デッサン完成「私の手・掌と拳(てのひらとこぶし)」 [デッサン(Dessin)]
題・「私の手・掌と拳(てのひらとこぶし)」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・410×318(ミリ) F6号
Title / My Hands "Palm & Knuckle"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 16.4×12.72(inch)
○西区民センター「デッサン講座用」に、
「手」を描きました。
前回と同じように「両手」。
やはり難しかった!
自分の手を鏡で見ながら、
シッカリ記憶し、
画用紙にサッと描きます。
手の格好が決まっているから、
鉛筆を握り続ける事も出来ず、
スッと置いて見、
パッと取って描く。
後はひたすらそれの繰り返しです。
記憶力と忍耐力の訓練には最適(?)。
終了後、脳が変な疲れ方をしてました。
ナギは人体の肉体部分を描く時には、
濃い「B系」から、
中間の「F」までしか、
使いません。
要するに「H、2H、3H・・・」の、
硬いH系は使わず仕上げます。
H系は精度は上がるけど、
光が冷たくなるので、
肉体表現の時はこれを嫌い、
使わないようにしています。
H系を省略した事もあり、
時間的には早く完成し、
指導案も付ける事が出来ました。
以下に記述しましたので、
またご助言頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
①「陰影」で構図を取る
デッサンの描画方法の一つに
「暗いところから描く」
という方法があります。
手を描く場合でも
指の一本一々に拘らず、
「陰影」でアタリを取ると、
構図の「全体像」を早く把握できます。
この例は「自分の両手」を描いており、
「指四角」も「測定棒」も使えません。
陰影でアタリを取り、
また最初に取ったアタリに囚われず、
徐々に動かしながら構図を探ります。
題材(手)の明るい面は、
「背景」に陰影を付けて、
把握するのも有効です。
②完全に消さずに構図・形を直す
前項①の構図は上が詰まり過ぎでした。
構図を取り損ねる事は良くある事です。
この時に全部消して全部やり直すのは、
とても無駄が多いです。
完全に消さずに薄く消しながら、
今まで描いた所を指標として利用し、
陰影を継ぎ足したり削ったりしながら、
「塊(かたまり)」として把握します。
この時に構図を直すと共に、
「形」も段々見直しながら、
両方の精度を上げて移動すれば、
一挙両得です。
かつ、1度で直せない時は、
何度でも直します。
この例でも次項③までに構図を、
更に「右」に寄せています。
③「背景」を利用する
全体が白っぽく明るいものは、
「背景」を利用するのも一案でしょう。
明るい部分の隣の背景を暗く、
暗い部分の隣の背景を明るく、
することを「光滲(こうしん)」
と言います。
カタカナでは「ハレーション」です。
指の先端、上腕の光が当たる部分など、
白く光った所が題材の端に来る時には、
その背景を暗く持って来るなどして、
主要な部分が画面に溶けてしまう事を、
防ぎます。
④デッサン完成。
全体の陰影の釣り合いを取り完成です。
前項で述べた「背景」を描き進める時、
「ひたすら見る」事が重要になります。
何もない空間に陰影など、
付けられないかのように、
思いがちですが、
ひたすら見ると段々見えてきます。
陰影は目を細めて見る方が、
把握しやすいです。
明暗を把握する桿体(かんたい)が、
網膜の周辺部に分布するためです。
また上腕の画面からはみ出す所は、
絵としては主要部分ではありません。
画面に溶け込ます処理をする事で、
主要部分に視線を集めやすいでしょう。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・・・でした。
ではまた明日!
タグ:ART IWASAKI, Nagi AgoraGallery Matrix of the Mind アート 芸術 美術 岩崎ナギ アゴラギャラリー 日本水彩画会 西区民センター デッサン講座 デッサン 鉛筆画 素描 人物画 川田画廊 岩崎ナギ個展 artwork dessin sketch 手 hand AgoraGalleryRepresentationArtist アゴラギャラリー選抜作家 アートマインドットコム http://www.artmine.com/default.aspx ナギ作品WEBページ Nagi's picuter web page http://www.art-mine.com/artistpage/iwasaki_nagi.aspx
見て、記憶して・・・
いつも自然とやっているような気はしますが、自分の手となると、話は別ですね。
人体のデッサンは、僅かしかないので、大変参考になりました。
ありがとうございます。
by よしあき・ギャラリー (2009-12-05 05:45)
こんばんは。
またご無沙汰してしまいました(汗
両手のデッサンは大変そうですねー。見て、記憶するの繰り返しかぁ・・・。
自分だったら心が折れそうです(笑));
鉛筆の濃さも色々なものを使ってるんですね。
勉強になります^
by 希々★ (2009-12-05 19:05)
ポーズをとって、記憶して、描いて・・・の繰り返し、大変そう。
あたしなら手のポーズが変わっちゃいそう(笑)
写真も撮らずにやるんですよね?
人体に硬い芯は使わない、言われてみてわかる気がします。
人の体の独特なしなやかさの表現に鉛筆が一役かってたんですね。
by ぶぅ (2009-12-05 21:57)
複雑すぎて記憶できない。
手のポーズがどんなんだったのかすらワカラナイで
何も描けないかもしれませんね…。
by マっこ☆ (2009-12-05 22:27)
陰影で構図をとること、何度でも納得するまで直すこと
光滲~ハレーションのこと、かんたいのこと
いろいろ教えて頂きました、ありがとうございます。
絵も説明も見事です!「かんたい」の漢字が出なくて
困りました。
by カズノコ (2009-12-06 00:49)
よしあき・ギャラリーさん→そうですね、
手は見つつ描くという事が出来ず、
とても難しく感じました。
いえいえこちらこそいつもご覧頂き、
ありがとうございます。
とても励みになっております。
by 岩崎ナギ (2009-12-06 05:40)
希々★さん→おはようございます。
またお久しぶりですね(笑)。
両手のデッサンはもう、
ナギ的にも一杯一々でした。
でも日中頑張ったら、
夜は後悔なく眠れるので良いです。
鉛筆は5H~6Bくらいまで使っています。
もっと使う方もおられますが、
デッサンに掛かる時間が拡大するので、
ほどほどにしております。
by 岩崎ナギ (2009-12-06 05:41)
ぶぅさん→手の格好は、
ナギも最初の数回は、
「アレ?こうだったかな??」
とか忘れてましたね(笑)。
写真は撮らないですね。
というより両手だと撮れないのでは(笑)?
硬い鉛筆にはロウ分が多く含まれ、
薄いという以上に光が冷たいのですね。
それでナギの場合は使いません。
by 岩崎ナギ (2009-12-06 05:42)
マっこ☆さん→一本一々の指の一々ではなく、
ぼんやりと陰影の塊で見ると、
バラバラで見るよりは、
比較的容易です。
それでもやっぱり難しいですけどね(笑)。
by 岩崎ナギ (2009-12-06 05:42)
カズノコさん→いつも丁寧にご覧頂き、
ありがとうございます。
同題材の記事は何度も課題を行っていると、
きっと似てくるとは思いますが、
少しずつ改良を重ねたいと思います。
「桿体」は陰影、
「錐体(すいたい)」は色、
に主に関係しています。
by 岩崎ナギ (2009-12-06 05:42)