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デッサン完成「夏まつり」 [デッサン(Dessin)]

06・夏祭り・510.jpg

題・「夏まつり」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号

Title / "Natu-Maturi" (It means "Summer Festival".)
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4"×12.72"

◎デッサン「夏まつり」完成しました。

あかつき美術同好会」で、
先月描いたモデルさんです。
「ゆかた」を着ておられました。

それで最初はそのまま、
「ゆかた」という題を考えましたが、
やはりより物語を想像しやすい、
「夏まつり」で行くことに決めました。

背景はハッキリとは指し示さず、
ただボンヤリと光に照らし出される、
少女の姿を描きました。

太鼓の音が体を揺らし、
季節の揺れと心の揺れを、
同時に感じる。

何もかもが過ぎゆく中で、
逆説的に一瞬の思いだけが、
極めて真実に近い。

今日のきらめきよりも、
明日のキラメキの方が尊いと、
保証する事は誰もできない。

今回はそんな儚い、
「きらめき」の表現を試みました。

数年前(10年前!)に、
ホワイトベリーが「夏祭り」という曲を、
カバー(原曲・ジッタリンジン)で、
大ヒットさせましたが、
そんな感じですね。



「夏祭り」ホワイトベリー
"Natu-Maturi" Whiteberry

これは10月5日(火)からの、
西区民センター「デッサン講座」、
2010秋季の初回、
「人物画・お互いに」の、
指導案にも使います。

また後日この記事に、
付け足す形で指導案を、
掲載したいと思います。
よろしくお願い致します。

そのデッサン講座は、
昨日が春期最終日でした。

キッチリ半年分成長された、
受講生の方々にご出席頂き、
無事3講座とも、
修了する事ができました。

受講生の方が上梓された単行本や、
仕事上やむをえず退会された方の、
手紙を頂きました。

単行本は昨日の内に読了し、
書かれた方の静かでありながら、
内に秘められた情熱を知りました。

また退会された方の手紙は、
人間の儚さを感じました。

自身の指導力不足や、
ただ漫然とした理由で、
欠席の多くなった方も、
きっとおられたでしょう。

けれども続けたかったのに、
続けられなかった方の、
退会に当たってのお手紙ほど、
儚さを感じさせるものはないです。

一瞬一々のきらめきの大切さが、
改めて身にしみました。

自分自身の指導力と人間力、
それに制作力も、
あきらめずに向上させて行きながら、
秋季の開講に臨みたいと思います。
よろしくお願い致します。

次回のブログは9月11日(土)に、
更新したいと思います。

いよいよ10月22日から、
川田画廊で始まるナギ個展の、
DMと作家紹介を、
作成して頂きましたので、
それをご紹介したいと思います。

では土曜日にお会いしましょう!

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

10月2日(土)「夏祭り」の、
「指導案」を追加しました。

ご覧頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++++

01・十字線.jpg

①十字線を引く

画面に十字線を引きます。

「十字線」とは、
画面を縦横「2等分」した線です。

「指四角(指窓)」や、
測定棒(鉛筆OK)などを用い、
描こうとする題材の、
「真ん中」「上下左右の端」を、
確認してそれを画面上の、
十字線と対応させて行きます。

02・アタリ.jpg

②アタリを取る

十字線を利用して、
構図(ものの配置)を決めます。

いきなり強い筆圧で描くのを避け、
「アタリ」を取ります。

「アタリ」とはごく弱い筆圧を用い、
画面上で形の見当を付ける事です。

収まりの良い位置はどこか、
試行錯誤してみます。

今回は「手」まで入れる、
半身像とします。

作例では頭を少しだけ切り、
「大きさ」を感じさせています。
足など大きく画面から出る所は、
画面外に向けて徐々にぼかします。
絵の力が逃げるのを防ぐためです。

「視線側」を「背側」と比べて、
広く取るのが基本です。

03・顔と手を先行.jpg

③顔と手を先行させる

デッサンは全体的に、
進めるのが大事です。

ある部分ばかり描いて、
他の所が極端に遅れるのは、
決して望ましい事ではありません。

しかし全体の配置が決まった後、
ほんの少し要所を先行させると、
画面が引き締まって、
描き手の気持ちも乗ります。

人物画の要所は通常、
顔と手になっています。

04・柄と背景.jpg

④柄

デッサンは濃い所から、
薄い所に描く方法と、
その逆の方法があります。

同じ濃さの所は、
位置が離れていても、
同じ段階で描きます。

柄もその濃さによって、
描く順番が決まります。

濃い所から描いたとしたら、
柄が濃い時は早い段階で、
柄が薄い時は遅い段階で、
描き込みます。

但しどちらであっても、
アタリはかなり早い段階から、
必ず軽く取っておきます。

他所を全て完成してから、
柄「だけ」描くという事は、
決してすべきではありません。

06・夏祭り・510.jpg

⑤完成

今回は背景も軽く描きました。

背景も前述の柄の項と同様、
明暗の濃度によって、
描く段階が決定します。

具体的な背景、
抽象的な背景、
象徴的な背景、
あるいは無背景。

色々と選択肢はあるでしょうから、
まずはお好きな描き方で描いて、
それから結果について考慮し、
次作により良い結果を生み出せるよう、
改善できると良いでしょう。

まずは失敗も勉強と思い、
思い切って描いてみて下さい。

+++++++++++++++++++++++++

以上です。
ご助言頂ければ幸いです。

よろしくお願い致します。
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コメント 11

の

お久しぶりデスゥ~^^;
んん、、、なかなかのご活躍!!忙しそうでなによりデス~♪
by (2010-09-08 13:16) 

