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2010・ニューヨーク奮闘記・05「まさかの友は」 [旅(Travel)]

アキラさんアスカさんが来られた日.jpg

アキラさん(左)とアゴラギャラリーで写真を撮る。
ナギ(右)は直前まで外で描いていたので、
かなりの重装備だ。

I was taken this picture with Akira(left)
in Agora Gallery.
Nagi(=I=right) wore the heavy duty wear
because I was drawing my work
on the street of outside
before just then.

04話からつづく)

女性はもちろん日本人だった。

「あの済みません!

部屋に鍵を閉じ込めてしまったんですけど、
宿の方と連絡する方法ってご存じですか?

いま玄関の呼び鈴から、
宿の人と話そうかと、
思っていたんですけど。」

「4階に『緊急用』という、
電話がありましたよ。」

「あっそれは知っているんですが、
25セント玉(クォーター)が無いんですね。
あと宿の番号が判らないんです。」

「じゃ今クォーター2枚ありますし、
宿の連絡先も部屋にありますので、
ちょっと取りに行きましょうか?」

「あっ済みません助かります!
ありがとうございます。」

そんなこんなで女性が居住する、
2階に戻って25セント玉2枚と、
連絡先をお借りする。

これで再び4階の、
公衆電話に挑戦可能になった。

『チャリン!』

一気に2枚吸い込まれて、
なすすべが無くなるのも困るので、
ごく慎重に1枚だけ投入し、
宿の緊急番号を押してみる。

『ジージージー(米国呼び出し音)、
××××××××××××××。」

英語だ。
どうやら留守電らしい。
しかも米国女性の声で、
自動対応する機械的なやつだ。

伝言では意味がないし、
クォーター1枚失うのもいやなので、
即座に電話を切る。

『チャリン!』

25セント玉が戻り、
頼みの綱ごと切れる。

やはり「入口」を試そう!
下の階に降り始めた時、
女性が消えた同じ扉から、
今度は背の高い男性が出てくる。

そこで再び、
「あのー済みませんが、
部屋に鍵を閉じ込めてしまって、
上の公衆電話も駄目ですので、
後でお金はお支払いしますから、
携帯電話をお借りできますか?」

男性は少し驚いたようだが親切に、
「良いですよ。
とりあえず中に入りませんか?」
と扉を開けてくれた。

中には先ほどの女性もいて、
「どうでした?つながりました?」

「いやー何か英語で録音が話すんですけど、
全然つながりませんねー。
あと25セント玉を『4枚』入れる、
って書いてありました。」

男性と女性がクォーターをかき集めてくれて、
それで・・・『3枚』。

微妙な枚数だが男性が、
「もう一度上ので試してみましょう。」
「ありがとうございます。」

「ちょっとタバコを吸いに出てたんで、
モモヒキで済みません。」
「いえいえ助かります。」

どうやらお二人とも、
タバコを吸いに屋外に出ていたようだ。
(室内禁煙)

道理でどちらの方も軽装だった訳だ。

ともあれ男性と共に、
また公衆電話に挑戦するが、
つながる気配もない。。。

オマケに25セント玉1枚、
吸い取られてしまった。

「『緊急用』の意味ないですねー」
その通りだ。

結局部屋にもどって、
男性が携帯を掛けてくれる。

お二人のお名前は、
アキラさんとアスカさん。
休暇でNYに来られたそうだ。

そのアキラさんが掛けて下さると、
「緊急連絡先」は先ほどとは違い、
「日本語」ではある。
しかしやはり「留守電」。

「まだ寝てるって事かな?」
とアキラさん。
時刻はすでに午前5時50分。

「やはりオモテの呼び鈴を試してみます。」
と言ってるその時、
電話が掛かってきた!

旅館側が留守電を聞いて、
掛け直してくれたのだ。

「・・・と言う訳で、
鍵を中に閉じ込めてしまったんです。」
「あーそれなら・・・」

・・・ちゃんと解決策はあった。
こういう事は割にある事らしい。

具体的なやり方は、
安全上記せないが、
ともかく最終的に無事、
部屋に入る事ができた。

「お二人には本当に、
お世話になりました。
ありがとうございます!」
「いやいや『旅は道づれ・・・』
って言うじゃないですか。」

日本人同士の旅館でないと、
こうは行かない。

「まさかの友は真の友」。
この事が縁になって、
お二人には展覧会にもお越し頂いた。

その時アキラさんと、
一緒に撮ったのが上の写真だ。

そして正にこの日から、
アゴラギャラリー」での、
展覧会も始まったのだ!

