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オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」・10話「ポンピドゥー」 [旅(Travel)]

022・ポンピドゥー「前の広場・ジタン&マテラッツィ・題名『頭突き』」・510.jpg

○Center Pompidou : The headbutt!
○ポンピドゥー・センター : 頭突き!

オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」
10話「ポンピドゥー」

◎空港への改札はまだ開かない。

だがそのうちに意外な光景を見た。
やはり切符を持たないらしい、
スキンヘッドのフランス人が、
切符を持った無関係の旅行客の、
ピッタリ後にくっついて改札を突破したのだ。

ジャのミチはヘビ。
かすかな光明が射した。

・・・本当にノロノロ運転だ。
パリ中心部までは1時間もかかるが、
遠いのではなくニッチもサッチも行かない、
「渋滞」が原因だ。

「毎日こうなのよ。」
とナタリー。
実際の時間は半分か3分の1だろう。

2人は出勤だがナギはポンピドゥー。
『美術館はどこが面白いと思う?』
と昨夜2人に尋ねたところ・・・
『ポンピドゥー』
と二人は口を揃えたのだった。

「シャロンヌ通りまで送るよ。
降ろすのと反対側のバス停から乗るんだよ。」
「了解!」

ノロノロノロロノロロノロロロと、
いつまでも進まないようだが、
ついに件のバス停近くまで来る。

角に停めてサッと降りパッと挨拶。
一宿一飯の恩義に謝する。
「また会おう!」

向いまで走って乗ったバスは76系統。
ポンピドゥーまで本当に行くのか?

『知らない・・・』
身振りとフランス語で、
ニベも無く若い運転手が答える。

021・ポンピドゥーへ「バス車中」・510.jpg

○Route No. 76
○76系統

バス運転手なんだから、
知らない、なんて事はあり得ないが、
フランス人に英語で訊くと、
こういう事が起こりがちだ。

仕方が無いのでスキンヘッドの、
親切そうなおじさんに訊ねる。

「3ステップ(3停留所先)」
人差指、中指、薬指、3本立てて、
通過する停留所の数を教えてくれる。

おじさん自体は「2ステップ」先で、
『次だよ!』と軽くナギの腕を叩いて降りていった。
「メルシー!」

停車ボタンを押し、
硬貨をどこに入れるかを、
若い運転手に訊く。

さすがに無視はできず、
『ここに。』と言って指でさし示す。
2ユーロをいれ「メルシー!」
運転手は答えない。

降りると南北(?)に伸びる街路がある。
南と北(だとして・・・)どちらに進むべきか?

021・ポンピドゥーへ「最初の街路」・510.jpg

○Where is the "Pompidou"?
○ポンピドゥーは何処に?

カフェでコーヒーを飲んでいるマダムに、
「エクスキューズ・ミー・マダム・・・?」
とポンピドゥーはどちらか訊ねる。

『向こう・・・』
と指だけをさされた方角に進むと・・・

021・ポンピドゥーへ「反対側の駅」・510.jpg

○The opposite side!
○反対側!

・・・地下鉄のターミナル駅に着く。
要するに「反対側」に着いたわけだ。

マダムが知らなかったのか、
あるいは悪意があったのかだろう。
ポンピドゥーへ引き返す道沿いには、
もうマダムの影も無い。

それでも朝9時にはポンピドゥー・センターに着く。
館前の広場には、
何組もの団体客が先に着いていて、
子供達を中心に賑やかな団欒の輪が出来ている。
変テコなポーズを取り合いながら、
小学生が写真を取り合うさまは世界共通だ。

022・ポンピドゥー「前の広場・小学生記念撮影」・510.jpg

○The world standard scene.
○世界標準光景

ジタンがマテラッツィに頭突きする、
巨大な銅像が立っている。
作品の題はそのまま「頭突き!」。

係員に訊くと開館は11時だそうだ
(またも指を全部広げかつ1本足し教えてくれる)。

2時間もあるので再度道を引き返し、
道沿いのパン屋で細長いパンを買い、
館前広場に戻ってボロボロこぼしながら食べる。
ボロボロは鳩が無駄を許すこと無く食べ尽くす。

022・ポンピドゥー「前の広場・パン」・510.jpg

○Nagi ate the bread, pigeons also ate it!
○ナギはパンを食べ、鳩もまた食べた!

