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2010・ニューヨーク奮闘記・04「閉じこめられる!」 [旅(Travel)]

1日目・「雪のNY」05.jpg

次の日のニューヨークは大雪。

The next day's New York was a heavy snow.

(03話からつづく)

真夜中の2時半に目が覚める。

いつも日本で起きている、
早朝午前3時半より更に、
1時間も早い。

外ではタクシー運転手の言っていた、
「ブラック・ピープル(黒人)」
の人達がまだ大騒ぎしている。

段々判ってくるのだが、
この黒人の人達は、
午後9時頃から騒ぎ始め、
朝4時くらいまでドンチャン騒ぎである。

「NY風物詩」として、
慣れるしかないだろう。
危険性は無いようだ。

ベッドからスルリと下りて、
床板を軋らせながらも、
隣室を起こさないように、
静かに滑らかに移動する。

離れ部屋の風呂場で、
歯を磨きシャワーを浴び、
体を拭いて、
いざ部屋に帰ると・・・

「ガチン!」
『アレ?』

「ガチン!!」
『まさか??』

「ガチン!!!」
『閉め出されたー!!!』

部屋の扉に、
『お部屋を出る際に、
ドアを内側からロックしないよう、
ご注意下さい。』
とあったのはこの事かー!?

現在まだ夜中の3時。
おそらく旅館中の人が、
眠っている事だろう。

悪い事にこの旅館は、
職員は夜は常駐しておらず、
いわば「短期貸しアパート」
と言った施設なのだ。

別の場所にいる職員に、
連絡を取ろうにも、
携帯電話すら閉じこめてしまった。

廊下には番号の並んだ、
プッシュボタンがあり、
「緊急用」と書いてある。

緊急は緊急なのだが、
つながる先が「Fire Dept(消防署)」。
・・・大げさ過ぎる。

第一アメリカの消防車は有料である。
それに有料だろうが無料だろうが、
この状況をどう英語で説明するのか??

とりあえず風呂場に戻る。
(風呂場は掛け金のみ)

朝が来るまで時間がある。
仕方がないから(?)、
片足スクワットを2セット行う。
10分経過・・・
腕立て伏せを入念に行う。
20分経過・・・

・・・旅館事務所は「正午」に開く。

埒(らち)があかないので、
別の方法を考える。

以前にも説明したが、
自室と風呂場それに隣室は、
「3階」という一括りで、
広く言えば「室内」になっている。

それに比べて3階全体の扉を開けると、
そこは共同の階段で、
渡り廊下で別の3階につながったり、
階段が上下に伸びていたりする。

つまり半分は「室外」とも言えて、
気温も中より低い。

更に言えば1階まで降り、
2重の扉を開ければそこは、
完全に街路で「外」だ。

これも初回に記したように、
「大雪」が現在なおも降り続き、
足が埋まるほど積もっている。

「Tシャツ」で朝まで立っていれば、
「凍死」も皆無では無いだろう。

やむを得ないので、
隣室の扉を叩き、
「こんな時間に申し訳ありません。
鍵を閉じ込めてしまったので、
ご迷惑をお掛けしますが、
旅館事務室と連絡を取って頂けますか?」

・・・と数度言ってみるが、
熟睡しているのか、
面倒に巻き込まれたくないのか、
起きてこない。

こうなれば強攻策だ。

まず共同台所と風呂場から、
ゴミ箱2個とタオル2枚を持ってくる。

3階共通の入口を開け、
ゴミ箱で扉が閉まらない様にする、

ついでにタオルも境目におき、
万一ゴミ箱が外れても、
なお閉まらないように気を付ける。

これでゴミ箱とタオルを、
1つずつ消費する。

階段を「下」に下りると、
前述の「外への扉」1枚目があり、
その前に古めかしい「鍵」が2個、
ぶら下がっている。

『ひょっとしてこの「鍵」で、
開くんじゃないか??』

部屋に取って返し、
2種とも試すが、
いずれも開かない。

恐らく旅館として改装以前に、
普通の家として使っていた頃の物を、
象徴的に飾っていただけ、なのだろう。

下が駄目なら上だ!

4階から屋上への踊り場に、
公衆電話があり「緊急用」と、
また日本語で書いてある。

だがこれは道端にある物と同じで、
「25セント玉」(通称クォーター)が、
無いと掛けられない仕組みだ。

受付への電話がタダなのは、
日本での常識のようだ。

あとは屋上への扉もあるが、
「扉を閉めて屋上に出られますと、
外からは開きませんので、
ご注意下さい。」とある。

今はまだしも「屋内」だが、
吹きっさらしの「屋外」に出て、
旅館の屋根で凍死してもつまらない。
これは止す事にする。

再び1階に下り、
1枚目の扉を開けて、
ゴミ箱で留める。

2枚目の外への扉も、
タオルで留めようと試みる。

玄関の呼び鈴には、
時間外に到着した客のために、
「通話回線」がある。

自動錠で完全に「外」に、
閉め出されないよう、
非常に慎重にタオルで留めようとした、
正にその時!

