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アゼルバイジャン記2話「キンキュウジタイショウそれは何の大賞ですか?」 [旅(Travel)]

002-05・アゼルバイジャンの子供たち・1・510.jpg

+アゼルバイジャンの子供たち
+Azerbaijan children

○今回の旅行はビザにしてからが大変だった。

日本とアゼルとは良好な関係を持ち、
ビザの発給は無料だが、
手間が恐ろしく掛かった。

東京に大使館があるだけなので、
友人の森下さんにお願いし、
書類を提出して頂いた。

4月9日(火)に提出して頂くと、
「ビザ取り扱いは月と木だけです。」
と一旦返されてしまったそうだ。

次の4月11日(木)に再提出頂き、
「問題ありませんか?」
「ありません、1週間後に出来ます。」

次の次の4月18日(木)受領にお出かけ頂くと、
「E-VISA(ネット経由の申し込み)が足りません。」
「えー!」

また振り出しに戻り、
その日中にネット申請を行うも、
次週初めの月曜22日にはまだ出来ず、
更に次の木曜との約束になる。

だがここで問題が出てくる。
その木曜とは4月25日。
次の月曜となると4月29日「昭和の日」。
つまり祝日で大使館はお休みだ。

もし4月25日(木)に発行されなければ、
招待されておきながら、
入国できない事態に陥る。

事務局に助力を求めるメールを書く。

すると4月24日(水)に大使閣下からお電話頂き、
明日25日(木)か26日(金)午前には出来るので、
確認の電話をするようお伝え頂く。

翌4月25日(木)朝9時にお電話すると、
「今日中には出来ます。」との事。
ホッとして「ありがとうございます!」

「ところでキンキュウジタイショウと関係ありますか?」
「キンキュウジタイショウ?
済みません、それが何か解りません。」
(何かの大賞(コンテスト)だろうか?)

「英語言うとMinistry Of Emergency Situationsです。」
「ああ!『緊急事態省』ですね!」
閣下によると緊急事態省から、
何故ビザが下りていないのか、
確認電話を頂いたとの事。
事態が大袈裟になっている事に一人驚く。

結局ビザは4月26日(金)に発行された。
大使館の皆さん、大使閣下、アゼル政府の皆さん、
事務局の皆さん、受け取って下さった森下さん、
その他関係者の皆さん、
本当にありがとうございました!

・・・国旗をぶら下げたメルセデスは、
空港から出て市中へ走る。

見事に英語の話せないおじさんは、
「ハローはサラーム!」
などと教えてくれている。

おじさんは「コリア(韓国人)?」と訊く。
「ノー、アイム・エイ・ジャパニーズ」。
「オー・ジャポン・イズ・グッド!」。
親指をグッと出してくれる。
やはりアゼル-日本の関係は良好らしい。

『日本語でサラームは何だ?』
「こんにちは、です」
「コンニチハ!」

案外発音は悪くない。
カンは良いのだろう。

アゼルは石油で潤う国だが、
貧富の差は結構あると言う。
街中の写真を、
あえて解説抜きに並べよう。

002-1・空港から「市内」・510.JPG

中心部に入ると人と車で大渋滞だ。
信号は無い所が多い。
おじさんは滅茶苦茶にハンドルを切り、
クラクションを鳴らす。

トランクからバッタの羽のように、
積み切れない自作品が飛び出ているから、
他の車に当たりやしないかヒヤヒヤだ。

それには無関心のおじさんは、
何か解らない事を言う、
「ロシア」と聞こえたようなので、
「ロシア?」と返すと、
「プーチン」と言う。

アゼルのすぐ北がロシアなので、
何かロシアに関係したものがあったのだろう。
写真からも察せられるように、
ここは想像以上に「ロシア圏」だった。

街頭に独立後初の大統領、
(※独立後3代目の誤りでした。訂正いたします。)
「ヘイダル・アリエフ」の写真がある。
(現地の発音では「ヘイダー・アリエーブ」と聞こえた)

002-2・ヘイダル・アリブ・510.jpg

『前の大統領だ。ほらこれが今の大統領。』
おじさんは大事そうにヘイダル・アリエフと、
現大統領イルハム・アリエフの、
記章を見せてくれる。

続けて何か解らない事を言い、
眠っている動作を見せる。
どうやら前大統領が亡くなった事を、
意味しているようだ。
「アイム・ソーリー・アバウト・イット。」

車は「ポイント・ホテル」に付く。
トランクから突き出ていた自作品を、
降ろして確認してみると・・・
額の内部が少し破損している。
強引だったが親切でもあった、
英語を話せないおじさんには、
やはり黙っておく事にする。

