オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」・5話 [旅(Travel)]
○シャルル・ド・ゴール空港
野ウサギが沢山いた。
○Charles de Gaulle Airport
There were many wild rabbits in there.
オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」
5話「南進100キロ」
◎39番搭乗口に到着した時、
激しい雨は既に弱まっていた。
関空までの空港バスは、
「豪雨」と呼んでいい程の、
土砂降りの雨に叩かれながら走ったが、
いま雨雲は通り過ぎて行ったようだった。
素晴らしい笑顔のJALの方に、
関空-北京-パリまでの全席を、
通路側にして頂いて日本を離れる。
ご配慮ありがとうございました!
いつの間にか眠り込んでしまったらしく、
航空機の窓から明るい光が射している。
雲を突き抜け上空へ出たらしい。
昨日の用意はギリギリだった。
「リノベル(デザイン道場OB展)」の、
会場設営を昼までだけ手伝い、
サッと帰らせて頂いたが、
それでも旅行準備と雑用を終えれば、
夜の9時を回っていた。
朝3時半に起きてヒゲを剃った。
時々セキ込むが徐々に快方に向かっている。
オハイオ行き前から忙しさで肺炎になり、
前回10月16日デザイン道場の話し合いでは、
一言ごとにセキが止まらない有様だったが、
日にち薬で頻度は減っている。
ただ困るのは「タン」が出る事。
汚い話で恐縮だが、
肺炎になると色付きのタンが出る。
関空-北京-パリの機中でも、
時々セキ込みトイレでタンを吐いた。
吐く度『これが最後のタンだろう』
そう思うのだが常にその願いは叶えられなかった。
機は静かに真昼の北京に着陸する。
○北京空港
○Beijing Airport
何度か北京に降りると、
『前に見た事があるような・・・』
そんな係員が大勢いる事になる。
乗り継いだパリ行きは3人席だが、
隣と隣のその隣すべてが空席だった。
これはありがたい。
離陸は30分遅れの14時。
座れば眠る習慣は相変わらずで、
地面から宙に放たれる瞬間には、
目を開けておく事も難しい。
フト目が覚めて窓側にいざり、
見下ろすと砂漠が拡がっている。
どこの砂漠だろう?
○どこの砂漠だろう?
○Where is this desert?
機内では飲み物が配られている。
最初は空調温度が寒すぎたが、
交渉すると温度を上げてくれて快適だ。
中華航空は基本的に親切だ。
機内ではデザイン道場の3分プレゼンを、
ひたすら考える。
25分考えて5分休憩して歩き、
また25分考える。
6時間が経過して、
日本時間での20時30分、
3列席を全部つなげて、
少し眠る事にする。
エコノミーで足を伸ばして眠れるのは、
幸運と言っても良いだろう。
もっとも2時間後には、
機内食の時間となり起こされた。
窓外を見下ろすと雲海が拡がっている。
あと2時間でパリだ!
その内に田畑が見え始め、
フランス語を話す人達がいる土地が見える。
それを本当に不思議に感じる。
確かに土の色は多少、
日本と違うかも知れないが、
良く似ているとも言える。
でも文化は全く異なる人が住んでいるのだ。
いや文化も実は同じ事が言えるのかも知れない。
気付かないうちに空には半月が見えていた。
滑走路が見えてからも、
機はしばらく平行を保ち滑るように、
シャルル・ド・ゴール空港に着陸する。
通関まではブルカを被ったご婦人が、
5人もの子供を連れている後に並び、
ひたすら待ってハンサムな係員の前へ。
「ボンジュール・オフィサー。」
「ボンジュール。」
何度か顔とパスポートを見比べ、
ポンポン判子を押して簡単に通る。
荷物を取って外に出ると、
60歳代の夫人が手を上げ、
笑顔でこちらに近付いてくる。
「シルビー」だ。
実際に会うのは初めての、
FBの友人だが、
非常に陽気なご婦人だ。
・・・事前の予定では、
パリに住むシルビーの友人が、
ナギを泊めてくれるハズだったが・・・
『私たちは予定を変えた。
友人は忙しいから、
今夜は私たちの家に行こう。』
・・・と言って夫(だとこの時は思った)の、
ピエールを紹介してくれる。
ピエールも60歳代に見える、
愛想の良い男性だ。
英語は基本的に話せないが、
「ナイス・トゥー・ミーチュー」
と言い交わしたあと車に乗せてくれる。
車には懐いてくる毛むくじゃら犬もいる。
「それでシルビー、
家までは何キロくらいあるの?
10キロくらい?」
「100キロくらいはあるわよ。」
「・・・」
ここから夜の「南進100キロ」が、
3人と1匹で始まった。
○南進100キロ
○To south, 100 kirometers.
(つづく)
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ドゴール空港は薄暮の中、
野ウサギが沢山跳ねていたのが、
印象的でした。
次回は12月21日(金)に更新予定です。
では!
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FBのお友達、シルビーは、100キロのところを
夫ピエールとともに空港まで迎えにきて下さった
とは、かけがえのないことですね!
そんな間柄のことも教えて下さいね!
by カズノコ (2012-12-18 20:34)
カズノコさん→シルビーはもともと、
サロン・ドートンヌ応募を勧めてくれた人物で、
自分自身はピエールと共に、
金属の細工をやっているみたいです。
世界中を営業で回った事があり、
ピエールは東京にも来たことがあるそうです。
だから偏見も無く親切に接してくれました。
お読み頂いてありがとうございます!
by 岩崎ナギ (2012-12-21 07:14)