ぷりん&りく

おはようでし~~☆
一本の線でここまで、、立体化されてみれるって、、、
ホンマにすごいでし♪
by ぷりん&りく (2010-09-08 14:07) 

カズノコ

本当に、久しぶりの素敵なデッサンを見させて
頂き有難うございました。髪の毛の見事な流れ、
首回り、帯の陰影、団扇の陰影、浴衣のうっすらした
模様など、とっても勉強のなります。

デッサン教室も、基礎が固まりましたね。
また、10月には個展を開催されるとのこと、
ますますご活躍、嬉しい限りです。
お体だけは気を付けて下さるよう、お願い申し上げます。
by カズノコ (2010-09-08 15:07) 

瓶太郎

こんばんは
「翼雲」教えて頂きありがとうございました!
幸運をなぎさんにもお裾分けです(笑)
by 瓶太郎 (2010-09-08 23:16) 

tromboneimai

とても素敵な作品ですね。
ど素人なコメントで恐縮ですが、
髪の毛の描き具合がとても素晴らしいと思います。
出張先の帯広のホテルからコメントさせていただいていますが、
ちょっと肌寒いくらいの夜の北海道です^^
by tromboneimai (2010-09-09 00:05) 

桜貝の想い出

こんにちは!
髪の描写、うなじから襟元、帯の後ろの結びの所にまず目が行きますね~
いつも素敵なデッサンですね~\(^o^)/
by 桜貝の想い出 (2010-09-09 16:09) 

岩崎ナギ

のさん→ご無沙汰しております。
ありがとうございます。
何とかかんとか、
生きのびております。
またよろしくお願い致します。



ぷりん&りくさん→おはようございます。
立体感は大切にしたいと思っているので、
そう言って頂けて嬉しいです。
ありがとうございます。




カズノコさん→ありがとうございます。
カズノコさんにコメント頂けると、
やはり嬉しいですね。
髪の毛の表現はこだわっています。
そこまで拘らなくても良いという、
ご意見の方もおられますが(笑)。

デッサン講座はむしろこれからが、
本当の正念場です。
絵画経験者でデッサンを習いたい、
という層がある程度出尽くして、
今後新規に習いたい方に、
どれだけお越し頂けるか、
それが本当の勝負です。
お気遣い頂きありがとうございます。




瓶太郎さん→おはようございます。
「翼雲」子供の時から、
すっと思っていました。
瓶太郎さんにも幸運がありますように。




tromboneimaiさん→ありがとうございます。
髪の毛を綺麗に描くのが、
ナギ流のこだわりです(笑)。
素人ぽいと言って、
敬遠される方もおられますが、
女の子を実際以上に、
綺麗に描く事はとても重要です。
言わば外見が本質であり、
本質は外見です。
少なくとも絵においては。




桜貝の想い出さん→おはようございます。
特に気を付けている、
髪の毛の描写に気付いて頂いて、
ありがとうございます。
とても嬉しいです。
by 岩崎ナギ (2010-09-11 07:41) 

nekononeonkan

素敵な一枚ですね。
夏風が目に見えそうです。

ところで、ナギさんのブログはデータ量のせいでしょうか、
すごく重いです。
もうすこしサクサクめくることができれば、以前の記事も読みたくなるのですが、なにしろ重いので、時間がかかります。
(私のPCの環境のせいであれば、ごめんなさい)

がんばっている様子のナギさんのブログ好きです。
多くの人の目に触れるよう、これからも続けてくださいね^^
by nekononeonkan (2010-09-12 17:42) 

岩崎ナギ

nekononeonkan→ありがとうございます。
「夏まつり」は自分も好きな絵なので、
そう言って頂けて嬉しいです。

そうですね。
それは自分でも気になっていたので、
1頁7枚にしてみましたが、
どうでしょうか?
ご助言ありがとうございます。

ありがとうございます。
自分自身のがんばりが、
他の方に伝わっているなら、
その事自体が励みになります。
これからも継続的に、
がんばっていきたいと思います。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2010-09-17 06:11) 

カズノコ

ー指導案についてー

①十字線を引く
②アタリを取る
言葉の定義もあり、分かりやすくてとってもいいです。

③顔と手を先行させる
  画面が引き締まって、「描き手の気持ちも乗ります。」
  は、「描き手の気持ちも伝わります。」にしたらと・・・・・?
ここだけ、ちょっと切りなりましたが、勝手なことを申して済みませんです。

あとは、言うことありませんです。

  



by カズノコ (2010-10-02 16:48) 

岩崎ナギ

カズノコさん→指導案、
丁寧にご覧頂いて、
ありがとうございます。

①、②の、
十字線、アタリは大丈夫ですね。
ありがとうございます。

③は少し解りにくかったですね。
これは描き手「自身」の、
気持ちを高めるために、
要所を先行させるという、
見る側ではなく「描く側」のための、
考え方となっています。

いつも丁寧にご覧頂き、
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2010-10-09 08:39) 

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