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水彩「ヴァルナ生神女就寝大聖堂」完成 [水彩+色鉛筆]

006・水彩完成「ヴァルナ生神女就寝大聖堂」・510.jpg

題:21世紀創世録「ヴァルナ生神女就寝大聖堂」
作者:岩崎ナギ
技法・水彩
大きさ・318×410(ミリ)6号

Title : 21st book "Dormition Cathedral of Varna"
Artist : IWASAKI, Nagi
Technique / Watercolor
Size / 318mm×410mm (12.7"×16.4")

+おはようございます!

皆さんお元気ですか?
岩崎ナギです。

もう明日10月18日の火曜日から、
神戸市「西区民センター」で、
デッサン講座、色鉛筆講座の秋季開講です!
水彩講座は10月24日の月曜日からです。

その神戸市「西区民センター」と、
芦屋「春日集会所」の指導案として、
21世紀創世録「ヴァルナ生神女就寝大聖堂」を描きました。

ブルガリアの水彩画トリエンナーレで行った時に、
同聖堂の前で描いていると、
多くの人が話しかけてくれたものでした。

Ilyes BelkaidとZdravka Antonova Hristova撮影・02・510.jpg

写真はアルジェリアから、
トリエンナーレに参加するために来た、
イリヤスです。
彼は水彩画の名手でもあります。

さて課題としては「風景」です!
明日は暖かいと思いますが、
万一にそなえて上着のご用意等、
お手数ですがよろしくお願い致します。
雨天でも屋根のある所で描きますよ。

最初に座学で基本をお伝えし、
時間上、場所の選定だけになるかも知れませんが、
西区民センター付近で風景を描きます。

追加募集は講座が始まるまで行っていますので、
ご興味のある方は直接「神戸市・西区民センター」まで、
お問い合わせ頂けると嬉しいです(↓講座概要と連絡先)。
http://www.kobe-bunka.jp/kouza/pdf/nishi.pdf

今季は芦屋は子供が減って、
一般の方が少数残っておられる状態ですので、
開講するかどうか10月20日(木)に決定したいと思います。

「参加しても良いな!」と思われた方は、
お早めに春日集会所までお願い致します(URL↓)。
http://www.city.ashiya.lg.jp/shisetsu/kasuga_sh.html

春季までは「2色混合」でお伝えしていましたが、
ペギー講座の成果を踏まえ、
秋季からは「2色混合+補色」を、
画面で直接混ぜる方法を主に用い、
パレットで混ぜる方法を補助的に使っています。

つまり水彩技法が「進化」した訳です。
進化した技法を皆さんにお伝えできるのを、
楽しみにしております!

では以下指導案です。
ご意見よろしくお願い致します。

+++++++

001・生神女就寝大聖堂「2段階目」岩崎ナギ・510.jpg

1・指と十字線を活用し構図決定

風景で最初に決定するのは構図です。

構図の決め方で最も簡便な方法は、
「指と十字線」で決める方法です。

両手の親指と人差指でL字を作り、
左の親指は右の人差指に付け、
右の親指は左の人差指に付けます。
これで「指の窓」が出来ます。

指窓で風景を切り取ります。
上下左右の端をどこにすれば、
絵柄が良いのか考えて決定します。
それが「構図」です。

画用紙に2分の1線を縦横引きます。
これを「十字線」と呼びます
指窓の中にも想像上の十字線を引き、
構図を決めた風景を見てみます。
指窓の十字線の中心点と、
画用紙の十字線の中心点が同じです。
これで構図の真ん中が決まりました。

上下左右はすでに決定済みですから、
中心も用い紙に構図を写し取ります。

002・同系色は同じと時に.JPG

003・直接混色.JPG

2・題材の濃い所から描く

構図を決定したらいよいよ描画です。

明度の濃い所から描いて行きます。
同明度や同色相の所は離れていても、
同じ段階で塗ります。

鉛筆や色鉛筆それに水彩で塗る時は、
最初から余り濃く塗り過ぎず、
やり直しが効くように薄く塗ります。
これを「明段階」と呼び、
薄い調子で全体を一通り描きます。
次にもう少し強い調子で描きます。
これが「中段階」です。
最後に最も範囲を狭め暗部を描くと、
明中暗の3段階で完成です。

この時に水彩と色鉛筆は2色混合と、
補色を用いて描きます。
色環を参照して2色混合した場合、
どの色になるかを考え補色を加えて、
画面の中で直接混ぜて行きます。
2色が塗りたい色で補色が影です。

