2011アリゾナ奮闘記・第4話「チチ・バー」 [旅(Travel)]
神戸市東灘区に住んだ事のあるリッチーさん。
東灘区はナギの地元です。
Rich-san who had lived in Hagashinada-Ku Kobe, Japan.
That place is my neighborhood.
○2011アリゾナ奮闘記・第4話「チチ・バー」
カフェの客の1人が、
「どこから来たんだ?」
と訊ねてくる。
「フロム・神戸・ジャパン。」
と言うと驚いた様子だ。
何故だろう???
「俺は神戸に住んでいた事があるんだ。」
「えー!本当!?」
話を聞くとリッチーさんは、
(「ワタシHAリッチーSANデース!」との事)
東灘区岡本に住んでいたと言う。
ナギの家のすぐ近くだ!
しばらく談笑し、
記念撮影する。
店の中も誰かが、
「コウベ・ジェントルメン」
と言って何となく落ち着く。
(ちなみにアリゾナでは、
ジェントルメン、レディ、
という言葉をよく聞いた。
これらはアリゾナでは死語ではなく、
「規範」なのだ。)
翌日も朝からマシューのお父さんの、
市内での邸宅(本当に邸宅!)で、
展示の仕込みをしたりして、
忙しく過ごし、
夜はコーン・アーツ(画廊)を営む、
キャッシー・コーンを訪問した。
キャッシーは前述通り、
FBで2年くらい交流がある人物で、
写真などで顔をよく見ていたのだが、
実際に会ってみると、
思ったよりもずっと小柄な、
若々しく(年齢は60代)可愛らしい女性だった。
再婚した(事実婚の?)ダンと一緒に、
歓迎してくれる。
そのビルはギャラリーや制作室の、
集合体のようなビルで、
どの部屋も別々のギャラリー、
もしくは制作室であるようだった。
件の「コーン・アーツ」も、
画廊兼制作室であり、
キャッシーは一人の優れた作家として、
人の心に迫るような作品の数々を、
事細かに説明してくれる。
どれもが彼女の人生の、
個人的な結晶であるようだった。
教条的な父親と、
混乱した自分と2人の姉妹、
そしてその表象としての作品。
更にグラフィック・デザイナー時代の作品も。
驚いた事に彼女は、
サンフランシスコの日系企業に、
勤めたことがあるらしかった。
上司はヨウイチ・某氏。
『キャッシーさん、言ったでしょう!』
彼女は抑揚の可笑しい日本語で、
当時の上司の口まねをする。
恐らく彼女は会社には合わなかっただろう。
ましてや日本の会社には。
彼女のギャラリーには、
「隠し部屋」があり、
普段はタンスによって塞がれている。
その「隙間」で記念撮影をし、
さぁ帰ろうかとリュックを担いだ所で、
マシューの新たな長話が始まる。
第2話でも触れたとおり、
マシューは自然体で、
ひたすら喋りまくる人物で、
良くも悪くも途切れるという事がない。
しかしものには頃合いというものがある。
皆もう片付けて寝ようか・・・
といった感じだっただけに、
再開された長話に辟易する。
更に30分くらい喋るまくるので、
ダンはこっそり奥に引っ込み、
キャッシャーは先導して、
静かに帰り道の扉を開ける。
扉を出かけると、
さりげなく戻ってきたダン、
それにキャッシーと握手する。
キャッシーは涙ぐんでいる。
しかしまたもマシューが喋り始め、
みんなでゲンナリする。
先回りして車に乗り、
キャッシーに手を振って別れる。
ダンは用心して近づいて来ない。
帰りの道中でもマシューはまだ喋る。
「キャッシーは本当に素敵なレディーなんだ。」
何も気付かない所が彼の善良さだ。
「ところでチチ・バーに行かないか?」
「チチ・バーってナニ?」
「裸の女性が踊るんだ。」
「アー、トップレス・バー?」
「ゼイ・アー・セイム」
「エニウェイ・ノー。」
「Titty」とは「おっぱい」の事。
日本語の「チチ」と似ていて面白い。
「本当に行かないのか??」
「ノ!」
明日はいよいよ「グリアー」に向けて出発だ!!
(つづく)
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「アリゾナ奮闘記」お読み頂いて、
ありがとうございます。
「日本の自然を描く展」の西日本展、
9月19日で終了しました。
お出かけ頂いた方、
ありがとうございました。
風を聞いて「ヒサエ」
作者・岩崎ナギ
I heard the wind. "Hisae"
Artist / IWASAKI, Nagi
「日本の自然を描く展」は、
自分が出したから言うのではないけれど、
面白い作品が多かったですね。
「登竜門」なので、
固まっていない作品も多い。
その固まっていない、
放縦な迫力に元気をもらいました。
固まりすぎると安心して観られる代わり、
絵の迫力には乏しくなる傾向もあります。
話変わって現在展示中の、
「かほりクラフト」に、
「それゆけ甲子園!」を、
追加展示してきました。
「それゆけ甲子園!」
作者・岩崎ナギ
"KBP A Go Go!"
Artist / IWASAKI, Nagi
写真に写っているお客さんにも、
「凄いねー!」
と誉めて頂き、
展示も手伝って頂いて、
とても良かったです。
「岩崎ナギ水彩展」は、
9月30日(金)までです。
さて次回のブログは、
9月25日(日)に更新します。
よろしくお願い致します。
では!
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アリゾナ奮戦記
読ませていただいています。
いろんな人が出てきて面白いです。
日本びいき
神戸びいき
素敵な旅ですね。
by 匁 (2011-09-23 21:43)
おはようございます!
一つのことで繋がりがあるということは
このような展開になるのだと あらためて人とのつながりの不思議さを
・・・暖かさを感じながら 楽しみながら 読ませていただいています。
by ララアント (2011-09-24 11:14)
第4話は、リッチーさんに会ったり、
心温まる一日だったですね。
つづきが楽しみでーす!
by カズノコ (2011-09-24 18:37)
匁さん→お読み頂いて、
ありがとうございます。
旅の面白さは、
人との出会いにありますね。
やはり一度会えば、
いままで差別感を持っていた人でも、
改める人が多いと思うんです。
だから個人規模であれ、
海外に旅して、
かつ公正に振る舞う事は、
大事だと捉えています。
ララアントさん→一つのつながりは、
また別の一つのつながりへと続いていますね。
良い木が良い実を成らし、
悪い木が悪い実を成らすように、
良い出会いは良い出会いにつながると思いますので、
まず自分から良い出会いを提供できるように、
暖かなつながりを作れるように、
頑張って行きたいと思います。
ありがとうございます。
カズノコさん→ありがとうございます。
アリゾナはニューヨークより、
ずっと外国人が特に東洋人が、
行きにくい場所だと思いますけれど、
今回は幸運にも多くの、
心温まる出会いに恵まれました。
それを強く感謝しながら、
次回に備えたいと思います。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2011-09-25 07:16)
こちらの写真は自然体ですね。
旅先では、ほんといろんな出会いがありますよね。
リッチーさん、スピルバーグ風の感じがあるし・・・
フレンドリーな方ですね。
by みなりん (2011-09-26 13:14)
みなりんさん→そうですね、
コーン・アーツは、
飾らない人たちと、
くつろいだ時間が持てました。
リッチーさんはそう言えば、
スピルバーグにも似てますね。
日本ではネットカフェにもよく行かれたらしく、
ノートPCはその写真なんです。
by 岩崎ナギ (2011-09-30 05:36)