10時半になって本格的な「列」が形成され始めるも、
頓着しないナギは10時45分くらいになってから、
急がずノンビリ並ぶ。

ピッタリ開場されて入ると、
まず「グニャグニャ飛行機」だ。

023・ポンピドゥー内部「グニャグニャ飛行機」・510.jpg

○The flabby plane
○グニャグニャ飛行機

リュックと小型スーツケースを預け、
手ぶら身軽になってから見て回る。

針金で出来たイエス。
踏み潰されるレモン。
回り続ける影絵。

023・ポンピドゥー内部「針金イエス」・510.jpg

023・ポンピドゥー内部「レモン」・510.jpg

023・ポンピドゥー内部「影絵」・510.jpg

○Jesus, Lemon, Shadow.
○イエス・レモン・影

作品もそうだが建築が面白い。
「輪っか」になったアクリル筒の中を、
エスカレーターで昇りながら、
パリの街を遠望する。

朝の光の中でパリの街がサーーーッと拡がっている。
拡がっているのは高層の建物が無いからだろう。
大都市にも関わらず美意識を追求するパリは、
背筋を伸ばした老人のような美しさを放っている。
遠くにエッフェル塔も見えた。

024・ポンピドゥー外部「上からの街並み」・510.jpg

○From Pomidou
○ポンピドゥーからー

エスカレーターを逆方向に降り、
マダムに騙された逆方向の駅に着く。
駅を知るための予行演習だと思えば、
それほど無駄にもならなかった。

次は「ル・ポン・デ・ラルマ」に行く。
フランス国立自然史博物館で勉強を続ける、
FBで友人のノエミが忙しいながらも、
近所のケ・ブランリー博物館を案内してくれるからだ。

ケ・ブランリーは昔「万博公園」で見た、
「国立国際民俗学博物館」にソックリだ。
これはナギ一人の感想ではなく、
「みんぱく」を知る日本人の方に、
共通した感想のようで、
WEB上でも同様の意見を多く見る事が出来た。

人の胎内のような緩い曲線を描く順路を、
首狩り族のミイラなどの説明を聴きながら、
ゆっくりと進んでいく。

025・ケ・ブランリー「入場券」・01・510.jpg

025・ケ・ブランリー「トーテム」・01・510.jpg

025・ケ・ブランリー「彫像」・01・510.jpg

○quai Branly
○ケ・ブランリー

「フランスの植民地政策によって、
ここの収蔵品が集まってきた事には、
複雑な気持ちを憶える。」
とノエミが言う。

「でもそうでなければ今
収蔵品になっているものは、
バラバラに散逸していただろう。」
とナギが言う。

そうだ物事には必ず両面がある。

鑑賞後に電車の途中の駅まで、
ノエミに案内してもらいながら、
件の「空港まで電車案」を教えてもらう。

「必ず『空港行』の列車に乗るのよ。」
降りるまでに3度、注意を受ける。
よっぽどナギが頼りなく見えたのだろう。

ノエミに別れを言って降りた駅を進み、
『空港行』の列車に乗る。
『なんだ簡単じゃないか!』

列車は落書きだらけの壁を見ながら、
空港まで突っ走る。

027・「シャルル・ドゴールへ」・510.jpg

○To Charles de Gaulle!
○シャルル・ドゴールへ!

到着してイザ「空港」に通ずる改札を、
持っている切符で通ろうとすると・・・

以前に記した通りキッパリ開かない。
さて、どうしたものか???

021・ポンピドゥーへ「バス路線図」・510.jpg

○3 step
○「3ステップ」

(つづく)

++++++++++++++++++++

しばらく動いていたパソコンが、
またもや落ちだし、
いつ落ちるかと震えながら、
この記事をアップしています。

次回は2月11日(月)に更新予定です。

では!
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コメント 2

カズノコ

FBの友ノエミさんの助けで、空港までは
無事に来られたようですね!
さて、それから何か起こるのかな?

by カズノコ (2013-02-10 23:45) 

岩崎ナギ

カズノコさん→お読み頂き、
ありがとうございます!
パリはどこへ行くにも不案内で、
言葉も通じず帰国さえ間に合うかどうか、
とても心配でしたが、
何とか空港までは辿り着けました。
改札をどう突破したかは、
また次回をご覧下さい。
by 岩崎ナギ (2013-02-11 06:11) 

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