002-3・ポイント・ホテル・510.jpg

親しみやすいフロントの男性に鍵をもらい、
案内された部屋は実用的。
次の日は韓国人の方も同室だと言う。

002-3・ポイント・ホテル「部屋」・510.jpg

『ところでコンセント変換器はありますか?』
『係りに持って来させましょう。』
そうコンセントの形が違うのだ。
変換器と当地のコンセントはこんな感じ。

002-4・ポイント・ホテル「変換器」・510.jpg

ここでも日本は良い所だと言われる。
良好な国際関係の重要性を感じる。
イノセ氏のイスラム蔑視発言は問題外。

着替えて再びフロントに行くと、
受付は別の男性に替わっている。
(しかしやはり親しみやすい)
「公園はありますか?」
「すぐそこです。海の近くにもありますよ。」
よーし公園を走ろう!

機内の冷房で鼻水が止まらず、
風邪を引きかけているが、
走った方が気分も変わる。

途中で子供たちにあい、
「ハロー!」などと揉みくちゃにされる。
この人懐っこさは日本で言えば1970年代。

01-05・アゼルバイジャンの子供たち・1・510.jpg

入国が制限されているこの国では、
外国人が珍しいのだろう。
名前を尋ねられ握手攻めにあう。
「ナーギー!」

続けて公園まで走るが、
例によって信号が無い。
命がけで車道を横切る。

002-06・歩道を横切る・2・510.jpg

公園でも大人たちが、
好奇の視線を投げかけるが、
さすがに声は掛けてこない。
巨大なロシア風公園だ。

002-07・巨大な公園・2・510.jpg

そんな公園でもいかなる容赦も無く。
10本往復の全力走をして片足スクワット。

ホテルに帰ってジムで一人空手の練習。
ジムにはプールが付いているが、
あいにく水着が無い。
作品を含めて荷物が一杯で、
冗談抜きでパンツ一枚入れるスキマも無かった。

002-08・室内プール・510.jpg

7階の展望レストランで夕食を食べる。
7時だが昼間の明るさだ。

002-09・展望レストラン・510.jpg

フロントで勘定を払おうとすると、
『アルコール以外は事務局持ちです。』
ありがとうございます!

次の日は朝5時に起きた。
引きかけた風邪は治っていたが、
置いてけぼりを喰う事態が待っていた。

(つづく)

002-09・展望レストラン「町並み」・510.jpg

+++++++++++++++

「アゼルバイジャン記」2話です。

太陽が眩しく夜7時まで昼の国、
アゼルバイジャン。
多くの人が親日的で優しいです。

次回は5月27日(月)更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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匁

ビザの取得までひやひやでしたね。
森下さんも頑張られたんだ!。
大人も振り向くって?そんなに外国人が少ないんですか?
昔、ドイツの田舎に行った時は子供に外国人で珍しいがられたけど。
by (2013-05-25 08:39) 

岩崎ナギ

匁さん→コメントありがとうございます。
森下さんは今回大活躍でしたね。
大使館に何度も直接お出かけ頂いたり、
お電話もして頂きました。
アゼルバイジャンは入国を制限しているので、
そもそも外国人そのものが珍しい上に、
「東洋人」ですからね。
更にTシャツ着て走ってたりして、
みんな驚いてました。
by 岩崎ナギ (2013-05-25 08:50) 

カズノコ

楽しいお話ありがとう!
今度上京の際には、森下さんと
一緒にお食事だね!
by カズノコ (2013-05-25 11:35) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます!
そうですね日本水彩が受賞していたら、
また都美術館でぜひご一緒に鑑賞いたしましょう。
しかし受かってるかな???
by 岩崎ナギ (2013-05-25 14:37) 

みなりん

ビザの取得は、ハラハラ、ドキドキでした。
月曜と木曜という限れた日にちなんですね。

海外は、いろいろ勉強になる事が多いです。
展望レストランのお食事は、美味しかったですか?
by みなりん (2013-05-27 13:01) 

岩崎ナギ

みなりんさん→確かにビザは取り扱っている日が、
限られていて正直取得も出来ないんじゃないか?
と本当に心配になりました。
結局本来の扱いでない金曜に発行して頂けて、
最終的に何とか間に合いました。
関係者各位に感謝です。

海外は「日本の当たり前」が通用しなくて、
色々と考えおっしゃる通り勉強になりますね。
展望レストランは美味しかったですよ。
高かったので遠慮して食べてました(笑)。
コメント頂きありがとうございます!
by 岩崎ナギ (2013-05-27 15:48) 

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