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2011アリゾナ奮闘記・第4話「チチ・バー」 [旅(Travel)]

08・リッチーさん・510.jpg

神戸市東灘区に住んだ事のあるリッチーさん。
東灘区はナギの地元です。

Rich-san who had lived in Hagashinada-Ku Kobe, Japan.
That place is my neighborhood.

○2011アリゾナ奮闘記・第4話「チチ・バー」

カフェの客の1人が、
「どこから来たんだ?」
と訊ねてくる。

「フロム・神戸・ジャパン。」
と言うと驚いた様子だ。
何故だろう???

「俺は神戸に住んでいた事があるんだ。」
「えー!本当!?」

話を聞くとリッチーさんは、
(「ワタシHAリッチーSANデース!」との事)
東灘区岡本に住んでいたと言う。
ナギの家のすぐ近くだ!

しばらく談笑し、
記念撮影する。

店の中も誰かが、
「コウベ・ジェントルメン」
と言って何となく落ち着く。

(ちなみにアリゾナでは、
ジェントルメン、レディ、
という言葉をよく聞いた。

これらはアリゾナでは死語ではなく、
「規範」なのだ。)

翌日も朝からマシューのお父さんの、
市内での邸宅(本当に邸宅!)で、
展示の仕込みをしたりして、
忙しく過ごし、
夜はコーン・アーツ(画廊)を営む、
キャッシー・コーンを訪問した。

キャッシーは前述通り、
FBで2年くらい交流がある人物で、
写真などで顔をよく見ていたのだが、
実際に会ってみると、
思ったよりもずっと小柄な、
若々しく(年齢は60代)可愛らしい女性だった。

再婚した(事実婚の?)ダンと一緒に、
歓迎してくれる。

そのビルはギャラリーや制作室の、
集合体のようなビルで、
どの部屋も別々のギャラリー、
もしくは制作室であるようだった。

件の「コーン・アーツ」も、
画廊兼制作室であり、
キャッシーは一人の優れた作家として、
人の心に迫るような作品の数々を、
事細かに説明してくれる。

どれもが彼女の人生の、
個人的な結晶であるようだった。

教条的な父親と、
混乱した自分と2人の姉妹、
そしてその表象としての作品。

更にグラフィック・デザイナー時代の作品も。
驚いた事に彼女は、
サンフランシスコの日系企業に、
勤めたことがあるらしかった。

上司はヨウイチ・某氏。
『キャッシーさん、言ったでしょう!』
彼女は抑揚の可笑しい日本語で、
当時の上司の口まねをする。

恐らく彼女は会社には合わなかっただろう。
ましてや日本の会社には。

彼女のギャラリーには、
「隠し部屋」があり、
普段はタンスによって塞がれている。

11・キャッシーと隠し部屋・510.jpg

その「隙間」で記念撮影をし、
さぁ帰ろうかとリュックを担いだ所で、
マシューの新たな長話が始まる。

第2話でも触れたとおり、
マシューは自然体で、
ひたすら喋りまくる人物で、
良くも悪くも途切れるという事がない。

しかしものには頃合いというものがある。
皆もう片付けて寝ようか・・・
といった感じだっただけに、
再開された長話に辟易する。

更に30分くらい喋るまくるので、
ダンはこっそり奥に引っ込み、
キャッシャーは先導して、
静かに帰り道の扉を開ける。

扉を出かけると、
さりげなく戻ってきたダン、
それにキャッシーと握手する。
キャッシーは涙ぐんでいる。

しかしまたもマシューが喋り始め、
みんなでゲンナリする。

先回りして車に乗り、
キャッシーに手を振って別れる。
ダンは用心して近づいて来ない。

帰りの道中でもマシューはまだ喋る。
「キャッシーは本当に素敵なレディーなんだ。」
何も気付かない所が彼の善良さだ。

「ところでチチ・バーに行かないか?」
「チチ・バーってナニ?」
「裸の女性が踊るんだ。」
「アー、トップレス・バー?」
「ゼイ・アー・セイム」
「エニウェイ・ノー。」

「Titty」とは「おっぱい」の事。
日本語の「チチ」と似ていて面白い。

「本当に行かないのか??」
「ノ!」

明日はいよいよ「グリアー」に向けて出発だ!!

