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佐渡のたらい舟・3話「たらい舟はくるくる回る!」 [旅(Travel)]

010・漕ぐ船頭さんと太陽・510.jpg

佐渡のたらい舟を漕ぐ女船頭さん
The lady captain was rowing the bowl ship of Sado.

◎佐渡のたらい舟・3話「たらい舟はくるくる回る!」◎

カーテンを開くと池がある。
けっこう広い。
何だか鶴みたいなのも立っている。

009・翌朝の旅館の庭.JPG

明け方が朝に移り、
下の大広間で朝ご飯を食べる。

「うなぎの寝床」みたいに、
奥の深い旅館だったのだ。
薄明で見た「鶴」は、
鶴亀の「彫刻」だと判った。

夜「ゴボゴバ」いっていた池では、
鯉が泳いでいる。
山水の庭が本当に美しい。

おかみさんが領収書を、
盆に載せて持ってくる。
2泊「2.5食つき」で丁度1万円。

「0.5」の分は・・・

「明日の朝は午前4時50分のバスで、
フェリーに向かわなきゃ行けないので、
『素泊まり』でお願いします。」

「でも今日は早く帰ってくるんだったら、
『どんぶり』くらいは作りましょうか?」

「じゃあ2食つきと素泊まりの分、
9450円に『どんぶり分』を加えて、
キッカリ1万円でお願い出来ますか?」

「550円のドンブリですね。
解りました。」

・・・どんなドンブリなのか楽しみだ。

「たらい舟」の小木(おぎ)港までは、
直通のバスは無い。

金井から「佐和井バスステーション」へ、
同バスステーション(BSと略される)から、
小木港までの1時間の道中だ。

座ると眠る習慣は健在だ。
窓ガラスに時々頭をブツけながら、
いつの間にか海が見えている。
到着は午前8時05分。

「力屋観光」のガラス戸を開けるが、
まだ早過ぎたようだ。
船頭のおばさん達が、
「おはようございまーす!」
と言って出勤してくる。

眼鏡のおじさんが、
「8時半くらいからです。」
と教えてくれる。

待ち時間におばさんから、
情報収集する。

「観光用の『たらい舟』じゃなくて、
漁師さん達の『磯ねぎ』は、
どこでやっているんですか?」

「9月~11月は禁漁期間で、
今はやってないよ。」

「えー!」

そんな事を話している内に、
8時20分になったので、
発券所で券を買う。

桟橋を歩いてたらい舟に向かう途中、
「まだ早いですか?」
と船頭さんに訊く。

「いえもう準備できているから、
大丈夫です。」
結局その船頭さんが、
操船してくれる事になる。

鳥追笠を被っているので、
顔は隠れてよく見えないが、
声からするとまだ若いようだ。

「たらい舟は10人乗っても大丈夫。」
との事だが・・・

自分で漕ぐ段になって、
櫂を握るために「へさき」に立つと
(丸いからどこもが「へさき」だが)、
前のめりに海に落ちそうになる。

・・・船頭さんがTシャツを引っ張り、
転落防止に努める。

近づいて来た別の船の、
古参の船頭さんにカメラを渡し、
櫂を操る危なっかしい姿を、
撮影して頂く。

「いい写真が撮れた!」
満足そうに老船頭さんは頷く。
その写真はコレ。

014・ナギと佐渡のたらい船・510.jpg

「船に櫂を付けないで、
前のロープ(輪状で櫂が脱けないようになっている)に、
当てるようにして漕ぐんです。」

若い船頭さんが教えてくれるが、
くるくる回るばかりで進みはしない。

「体重を左右に移動しながら、
漕ぐんです。」
それでどうにか船は進み出す。

ただどうかすると左右の腕の力の違いから、
船の針路は傾きがちだ。

「どこから来られたんですか?」
「神戸です。」
「えー晴れて良かったですね!」

「この『たらい舟』の絵を描きに来たので、
ホント晴れて良かったですよ。
あっちの方で描いていて邪魔になりませんか?」

「全然大丈夫ですよ。
お昼頃になると、
観光バスのお客さんが、
大勢来られるから、
それを描かれると良いですよ。」

現在お客は自分1人だけだが、
本当に団体客は来るのか?

