オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」・7話 [旅(Travel)]
○Paris "Metro Map"
○パリ「地下鉄・路線図」
オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」
7話「彼は作家よ!」
◎帰国した次の日にはACDCでの、
「プレゼンテーションデー」だ。
パリで右往左往している内にも、
プレゼンが『落ちる』可能性は刻々と高まっている。
焦る気持ちに内から燃やされながら、
初めて乗るパリの地下鉄で、
読めもしない駅名が、
窓外に流れて行くのを見ている。
最初に行くのは「オルセー」に決めた!
「サロン・ドートンヌ」の内覧会が始まるのは、
夕方の5時30分で今はお昼前だから、
まだまだ時間は余っている。
パリの地下鉄で決め手となるのは、
「色」と「終着駅」だ。
各路線に割り振られている、
「色」に注意し「終着駅」が逆にならなければ、
間違いなく到着できる。
この「コツ」に気付いてからは、
何の不安もなく地下鉄の、
路線から路線へと渡って行く事が出来た。
アメリカと違って「銃」は、
誰もが持っている訳じゃない。
20年空手をやっていて、
見かけの10倍は強いし、
度胸を決めれば大丈夫だ!
恐怖が克服されると、
パリの地下鉄が急に楽しくなってきた。
「Place d'Italle(読めない)」、
「バスチーユ(牢獄のあった所だ)」、
「コンコルド(広場だっけ?)」、
と乗り換えついに・・・
・・・「Musee d'Orsay(オルセー美術館)」
駅を出てから美術館までは一本道だ。
道端で売っているピザが、
食欲をそそるが売場は混んでいて、
この場は美術館への道を急ぐ事にする。
9ユーロ払って中に入り、
駅舎を改造した広い構内を、
多彩な作品に目を奪われながら歩く。
スーラーの「サーカス」や、
ロートレックの「ベッド」、
ドガの「バレエの練習」など、
画集でしか見た事がなかった、
大好きな作品が無造作に飾られている。
特に混雑しているほどでもない。
駅の名残の大時計を通じて、
薄曇りのパリ市街と、
深緑のセーヌ川が見える。
美術館の屋根を飾る彫刻が、
強く異国を感じさせる。
午後3時半にオルセーを出て、
サロン・ドートンヌ会場のある、
「フランクリン・ルーズベルト駅」に向かう。
同駅を出るとそこは名高い「シャンゼリゼ通り」だ。
目抜き通りに華やかな店が建ち並ぶ。
しかしアメリカ資本主義に毒された感覚で、
こんな所でも「マクドナルド」に入る。
一つには他のお店は値段が予想できず、
極端に高かったら困るので、
つい値段の読めるマクドナルドに入るのだ。
しかもチーズ・バーガー1個だけを頼み。
囓りながら再びシャンゼリゼを歩く。
物もらいのお婆さんにお金を要求されるが、
キッパリとしかも2度断る。
見るからにお金を持っていないナギに、
なぜ2度も要求したのだろう。
2度目は睨まれるがやむを得ない。
そんな中でも「リュックサック」は、
買わなければならない必需品だ。
3年ほど使った「ブリー」のリュックが、
ドゴール空港で中身を詰め込む時に、
チャックから弾けて壊れてしまっていたからだ。
やれやれ「ドイツ企業」だから買ったのに・・・
シルビーから借りた小さなリュックに、
必要最低限のものを入れて、
めぼしい店を探す。
しかしココでも「ナイキ」だの、
「ベネトン」だの(これはイタリアの会社だが)、
それに「リーバイス」「クイックシルバー」と、
値段の読める店ばかり物色してしまう。
ナイキのリュックが45ユーロ(4500円~5000円)で、
一応候補に入れるが、
『パリでナイキってのも・・』
と思い試しに「クイックシルバー(オーストラリア創業(笑))」で、
値段を訊くと「135ユーロ(13500円~14500円)」。
(当時のレートは1ユーロが100円より少し上)
・・・結局もとに戻って「ナイキ」で、
黒く地味で実用的なリュックを買う。
包装は断ってムキダシで買い、
シルビーの小さなリュックを、
ナイキの大きなリュックに入れてパリを歩く。
これじゃ完全に「異邦人」そのものだ。
ところで「サロン・ドートンヌ」の会場は、
「F・ルーズベルト駅」と「ジョージV駅」の、
中間にあると聞いていたが、
全く見つからない。
シルビーの地図によるとこんな感じだ。
○Silvie's map
○シルビーの地図
判らないままに歩き、
通りの端っこの「凱旋門」まで来てしまう。
逆戻りしながら折々と人に訊くが解らない。
○Arc de triomphe
○凱旋門
「ジョージV」すら過ぎ、
「オベリスク」の針が見える頃になって、
白い仮設の展示場が見える。
『あれじゃないか?』
中に入って訊くと更に先だそうだ。
『似たような展示場だよ。』
イタリア人風の巻き毛の男性が教えてくれる。
何かの銅像ごしに見える交差点の先に・・・
○何かの銅像
○Some statue
・・・「Salon d'Automne」の文字。
ついに見つけた!
