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アゼルバイジャン記6話「受賞!+平和は冗談では・・・」 [入賞(Prize)]

006-001・AwardNagiReportJeyran・510.jpg

+岩崎ナギ・インタビュー+
「こんにち世界平和というものは冗談の種ではありません。」
+2013年5月5日・於ギャバラ、アゼルバイジャン+
※実際のインタビューは英語で行いました。

まず始めに偉大な国アゼルバイジャンのご厚意で、
私達作家が作品を共有し、
文化の進展をここから発信できる事を、
強く感謝いたします。

私は極東、日本から来た作家です。
そんな遥かな距離を乗り越え、
ここに来られた事は喜ばしい事です。
同時に私達の小さな世界にあっては、
私達は皆、友人なのです。

このような関係には国境は無く、
障壁も、人種の違いもありません。
私達の芸術は非言語的な伝達手段であり、
そのようなものの枠には収まり切らないのです。
それは私達の世界の平和をほんの少し増す事が出来ます。

こんにち世界平和というものは冗談の種ではなく、
私達を一つに結びつける最も大切なものなのです。

お聴き頂き本当にありがとうございました。
私達の展覧会をお楽しみ下さい!

+ IWASAKI, Nagi Speech +
"Today the world peace is not a joke issue."
+ May 5 2013 in Gabala, Azerbaijan +

At first, I do appreciate
that our artists are invited to share our art
and can send a cultural improvement from here,
thanks to great country Azerbaijan.

I'm an artist from the Far East, Japan.
I'm happy to come here as getting over such a far distance.
At the same time, in our small world, all we're friends.

This relationship has no borders, no barriers, no races.
Our art is a non-verbal communication above these.
It can improve our world peace a little bit.

Today the world peace is not a joke issue.
But the most important one can link us to one.

Thank you very much for listening.
Have fun our show!

○受賞インタビューはジェイランが行ってくれる。
前日に会ったミラショカが訊いてくれると思っていたら、
違う女性つまりジェイランだった。
同じテレビ局だろうか違うのだろうか?

開会式典や授賞式の前に、
まず独立後3代目の大統領
(第2話で「初代」と記しましたが、
「3代目」の誤りでした。訂正いたします。)、
ヘイダル・アリエフの記念館に行き、
資料を見て献花を行う。

この文化交流を通じて仲良くなった、
オーストリア人のリンデという婦人と、
記念像への道を少しずつ進む。

リンデ婦人は言う。
『彼が全てを支払ってくれたのよ。
花くらいは供えなければならないわ。』
「イエス・アイ・テイク・マイ・レスポンサァビラティ。」

「フォー・ザ・ピース・・・」
そう言って献花する。
『平和のために・・・』

開会の挨拶は本当に長い。
役の付いた人たちが、
入れ替わり立ち替わり挨拶する。

ちなみに韓国は大使館から、
韓国作家のために、
公用車に太極旗を靡かせ人を出し、
挨拶させている。

彼らは文化こそが外交だという事を、
よく知っているのだ。

もちろん日本大使館は、
ナギのために人を送らず、
挨拶にも加わっていない。

彼らは文化こそが外交だという事を、
よく知らないのだ。

ナギはナギ1人のために用意された、
日本国旗の傍らに立ち、
日本人の魂を静かに表現する。

ラトビア人が友好を示そうと、
2国旗を翻した写真を撮ってくれる。

006-002・「ナギの日の丸」・510.jpg

開会式典は極めて遅い進行ながら、
それなり順調に進み、
突然ナギも含めて、
数名の作家名が呼ばれる。

『なぜ呼ばれたのだろう???』
理由がよく判らないでいると、
事務局のキャヌルが近づいて来て、
英語で説明してくれる。

『ナギ、あの人たちはあなたを表彰するから、
あの人たちの側にいて。』
『了解!ありがとう!』

式典は緩やかに授賞式に移行する。
受賞作家が呼ばれ賞状と副賞を渡される。
東欧やアラブ、アジアの作家たちは、
控えめな方が多く、
モソモソと受け取りソソクサと引っ込んでしまう。

ナギは度胸を決めて、
"Thank you very much!"
ニコッと明確に受け取る。

006-003・岩崎ナギ「受賞」賞状授与・510.jpg

テレビの人たちが「ナギ!」と呼び、
『カメラの方を向くように!』と合図する。
再びニコッ"Thank you very much!"

