので韓国の方とはそのような話は
しないです。
by (2013-08-20 08:05) 

カズノコ

アゼルバイジャンの記事、楽しく読ませていただきました。
変な韓国人の言い掛かりを除いて。
by カズノコ (2013-08-20 17:00) 

岩崎ナギ

匁さん→コメントありがとうございます。
記事が溜まった上に、
まだ書くべきでありながら、
書いていない記事だらけです(笑)。
アゼルは皆、手記を取ってあるのですが、
トルコは簡単なのしかないから思い出せるかな???
このツアーはアゼルの国家宣伝ですね。
いかに発展が進んでいるかという。
しかしまあ実際に凄まじい速度なのは確かです。
ゴルフは無かったですね(笑)。。。
今回呼ばれたのは作家と考古学者でしたので。

私、岩崎も普段は個人の関係において、
そんな話は極力避けますが、
今回は向こうから挑まれましたので、
まぁしょうがなかったですね。
by 岩崎ナギ (2013-08-20 22:08) 

岩崎ナギ

カズノコさん→いつもお読み頂きありがとうございます!
続けて読んでくださる方がおられるおかげで、
何とか意欲を持続させて書く事ができます!

韓国人の大使館に近い人や、
大使館の人はやっぱり態度が冷たかったですね。
極力こちらからは穏やかに接するように努めました。
激論を吹っかけられた人に対しては、
まあ止むを得ないです。
by 岩崎ナギ (2013-08-20 22:11) 

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