2011アリゾナ奮闘記・第2話「白紙に戻る」 [旅(Travel)]
車はフェニックス市内を走る。
We drove Phoenix city.
○2011アリゾナ奮闘記・第2話「白紙に戻る」
「フェニックス行きはここですか?」
と係員に訊ねるが通じない。
切符を見せると、
「オー、フィーニックス!」
と理解してもらえた。
「フェニックス」ではなく、
「フィーニックス」だ。
発音を修正する。
ここからはアメリカ国内線となる、
機体も細く小さく、
おまけに機外に通じる乗降口さえ、
スチュワーデスが「ばたん!」
と閉じるのだ。
乗員もまるで「農協(現JA)」の乗り合いみたいに、
のんびりした感じだ。
いや実際に「感じ」だけではなく、
左隣のおじさんは「農業大全」を読んでいる。
スチュワーデスは40代中盤~50代前半の、
南部的な白人女性だが、
差別などは無さそうで、
とても感じの良い女性だった。
フェニックス便は5月に予約したからか、
座席番号は「01A」。
つまり操縦席の真後ろだ。
もちろん扉が客席と隔てているのだが、
なにぶん小さな飛行機だから、
その扉の真後ろに件の白人女性が、
常に扉側を向いて立ち、
更に1メーター後が自分。
特に見るでもなく、
彼女のお尻を見たまま、
機はフェニックスまで飛んで行く。
同空港ではサンフランシスコで入国審査を、
すでに済ませてあるから、
簡便な手続きで外に出る。
外に出た瞬間、
サングラスの白人男性が、
手を差し出してきて握手となる。
『またボッタクリか?
何かの勧誘か?』
と緊張が走るが・・・
「アイ・ノー・ユー!
アイム・マヒュー!」
「オー!」
・・・という事で、
頼みの綱の友人と会えて、
意外にも順調にフェニックス市内に、
入って行く事となった。
社内でマシュー(実際の発音はマヒュー)は、
ひたすら喋り続ける。
無理に喋っているのではなく、
元々がこんな感じの人柄のようだ。
話が途切れて気まずい、
そういう事がほぼ無い。
とは言え・・・
彼の英語の6割は解らない。
そもそも実際に会うのも初めてだ。
最初はフェイスブック(以下FB)で、
『アリゾナのギャラリーに展示しないか?』
という誘いを受けたのが始まりだ。
しかし本当に信用できる話なのか???
そこで更に2年ほど前から、
FBで交流のあった、
別ギャラリーの経営者キャッシーに・・・
「彼はあなたの知り合いだと言っているが、
信用できる人物か?」
「そうだ、彼は正直な人物だ。」
・・・結局は利益があるかどうかより、
人が信用可能かどうかが問題だ。
それで話は受けることにした。
しかし最初に声を掛けられたギャラリーは、
財政上の困難から話を降り、
話の行きがかり上、
マシュー自身が父親の農場を借りて、
展覧会を行う事になった。
環境が全く違う所、
つまり外国での展示を行う場合、
何とか現場に行く事を、
ナギはとても重要視している。
そこでは言葉が違い、
価値観が違い、
したがって観覧者の感じる感想もまた、
違ったものが出てくる。
言葉としての正直な感想は、
中々出て来ないが、
何となく「空気を聴く」のは大事だ。
それが新たな成長を産むのだから。
そう腹が決まれば、
次は航空券だ。
格安航空券はすぐに売りきれる。
善は急げと間髪入れずに探すが、
それでもどこも高い!
10万円以下の券が全然ないのだ!
中国との関係が悪くなると、
こういう時に困る。
本当に安い券が回って来なくなる。
日本の航空会社は確かに安心だが、
ANAの15万円の券が最も安く、
「格安」とはとても言えない。
しかし背に腹は変えられず、
結局、予約と入金を行った。
ところが!
件の券に入金が完了した直後、
アリゾナで史上3番目という、
凄まじい山火事が発生し、
展覧会の話は白紙に戻ってしまったのだ・・・
(つづく)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
続いておりますアリゾナ奮闘記、
いかがでしょうか?
実際的な話に戻りますと、
神戸市「西区民センター」で担当の、
火曜「デッサン講座」。
おかげ様で「朝・昼・夜」、
3講座とも無事開講となりました。
いつもご指導頂き、
ありがとうございます。
「昼(火・午後2時~午後4時)」と、
「夜(火・午後6時~午後8時)」の講座は、
まだまだ空きがありますので、
ご興味のある方は、
直接、西区民センターに、
お問い合わせ下さい。
次回のブログは9月12日(月)に、
「だから今日希望がある」のCDが、
いよいよ発売となりましたので、
その記事を掲載いたします。
よろしくお願い致します。
では!
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こんばんは!
又 ハラハラドキドキの「アリゾナ奮闘記」
そして 「白紙の戻る」・・・あ~らら???
でも 続きが気になります。。
by ララアント (2011-09-09 20:29)
旅にはアクシデントがつきもの。
これからの展開が楽しみですね。
by tromboneimai (2011-09-09 23:13)
小磯美術館での講演のこと、アリゾナ白紙の
続きのこと、楽しみにしていまーす!
by カズノコ (2011-09-10 08:29)
おはようございます!
アリゾナ奮闘記、いきなり波乱万丈ですね。
旅のアクシデントは、私もソウルで経験しましたが
ナギさんは、どうなるんでしょうか?
by みなりん (2011-09-10 09:44)
奮戦記
奮闘様子よ~くわかります。
大変ですね。
次回が気になります。
by 匁 (2011-09-10 16:08)
"アリゾナ奮闘記"
ナギさんの周りでは想像できないことが沢山起こるんだなぁ~と感心させられました。
つづきが気になりますね…。
by マっこ☆ (2011-09-11 10:25)
こんにちは、ナギさん。
山火事?どうなちゃうの?
つづきが楽しみ!
by コモン (2011-09-11 11:42)
ララアントさん→おはようございます。
しっかりお読み頂いているようで、
ありがとうございます。
白紙に戻ったりと色々ですが、
次回は今週金曜日の掲載です。
よろしくお願い致します。
tromboneimaiさん→現場では色々起こりますね。
それが不安と同時に楽しみでもあります。
ありがとうございます。
カズノコさん→小磯の講座については、
日々模擬授業に励んでおります。
ありがとうございます。
みなりんさん→おはようございます。
そうですね、
どうしてもいつも予想外の事が起こるのでしょうね?
ソウルにはよくお出かけになっていますね。
様々な国に行ってみたいと思います。
ありがとうございます。
匁さん→ありがとうございます。
今回も大きな口内炎が出来たりして、
肉体的、精神的に大変でもありましたが、
一方とても楽しみも多く、
面白い旅でした。
マっこ☆さん→色々ありますね。
ゴタゴタやっている内に、
アッと言う間に1年過ぎるので、
悩み半分で面白いも半分です。
続きは金曜日です。
ありがとうございます。
コモンさん→お読み頂いて、
ありがとうございます。
山火事は凄まじいもので、
それについても今週金曜日に書きます。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2011-09-12 10:14)