(つづく)
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コメント 16

今造ROWINGTEAM

おおー!ドラマのような出会いですね♡((´∀`*))
いい人たちで本当によかったですね!^^
by 今造ROWINGTEAM (2010-03-19 09:07) 

匁

やっとホッとしました。
アキラさんは命の恩人ですね。

寒い中スケッチなさっていたんですか。
次回も楽しみです。
by (2010-03-19 09:23) 

カズノコ

「まさかの友は真の友」
二人の友が出来て、作品も見て頂いて
本当に良かったですね!
いよいよ、展示会のオープンですね!
楽しみにしています!
by カズノコ (2010-03-19 09:40) 

michaela

ご無事がわかっていてもドキドキしました^^
思いがけないところから生まれるつながり…人生は面白いですね。

by michaela (2010-03-19 09:51) 

えありす

こんんちは。
無事に部屋に入れて良かったですね^^
写真の後ろに飾ってある絵の色がとても綺麗です♪
by えありす (2010-03-19 14:58) 

スマイル

とにもかくにもよかったです~ほっ☆
女性がお金を貸してくださった段階で、これでOK!
と思ったのですが甘かった・・・・
そうそうお金が一機に無駄にならないようにという
岩崎さん、すごく冷静、関心しました。
それにしても、お二人が喫煙者でよかったですね。
しかもGoodタイミングで喫煙に外へ・・・・
出会うべくして出会ったのでしょう。
展覧会にまで来てくださったんですからね♪
一件落着。。。。
まだこれから何かあるんですか?
by スマイル (2010-03-19 23:40) 

岩崎ナギ

今造ROWINGTEAMさん→そうですね、
2度とも『もう呼び鈴しかない!』
って降りかけた時に、
出会ってますもんね(笑)。
異境では同郷人は助け合って、
困難を解決しないといけない場合も多く、
今回は正にそれで、
おかげ様で助かりました。
by 岩崎ナギ (2010-03-20 05:57) 

岩崎ナギ

匁さん→そうですね、
玄関の呼び鈴も、
電話が留守電なら、
どうなったか判りませんしね。
鈍くさいから、
戸外で閉め出されたかも知れません(笑)。

傘を差して雪を避けながら、
通りで描きましたよ。
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2010-03-20 05:57) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます。
こうして見ると、
人間の人生は偶然の積み重ねですね。
今回は良い偶然で助かりました。
今日は展覧会の記事を載せます。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2010-03-20 05:58) 

岩崎ナギ

michaelaさん→ありがとうございます。
そうですね「犬も歩けば棒に当たる」(笑)。。。
色々世の中を歩いていると、
面白い事むずかしい事にぶつかりますね。
by 岩崎ナギ (2010-03-20 05:59) 

岩崎ナギ

えありすさん→おはようございます。
ありがとうございます。
おかげ様で部屋に入れて、
とてもほっとしました。
絵は気に入って頂けて嬉しいです。
この絵が「神戸安全ビスケット(KSB)」です。
by 岩崎ナギ (2010-03-20 05:59) 

岩崎ナギ

スマイルさん→ありがとうございます。
大体困難というものは、
『やれやれこれで一息・・・』
と思った瞬間から、
2度、3度と続けざまに来るものです。
25セント玉でも頼みの綱、
あの時には本当に貴重な1枚でした。
人生は色んな偶然の積み重ねで、
人は出会ったり出会わなかったりです。
5分違っても会いませんもんね。
これからは展覧会の始まり、
戸外での制作、そしてインタビューを載せます。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2010-03-20 06:00) 

tromboneimai

よかったよかった、入れて。
一宿一飯の恩義、旅先での急場を救ってくれた人は
本当に心に残るものですね。
それにしても、鍵をあける裏ワザがあるのは逆に
心配になりますね。30年前に初めてNYに行った時の
安宿は、内側に鍵が5個くらいついていて、これでもか!
ってくらい侵入を阻んでいました。
あの頃は本当に物騒なNYでしたので。
夜じゅうサイレンの音が鳴り響いていたのが今では
懐かしいです^^
by tromboneimai (2010-03-20 06:45) 

岩崎ナギ

tromboneimaiさん→ありがとうございます。
そうですね、
異境とは本当に心細いものです。
同郷の人はとても心強いものですね。
裏技は確かに心配ですね(笑)。
良し悪しです。。。
表とは2枚の鍵付き扉で、
隔てられていますから、
まぁまぁ安全ですけどね。
サイレンはたまに響いていましたが、
しゅっちゅうではありませんでした。
大分安全になったようですね。
by 岩崎ナギ (2010-03-20 08:02) 

の

「日本人同士の旅館でないとこうは行かない」
      ↑
まさに、その通りですネ~心細いですし、、、、
by (2010-03-20 11:42) 

岩崎ナギ

のさん→本当ですね。
やっぱり言葉が通じないというのは、
何と言っても不便で不安なものです。
by 岩崎ナギ (2010-03-21 06:05) 

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