シルビーの描いた地図と、
逆っかわじゃないか(笑)!
中に入ろうとすると、
「17時からだ!」と、
門衛のおじさんに押し返されそうになるが、
眼鏡のおばさんがナギの振り回す、
「入選証」を目ざとく見つけ・・・
『彼は作家よ!』と、
門衛を一喝。
ナギは遂に「サロン・ドートンヌ」に入っていった・・・
○入選通知
○The notification of Salon's winning
(つづく)
++++++++++++++++++++
本当にシャンゼリゼを何回行ったり来たりした事か(笑)・・・
女性の描く地図の怖さを知る人なら、
「そうそう!」と思われる事でしょう。
次回は1月11日(金)に更新予定です。
では!
タグ:アート 芸術 美術 岩崎ナギ サロンドートンヌ パリ Salon d'Automne Paris NY個展 100人展 ニューヨーク Solo exhibition Ouchi Gallery ヲウチギャラリー オハイオ Ohio ハドソン・ギャラリ HUDSON GALLERY メリット賞 Merit Award ホームズスタジアム神戸 川田画廊 KAWATA GALLERY 個展 private exhibition デッサン 鉛筆画 素描 dessin sketch 神戸市 西区民センター デッサン講座 美術教室 The New Primitive Declaration 新素朴派宣言 フェイスブック潮流 水彩を通じて明るい未来を共有する アゴラギャラリー 日本水彩画会 100周年記念 アニメフェア関西 関西のクリエイター展 デザイン道場 LIVING & DESIGN 2012 ACDC Gallery Re:novel 実用新案 patent インボルダ iNbolda bolda ボルダ 丸一興業 www.bolda.jp 第25回 日本の自然を描く展 優秀賞 日本芸術センター第6回絵画公募展 入選 Architectural Award 2012 Nominee 1662. What is “iNbolda”? http://www.art-center.jp/ http://www.archiaward.com/2012.php? l=E&m=8&theme=15&Obj=1662&pos=15] http://renovel.org/works/iwasaki.html http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=2017
パリでは、大変なご苦労をされましたね。
「オルセー」では、どのくらい見られましたか。
一日、ゆっくり見られたら、いい勉強になるで
しょうにねー!ツァーで行った時、3時間弱ほど
見たと思います。そのときは、足がパンパンに
なっていました。
by カズノコ (2013-01-07 18:51)
カズノコさん→いつもお読み頂いて、
ありがとうございます。
オルセーはやはり3時間くらい居たでしょうか?
どの部屋も2度ずつ見たと思います。
ツアーで行くと案内があって楽な面と、
自分の都合で動けない面とありますね。
あと思ったのは写真不可の筈ですが、
結構写真を撮っておられる方が多いのに、
あれっ?と結構驚きました
by 岩崎ナギ (2013-01-11 06:20)