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デッサン完成・21世紀回顧録「プレンティ西神」 [デッサン(Dessin)]

05・デッサン完成・21世紀回顧録「プレンティ西神」・510.jpg

題・21世紀回顧録「プレンティ西神」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・455×530(ミリ) F10号

Title / The 21st century memoirs "Plenty West Kobe"
Technique / Dessin by Pencil
Size / H21"×W18"
Artist / IWASAKI, Nagi

○おはようございます。

神戸市・西区民センター「デッサン講座」の、
次回課題は「風景」です。

風景の課題作成が半年に1度なのは、
毎回の事ですが、
意外と日程として厳しく感じます。

この「プレンティ西神」も、
他の作品や作業と併行しながらですが、
3ヶ月くらいは掛かっています。

今年の夏に描き始めたので、
「夏の本命」とか「SALE」などの、
文字が見えます。

今回は「21世紀回顧録」の中の1作として、
ごく日常的な光景を切り取りながら、
その中で展開するそれぞれの人生の、
交錯した1瞬間を描いています。

では以下指導案です、
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++

01・十字線を使いこなす.JPG

①対応関係を探る

「指四角(指窓)」で切り取る部分を考えます。
特に大事な部分は「真ん中」と「端」です。

「十字線」を画面に引き、
「指四角」で構図に切り取る部分を考えた時の、
「真ん中」と「端」を画面の中に当てはめます。

「上下左右の端」と「真ん中」が判れば、
その中間部分を割り振りするのは、
比較的容易です。

例えば作例のクレーンの位置は、
「画面全体の高さの3分の1ぐらいである。」
という風に理解します。

もちろん「3分の1」という数字が、
大事なのではなく、
「5分の1」であれ「4分の3」であれ、
画面全体の中での対応関係を探る、
という行為が重要なのです。

作例では他に「マンホールの端」が、
画面上にある建物の部分では、
どこに対応するか、などを見ています。

02・全体の配置を考える.JPG

②構図を考える

構図は様々な側面から考案され、
また説明していく事が可能ですが、
今回は「視線の誘導」という観点から見ます。

まず作例では画面中央上の「電球」に、
焦点を集めてそこから「空中歩廊」で、
手前に持ってきて「握られた柵」で、
画面下限までたぐり「1階のタイル」で、
左外に振り回し「クレーン」で、
再び「電球」まで戻るという、
画面をグルッと1周する「視線の誘導」を、
計画しています。

観者が実際にこの通りに見るかどうかは、
それぞれの方に確かめて頂くしかなく、
完全な計画ではむろんありませんが、
ともかくそういう意図のものに、
「切り取る位置」や「人の流れ」、
「題材の配置」などを決めています。

ですから風景中の建物や構造物は、
基本の狙いとしては正確な再現に努めますが、
構図を作るという意図のもとに、
脚色されるのも一手です。

05・デッサン完成・21世紀回顧録「プレンティ西神」・510.jpg

③明暗の整合性を考える

複雑な構図の場合に特に重要になるのは、
画面全体の明暗の整合性です。

描き始めの「アタリ」の段階から、
全体の明暗階調に目を配り、
明るい所と暗い所が逆転されて、
描画されていないか注意します。

一時的に明暗の逆転を起こす事があっても、
それを長時間放置せず、
すぐに明暗の順序を正しく塗り直します。
これは「明暗も構図の一要素」だからです。

最終的には制作者の意図に従って、
明暗の調子を強調または省略、
あるいは創作、などして、
自分自身の意図が明確に伝わるよう、
心を砕いて完成させます。

+++++++++++++++++++++++

・・・でした。
ご覧頂いてありがとうございます。

次回は11月11日(金)に、
更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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コメント 3

カズノコ

いつもどおり、指導案をみると、本当に勉強になります。
「画面全体の中での対応関係を探る」こと、「画面全体の
明暗の整合性」、そして「明暗も構図の一要素」である
ということなどなど。
このデッサンが、忙しい合間あいまの時間を利用して
とはいいながら、構想や現場でのスケッチ等かなり
時間をかけておられることに、感じ入りました。
有難うございました!
by カズノコ (2011-11-09 09:41) 

みなりん

ひとつの作品が、どうやって仕上がるかという過程が
拝見できるし判りやすい説明なので勉強になります。

私はモスバーガーが、すぐに目に入りました!
次に手、クレーンという感じでした。
by みなりん (2011-11-09 12:34) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます。
こちらこそいつもご覧頂けて、
とても心強いです。
画面内の対応関係は重視しています。
絵全体で迫るために、
計画を組んでいくのも、
絵の一つの面白味と捉えているからです。
カズノコさんの絵は素晴らしいので、
ぜひまた勉強させて下さい。




みなりんさん→お忙しいところ、
丁寧にご覧頂いて、
ありがとうございます。

そうですか(笑)!
やはりそれぞれの方の、
興味の順で最初に見える所は違いますね。
とても勉強になるご意見でした。
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2011-11-11 09:24) 

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