外から女性が入ってきた・・・
(つづく)
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コメント 14

りぼん

このごろの冷え込みは・・・・ [気になる] に
貴重な・nice!~ コメント有難う御座いました
☆♪
広告に応援ありがとうございました
大変励みなりましたm(_ _)m
by りぼん (2010-03-16 07:47) 

カズノコ

慎重なナギさんでも、そんなことに出くわすのですね!
こちらは、いつもうっかりですから、どんなことになったやら?
如何に時間を使い、いろいろ対応を検討されていたことに
敬意をひょうします~女性が入ってこられた・・・・・・・・・・・
本当に良かったですね!~1時間ぐらい待ったのですか?
by カズノコ (2010-03-16 08:28) 

匁

自動ロックされて閉めだされたんですか!!!!!
またまた大変ですね。

よくあることとは言え 場面が場面だけに
下手をすると 凍死 に至るところでしたね。
今 記事を書ける状態で
ホッと一息ですね。
by (2010-03-16 09:02) 

スマイル

オーマイゴッド・・・・
こんなピンチ、私なら一体どうするのだろうと
考えてしまいました。
多分なりふりかまわず、
神様・仏様・キリスト様~~~
頼みまくりでしょうね。
岩崎さん、いろいろと脱出作戦を試みられる
からすごい。。。。
さあ、こうご期待、
現れいでたる女性が鍵ですね、きっと?
by スマイル (2010-03-16 09:43) 

広島ピアノ

ブログへのコメント有難う御座います。
NYでのお話、いつも楽しく拝見させて頂いています!
取り急ぎ御礼まで。
by 広島ピアノ (2010-03-16 11:06) 

岩崎ナギ

りぼんさん→ありがとうございます。
またよろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2010-03-17 05:45) 

岩崎ナギ

カズノコさん→全然慎重ではないですよ(笑)。
ナギはとてつもなくウッカリ型です。
自動ロックとは少し違い、
部屋の扉を内側で掛け、
そのまま解錠せずに、
開けてでると(出るのは可能)、
閉まる仕組みだったようで、
全く予想も付かず困り果てました。
そうですねーちょうど1時間くらいでしょうか。
良かったですありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2010-03-17 05:45) 

岩崎ナギ

匁さん→閉め出されてしまいました。
1日目から問題続発です(笑)。

これは正確には自動ロックではなく、
寝ている時などに内側から鍵を掛け、
そのまま解錠せずに開けて外に出ると、
(鍵を開けなくても外に出る事は可能)、
そのまま内側で再び閉まる仕組みです。
完全に外に出てしまえば凍死もありえ、
そうでなくても時間の無駄で、
本当に困った状態でした(笑)。
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2010-03-17 05:46) 

岩崎ナギ

スマイルさん→一緒に考えて頂いて、
ありがとうございます。
多分神仏に頼んでも、
この場合は自助努力が求められたでしょう(笑)。
ちょうどこの日が、
展覧会開催の日で、
色々まだしなきゃいけない事があり、
徒労ながら頑張ってみました(笑)。
女性は鍵でしたけど、
女性だけでは終わらなかったんですねー。。。
またよろしくお願い致します(笑)。。。
by 岩崎ナギ (2010-03-17 05:46) 

岩崎ナギ

広島ピアノさん→こちらこそ、
いつもご覧頂きありがとうございます。
またよろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2010-03-17 05:47) 

tromboneimai

数日前に楽しく読ませて頂きてっきりコメント書いた
つもりでいました。
とても期待感を盛り上げる終わり方、読み応えがあります。
絵画作品も文章も、惹きつけられるもの満載ですね^^
by tromboneimai (2010-03-18 22:02) 

岩崎ナギ

tromboneimaiさん→そうですか、
割にそういう事ってありますよね(笑)。
絵、文章とも気に入って頂けて嬉しいです。
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2010-03-19 05:06) 

の

大雪の日に閉め出されデスか、、、Σ(゜ロ゜;)!!
3時半とは、、、ウチは「起きられない」ですし、、、
「頭、パニックになりますデス」~(/_;)
by (2010-03-20 11:33) 

岩崎ナギ

のさん→焦りましたよ(笑)。
『初日から自分は何をやってるんだ?』
って思いましたね!
パニックを通り越して、
自分に「あきれ」を感じました(笑)。
by 岩崎ナギ (2010-03-21 06:05) 

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