(つづく)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「アリゾナ奮闘記」お読み頂いて、
ありがとうございます。

日本の自然を描く展」の西日本展、
9月19日で終了しました。
お出かけ頂いた方、
ありがとうございました。

西日本展「ナギ展示」2011・510.jpg

風を聞いて「ヒサエ」
作者・岩崎ナギ

I heard the wind. "Hisae"
Artist / IWASAKI, Nagi

「日本の自然を描く展」は、
自分が出したから言うのではないけれど、
面白い作品が多かったですね。

「登竜門」なので、
固まっていない作品も多い。
その固まっていない、
放縦な迫力に元気をもらいました。

固まりすぎると安心して観られる代わり、
絵の迫力には乏しくなる傾向もあります。

話変わって現在展示中の、
かほりクラフト」に、
「それゆけ甲子園!」を、
追加展示してきました。

「甲子園展示」お客さんと・510.jpg

「それゆけ甲子園!」
作者・岩崎ナギ

"KBP A Go Go!"
Artist / IWASAKI, Nagi

写真に写っているお客さんにも、
「凄いねー!」
と誉めて頂き、
展示も手伝って頂いて、
とても良かったです。

岩崎ナギ水彩展」は、
9月30日(金)までです。

さて次回のブログは、
9月25日(日)に更新します。

よろしくお願い致します。

では!
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コメント 6

匁

アリゾナ奮戦記
読ませていただいています。
いろんな人が出てきて面白いです。
日本びいき
神戸びいき
素敵な旅ですね。
by (2011-09-23 21:43) 

ララアント

おはようございます!
一つのことで繋がりがあるということは
このような展開になるのだと あらためて人とのつながりの不思議さを
・・・暖かさを感じながら 楽しみながら 読ませていただいています。
by ララアント (2011-09-24 11:14) 

カズノコ

第4話は、リッチーさんに会ったり、
心温まる一日だったですね。
つづきが楽しみでーす!

by カズノコ (2011-09-24 18:37) 

岩崎ナギ

匁さん→お読み頂いて、
ありがとうございます。
旅の面白さは、
人との出会いにありますね。
やはり一度会えば、
いままで差別感を持っていた人でも、
改める人が多いと思うんです。
だから個人規模であれ、
海外に旅して、
かつ公正に振る舞う事は、
大事だと捉えています。





ララアントさん→一つのつながりは、
また別の一つのつながりへと続いていますね。
良い木が良い実を成らし、
悪い木が悪い実を成らすように、
良い出会いは良い出会いにつながると思いますので、
まず自分から良い出会いを提供できるように、
暖かなつながりを作れるように、
頑張って行きたいと思います。
ありがとうございます。





カズノコさん→ありがとうございます。
アリゾナはニューヨークより、
ずっと外国人が特に東洋人が、
行きにくい場所だと思いますけれど、
今回は幸運にも多くの、
心温まる出会いに恵まれました。
それを強く感謝しながら、
次回に備えたいと思います。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2011-09-25 07:16) 

みなりん

こちらの写真は自然体ですね。

旅先では、ほんといろんな出会いがありますよね。
リッチーさん、スピルバーグ風の感じがあるし・・・
フレンドリーな方ですね。
by みなりん (2011-09-26 13:14) 

岩崎ナギ

みなりんさん→そうですね、
コーン・アーツは、
飾らない人たちと、
くつろいだ時間が持てました。

リッチーさんはそう言えば、
スピルバーグにも似てますね。
日本ではネットカフェにもよく行かれたらしく、
ノートPCはその写真なんです。
by 岩崎ナギ (2011-09-30 05:36) 

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