006-004・ナギ受賞・披露版「カルチャーセンター内」2013・510.jpg

頂いた賞の名前は・・・
"Original Depiction Of A Complicated Theme"
無理に和訳すれば・・・
「難解な主題の独自な表現」賞。
平たく言えば「よく解らないで賞」。

「よく解らないで賞」と言う所が秀逸だ。

ちなみにユネスコ親善大使で、
現大統領の奥さんメーリバン・アリイェーヴァ女史が、
同展図録の中で展覧会の影響力は年々増し、
今回は更に複雑な主題(complex theme)が選ばれていた、
と書かれていたがナギの作品も含まれているのかも知れない。

また多くの人が「ナギ」という名前を、
すぐに憶えてくれたのには、
発音しやすさの他に、
偶然にもアゼルバイジャンで、
よくある男性名だからだそうだ。

これは複数の方からお聴きしたので、
間違いのない話だろう。
オモシロイ偶然だった。

副賞はAFB銀行のビザカードと、
賞金約1200ドル(約11万円)。
これは本当に助かった。

受賞式の後はいよいよ開会し、
多くの方が会場に雪崩れ込む。

006-005・盛況な会場・510.jpg

006-006・Ana&Tiko・510.jpg

ナギの作品は寸法の勘違いからか、
やはり吊り下げでは無く、
展示台の上に飾られていたが、
「ミスター・マーディ」の厚意だろうか、
少しマシな展示台に替えられていた。

006-007・KSFIとナギ+賞状・510.jpg

各作品を印刷した小冊子が、
とても大きな円卓の上に載せられている。

ナギの作品である「KSF」「たらい舟」の冊子を、
『取ったよ!』と教えてくれる、
見知らぬ人が結構いる。
ありがたい事だ。

ナギ自身も自分のために、
2作品の冊子を取るが、
ロシア人の女の子に「たらい舟」の冊子を、
半ば冗談で取り上げられてしまう。

冊子は詰まるところ宣伝のためなので、
これは不問として、
もう一度「たらい舟」の冊子を取り直すが、
旅の過程でいつの間にか失くしてしまった。
今あるのは「KSF」の冊子だけだ。

ここで冒頭どおり、
地元のTV局ジェイランという女性が、
「受賞作家全員にインタビューしているので、
ナギも話を聴かせて欲しい。」
と言ってくれる。

この女性は一緒に移動したり、
ホテルのレストランで見かけたりしたが、
いつもつまらなそうな顔をして一人で居たので、
打ち解けない女性の作家だと思っていた。

それが今や「ナギ!」と満面の笑みで話しかけてくるので、
レポーターである事をまず驚くと同時に、
その私生活と仕事とのパッキリした区別にも驚いた。
「仕事はデキる子」なのだ。

ともかくそのジェイランに、
「ダ・ワールド・ピース・イズ・ナット・エ・ジョーク・イシュー」、
を伝える(内容は冒頭)。

実際の映像は出来上がり次第送ってくれる、
とジェイランが約束してくれたので、
受け取ったあと掲載したいと思う。

『作品についてもっと聴かせて。
この作品は何を表しているの?』
『いかなる困難な状況からも産み出される希望。』
『希望なのね?』
『希望。』

ジェイランのインタビューはここで終わり。
なおこの後ジェイランには何度もあったが、
多くの場合「ツーん」としていた。
本当に「仕事はデキる子」なのだ。

次はこの会場にある舞台で、
各作家の母国を表す踊りが踊られ、
日本から来たナギのためにも、
日本を表す踊りが踊られた・・・

(つづく)

+++++++++++++++++

とても暑い毎日ですが、
皆さんお元気でお過ごしですか?

バタバタしていますが、
何とか続きをアップしました。

次回は8月17日(土)の、
更新を予定しています。

よろしくお願い致します。
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匁

「難解な主題の独自な表現」は
「独創性重視の作品」というのかな?

ビデオを見せて頂けるんですね!
楽しみにしています。
by (2013-08-12 14:08) 

カズノコ

式典でのインタビュー、中々お見事です!
もう、どこに行かれてだいじょうぶですね!
by カズノコ (2013-08-12 15:56) 

岩崎ナギ

匁さん→しっかりお読み頂き、
ありがとうございます!
独創性というよりは、
描かれている主題とその象徴が、
異なる文化圏であるこの地では、
理解が難しかったのだと思います。
その良く解らない主題を、
しかし技法的には独特な表現ながらしっかり描いたな、と。
そこを認めて頂いたのだと思います。
その度量に感謝です!

ビデオは出来次第アップします。
ありがとうございます!
by 岩崎ナギ (2013-08-12 18:13) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます!
英語も凸凹な使い方ながら、
実地で鍛えられ、
完璧な文法とはとうてい呼び難いですが、
何とか通じるようになってきました。
いつもお読み頂き感謝です。
by 岩崎ナギ (2013-08-12 18:17) 

kiyo

ナギさん、
Original Depiction Of A Complicated Theme賞
おめでとうございます。
複雑なテーマでの独自描写 とでも、呼ぶ賞でしょうか?
それでも、通じるところに、ナギさんの芸術性の素晴らしさがあるのだと思いました。
by kiyo (2013-08-12 21:36) 

岩崎ナギ

kiyoさん→ありがとうございます!
長い名前の、
それこそ複雑な賞を頂きました(笑)。
でも多くの方が(中庸な)イスラム教徒であるこの国家で、
異文化の図像学的な意味合いを複雑に持つ絵を、
受け入れて頂いた所に、
大きな意義があったと思います。
ありがとうございました。
by 岩崎ナギ (2013-08-13 07:56) 

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