画面で直接混色するのが難しい場合、
パレットを用いても大丈夫です。

004・色鉛筆でも補色を塗る ー1.JPG

005ティッシュで凸凹を表現-2.JPG

3・塗り方を工夫する

鉛筆と色鉛筆それに水彩とも前項の、
明中暗の3段階で描き進む訳ですが、
線の引き方や色の塗り方は色々です。

描く対象に合った塗り方であれば、
どのような塗り方でも結構です。

基本の塗り方は線を重ねる事です。
線を鉛筆や筆の先を用いて重ねれば、
細かい調整が出来ますし、
鉛筆でも筆でも平たい部分を用い、
太い筆致を重ね大きな面を作る事も、可能です。
良否ではなく対象や段階に応じます。

線と線の間隔や並べ方も対象に応じ、
広い間隔や不規則に並べるなど、
塗り方をそれぞれ工夫します。
もちろん均等に並べるのが良い時は、
そのようにするもの選択肢です。

一度塗った色は消しゴムや練り消し、
水彩の場合は水筆やティッシュで、
明るさを回復させる方法もあります。

006・水彩完成「ヴァルナ生神女就寝大聖堂」・510.jpg

4・暗色で締めて完成

デッサンでも色鉛筆や水彩でも、
最後は暗色で画面を締めて完成です。

この時に暗い所の隣は現実より、
強調し明るくするとメリハリが付き、
画面がより締まります。

色鉛筆や水彩を用いる場合には、
灰色や黒は補色を混ぜて作り、
絵具の黒は単調なので用いません。

白も色が濁るので基本的には用いず、
塗り残したり水筆で抜いたりして、
紙の白を活かすか不透明水彩の白を、
援用に用いるのがより良いでしょう。

また最も明度差が激しく重要な所は、
多色を混合して出来た暗い濁色を、
明るい部分の隣に並置して少量塗り、
特に強調して画面を締め完成します。

+++++++

以上です。

ではまた!
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カズノコ

大聖堂の明るいイエロー系の明暗が素晴らしいですね!
構図の取り方は、いつも説明していただいているのに、
その通りすればいいのに、そんな思いです。
今回は、暗い色の隣は、実際よりも明るく、ということ。
もう一つは、最も暗いところに、多色の混色で作った濁色
でアクセントとして入れて、画面を引き締める。
いつも、ありがとうございます!
by カズノコ (2016-10-18 23:21) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます!
色の使い方については、
補色を同時に使う事で新展開があったように思います。
構図はやり方を知っていても、
実践は常に難しく思います。
それは結局迷いながら決めるしかないのでしょうね。
実際より明るく、もしくは暗くは、
絵は詰まる所、現実ではありませんので、
やはり現実より強調した方が、
より見る方に伝わるのかも知れません。
いつも丁寧にご覧頂きありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2016-10-19 07:35) 

makiko

岩崎先生、こんにちは^^
素敵な水彩画ですね。
先生の絵を見ていると、
いつも明るく楽しい気持ちになります、ありがとうございます。
水彩は画材で一番扱いが難しいと聞きますが、
水彩を勉強されている方は多いのだなあと感じています。
日本人は昔から水を扱って絵を描いてきたので
馴染みもあるのかもしれませんが、
水彩の淡さ、華やかさ、瑞々しさには心が癒されます。
いつか扱ってみたい画材です^^
by makiko (2016-10-29 13:35) 

岩崎ナギ

makikoさん→ありがとうございます!
明るく楽しい気持ちになる、というのは、
本当に嬉しいコメントです!
ぜひそういう絵を描いて行きたいです。
水彩が一番難しいというのは通説で、
実際に原理が解ってみると、
そういう事もありませんでした。
日本は水が豊富ですのでおっしゃる通り、
昔から水墨画などが発達していましたから、
環境が急変しない限りは、
日本において水彩というのは、
大事な技法であり続けると思います。
ぜひお試しくださいね!
by 岩崎ナギ (2016-10-29 21:30) 

しゅわっち

なるほど一度で描くのではなく多段階での重ね作業になるんですね。
しみじみ納得です。。
また修正法もありで、水彩画って技術なんですねぇ。
立体感もあり明るくて素敵です♪
by しゅわっち (2016-10-30 13:22) 

岩崎ナギ

しゅわっちさん→コメントありがとうございます :D
そうなんです!
水彩は透明セロファンを重ねる作業に似ていて、
1色でそのものの色にする必要はなく、
段階的に狙った色にして行けば良い訳です。
絵具の層を透過した光が跳ね返って来て目に届き、
初めて色として認識されるので、
薄く塗り重ねるほど複雑に光で合成されるのです。
作品を気に入って頂いてありがとうございます!
by 岩崎ナギ (2016-10-30 18:03) 

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