デッサン完成「大根+タマネギ」 [デッサン(Dessin)]
題・「大根+タマネギ」
技法・鉛筆デッサン
作者・岩崎ナギ
Title / "Japanese Radish + Onion"
Technique / Dessin by Pencil
Artist / IWASAKI, Nagi
○デッサン「大根+タマネギ」完成しました。
西区民センター「デッサン講座」用ですが、
指導案はやはり後で付け足す形で、
掲載したいと思います。
大根は野菜スーパー「モーリ」で購入。
タマネギは家に転がっていた、
皮のパラパラむけかけの、
時間が経ったやつ。
ただし萎(しな)びてはいません。
華やかなものを描いて、
楽しい絵にする事は、
決して否定せず、
大事な事ですけれども、
大根1ぽん描いて存在に迫る、
それも大事な事です。
自然光に置き、
真摯に見て描画しました。
では!
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以下11月22日(日)指導案を付け足しました。
お時間のある方はお読み頂けると幸いです。
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今回の課題は「大根」です。
これは「円筒」の「影」の付き方を、
学習するために選んだ題材です。
ですから「円筒」状のものであれば、
透明のものでない限り、
同じ「ねらい」を持って学習できます。
ではまず「円筒」の「影」の付き方は、
どうなるのか「クイズ」を、
皆さんにお出しします。
以下の図をご覧下さい。
以前もお出ししましたが、
「3択」で行きますよ。
1・断面「A→B→C→D」
側面「1→2→3→4」
2・断面「D→C→B→A」
側面「4→3→2→1」
3・断面「D→C→B→A」
側面「1→2→4→3」
・・・の3択です。
さぁどれでしょうか???
答は再来週「水曜日」発表です。
下の「大根」の描き方を見ていると、
なーんとなく解りますよ。
では大根そのものの、
描画手順を見てみましょう。
①長手方向からアタリを取る
十字線を活用しながら、
題材の位置の大体の見当を、
付けていきます。
輪郭線のみを頼りとせず、
陰影を用いて、
立体的に判断します。
この時、長手方向の線から、
入れるのが常道です。
また同時に必ず「影」も、
軽く取り「構図」の一部として、
最初から考慮に入れます。
蛍光灯のような拡散光の場合、
全方向に影が出来がちですが、
「右」か「左」に強調して、
流した方が構図として退屈にならず、
より良いでしょう。
②短手方向に線を入れる
長手方向の対義語は、
「短手方向」です。
主要な線である長手方向の線を、
先に入れるのは前項通りです。
その後、短手方向を絡めます。
この時、機械的に等間隔に引くと、
かえって真実味が薄れます。
今回の大根のように、
自然物は特にそうです。
よく観察して必要と思われる所に、
線を引きましょう。
「必要と思われる所」とは、
具体的にどこか?
それは踏ん張って見ている内に
「ああここか!」と体得されるもので、
文字で説明することはできません。
ただ真摯に見てください。
③鉛筆の持ち方を工夫する
写実的なデッサンを描く場合、
題材の「面」の方向に沿う線を、
引いていくのが基本です。
それで立体感を表現します。
しかし鉛筆の先端は細く、
上述の方法だけでは、
陰影を塗り分けるのに、
非常に時間が掛かります。
そこで余り面の方向に、
影響を与えない筆圧の弱い線を、
鉛筆を寝かせて持ち、
「面の方向」よりも「明暗の階調」を、
重視して「塗って」いきます。
細かく描く時には文字を書く持ち方、
大きく弱く塗る時には上記の持ち方、
その中間では3本指でつまむ持ち方、
など鉛筆の持ち方には色々あります。
持ち方も適宜変化させながら、
描いていきます。
④完成
いつも通り全体の明暗関係を崩さず、
完成させます。
項目①から「影」を少しずつ、
描いて頂きました。
ここで注目したい事は、
床面に接している所は「影」も接し、
床面から離れている所は、
「影」も本体から離れている事です。
つまり「影」は題材が置かれている、
状況を示す「手がかり」の役割です。
基礎的なデッサンの場合は、
省かず描きましょう。
またデッサンを描く時のコツとして、
「ものの先端、端、を良く見る」
という事があります。
どちらも力が集中する要点です。
今回もやはり該当の箇所は、
しっかりご覧になって、
仕上げてください。
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以上です、
よろしくお願い致します。
タグ:アート 芸術 美術 岩崎ナギ アゴラギャラリー 日本水彩画会 ART IWASAKI, Nagi AgoraGallery Matrix of the Mind 大根 タマネギ Radish Onion 西区民センター デッサン講座 川田画廊 岩崎ナギ個展 artwork dessin sketch AgoraGalleryRepresentationArtist アゴラギャラリー選抜作家 アートマインドットコム http://www.artmine.com/default.aspx ナギ作品WEBページ Nagi's picuter web page http://www.art-mine.com/artistpage/iwasaki_nagi.aspx
いやぁ~、立体感があって
画面から、飛び出てきそうですね
全体が薄めだと、宙に浮いているように見えるものなのですが
どっしりと、存在感があります。
さすがに、教える立場におられると、心構えから違うものなのですね。
by よしあき・ギャラリー (2009-11-21 05:55)
やさいがいい感じになってますね
リアルですね
by 差注すたい (2009-11-21 10:15)
はじめまして。
製作する際の心構えは、教える立場が影響するものなのですか。
by yamanoha (2009-11-21 10:47)
ダイコンの「くねっ」とした感じがいいですね。
まっすぐなダイコンではなく、あえてこのダイコンを選んだんですか?
最近は「葉っぱ」付きダイコンがなくて・・・
ダイコンの葉っぱ、けっこうおいしいのになぁ・・・
なぁーんて、思ってます(笑)
by ぶぅ (2009-11-21 15:19)
何も云う事ありません!
台の影もいいですね!
by カズノコ (2009-11-21 17:22)
よしあき・ギャラリーさん→ありがとうございます。
薄くても接地面との関係を示せば、
ある程度大丈夫かなと思います。
教える立場になって、
より積極的に描くという側面はあります。
ただ一枚一々に対峙する時の心構えは、
ほとんど変わらないだろうと感じます。
by 岩崎ナギ (2009-11-22 05:31)
差注すたいさん→ありがとうございます。
そうですね今回は、
虚心坦懐に観察する事に、
重点を置きました。
by 岩崎ナギ (2009-11-22 05:32)
yamanohaさん→初めましてよろしくお願いします。
制作時の心構えはどれも真摯であるべきで、
一枚一々では殆ど変わらないと思います。
ただこういう題材の選定、
あるいは鉛筆デッサンという技法の選択、
これは授業を行う必然性から出たもので、
そういう意味では、
影響がないとまでは言えないという程度です
by 岩崎ナギ (2009-11-22 05:33)
ぶぅさん→「くねっ」としたの、
気に入って頂けましたか(笑)。
ありがとうございます。
これは手にとって比較したから、
「あえて」と言えばそうだし、
無意識と言ってもそうですね。
ナギも絵柄的に葉付きが欲しかったのですが、
やっぱり無かったですねー。
by 岩崎ナギ (2009-11-22 05:36)
カズノコさん→ありがとうございます。
ご存じの通り、
影は台との関係を示しています、
by 岩崎ナギ (2009-11-22 05:36)