しかし絵を描く場所を探し、
船着き場をウロウロしていると、
果たして観光客を満載して、
バスが港に入ってきた。

(つづく)

++++++++++++++++++++++++++++++

「佐渡のたらい舟」第3話でした。
いつもお読み頂きありがとうございます。

昨日は西神中央から三宮までの地下鉄で、
スリ未遂みたいな事がありました。

電車の角に立ったまま、
壁に寄っかかって居眠りしていると、
大倉山駅からサンバイザーの帽子に、
薄青のデニム・シャツを着た、
どこにでもいそうなおばさんが、
乗ってきたんです。

特に混んでもいないのに、
いやに寄ってくるなと思いましたが、
扉付近だったので、
たまーにそういう人もいるな、
と思いまたウトウトしていました。

おばさんがペットボトルを「ペキパキ」と、
鳴らしているのが聞こえましたが、
普通の事と思い気にもせず、
浅い眠りで立っていました。

地下鉄は2駅で三宮に着き、
降りようとすると、
今回の写真のウエストバッグ横、
巾着状になっていて、
上の紐を引っ張って締める所から、
デジカメの袋がブラーんと垂れるんです。

上の写真にもあるように、
紐で縛ればカメラ袋(更にそれも紐に括り付けています)が、
自然状態で出てくる、
なんて事は無いんです。

中身はありましたが、
「スリ未遂」かな?と思い、
嫌な気持ちになりました。

全く証拠は無いんですが、
巾着の紐が弛んで、
カメラ袋が垂れ下がるなんてあり得ない。

本当に普通のおばさんで、
高価な服では無いけど、
極端に貧しい格好でもない。

背中向きで寄って来るんじゃなくて、
こちらに顔側を向けて、
かなり近い距離に寄って来る事に、
少し違和感を感じだけでした。

ともあれ被害がなくて良かったです。
車中での居眠りには注意したいと思います。

次回は6月29日(金)更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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カズノコ

たらい舟、10人も乗れるとは!
この日、天気がよくて本当に良かったですね。
お客もいっぱい、言うことなしですか。
忘れてた、ナギさんの恰好素晴らしい!
by カズノコ (2012-06-25 09:47) 

匁

たらいは何漁に使うんですか?。

本当に たらい なんですね。
小さい頃はどこの家でも洗濯に使いましたよ。
もっとも、もっと小さい物ですが。
川で乗って遊んだことが有りますが
直ぐに転覆してしまいました。

次回が楽しみです。
by (2012-06-26 08:11) 

みなりん

ナギさんとたらいのショット!凄く良いです。

しかし、、、スリ未遂事件。
スキがあるから狙われたかも知れないですよ。
気をつけて下さいね。
by みなりん (2012-06-27 13:06) 

岩崎ナギ

カズノコさん→たらい舟は結構な重さに、
耐えるみたいですね。
出発の前日まで雨でしたので、
どうなる事かと思いましたが、
佐渡に着く頃には晴れてくれて助かりました。
不格好な立ち姿勢ですが(笑)。
ありがとうございます。




匁さん→たらいはヤスで魚を突いたり、
海藻を採ったり、
貝類を穫ったり、
・・・と言った感じですね。

たらい、子供の頃にはまだあったような、
ボンヤリした記憶があります。
家で使うような小さい物だと、
乗ると少し危ないですね(笑)。

ありがとうございます。
またよろしくお願い致します。




みなりんさん→ありがとうございます!
漕ぐのすら慣れないと難しい感じでした。

スキがあったんでしょうね。
地下鉄は周りが暗いから、
つい居眠りしてしまうんです。
あるていど周囲の動向に、
気を配っていないと駄目ですね。
by 岩崎ナギ (2012-06-29 06:01) 

桜貝の想い出

たらい舟、漕ぐのが難しそうですね。
落ちなくて良かったですね!
by 桜貝の想い出 (2012-06-30 00:21) 

岩崎ナギ

桜貝の想い出さん→難しいです!
最初はくるくる回るだけですねー。
しかも落ちそうになりますし・・・
お読み頂いてありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2012-07-02 06:09) 

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