SSブログ

デッサン「ラジオ」 [デッサン(Dessin)]

04・ラジオ完成・510.jpg

デッサン「ラジオ」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆画
大きさ・H273×W220(ミリ)=3号F

Dessin "RADIO"
artist/ IWASAKI, Nagi
technique/ dessin by pencil
size/H 10.92×W 8.8 (inch)


○「ラジオ」完成しました。

いやー懐かしい形のラジオですね。
「昭和」って感じがします。

実家が引っ越しする時に、
「捨てる」段ボールの中から、
救っておきました。
形が綺麗だと思ってね。

NECのやつで皮ケース入りです。
ケースは穴がたくさん空いてて、
古くなってちょっと歪んでます。

中々難しい題材だったけど、
頑張って描画しました。

西区民センター」で次回の、
デッサン講座課題にする予定です。

以下、描画手順を見てみます。

○作成した1枚目のプリント

7課題目資料・「透視図法」・01・510.jpg

(以下プリント記載の文書)

1○透視図法的理解

例えば立方体上で、
ある面の「2分の1」の場所を知りたい時、
単純に定規で半分の長さを計っても、
それは立体的に正しい「2分の1」ではない。

2分の1を知りたい面の、
四隅からそれぞれ対角線を引き、
その交点がその面の中心、
つまり2分の1である。

タテの場合はそこから垂直線を引けば、
それが2分の1の線となる。
ヨコの場合は消失点に向けて引けば、
それが2分の1の線となる。

○作成した2枚目のプリント

7課題目資料・「デッサンへの応用」・02.jpg

(以下プリント記載の文書)

2○透視図法の具体的応用

透視図法で立体上の、
「2分の1」が判ったとして、
具体的に手で描くデッサンに、
どう応用できるだろうか?

例えば今回のラジオの場合、
外側のケースに、
音を伝えるための穴が、
ヨコ20列、タテ8段、空いている。

この多数の穴を透視図法の応用で描いてみよう。

まず描きたい一群の穴の「四隅」だけは、
目で判断し描いて決める。
これは他の箇所との関係を見れば比較的容易だ。

次に「四隅」から立体面に沿った「対角線」を、
それぞれに引くと、その交点が、
一群の穴の「中心点」であると判断できる。

ヨコ20列であるから、
「2分の1」は10列目と10列目の間となる。
その位置は中心点からタテに引いた補助線である。

タテ7段であるから、
中心点からヨコに引いた補助線が「2分の1」で、
4段目の穴の並びと同じである。

後はタテヨコ共に、
同様の行程を繰り返して、
それぞれの穴の並びの補助線を取れば良い。

このように一見複雑に見える立体上の構成物なども、
透視図法の応用で描画可能である。


・・・でした。
では以下実際に描いてみますね。

01・ラジオ「タテ・ヨコ」を決める.jpg

1・タテかヨコか?

画面をタテで描くかヨコで描くかは、
いつも迷うところです。

今回ヨコ長のラジオという事もあり、
ヨコ位置の構図を予想していたのですが、
最初に「指四角(初回参照)」で確認すると、
下げ紐(ひも)まで合わせれば、
どうもタテの方が長い。

更に「測定棒(これも初回参照)」で測ると、
やはりタテの方が長く、
タテ位置の画面を選択しました。

タテかヨコかは先入観に囚われず、
実際に測ってみて選択しましょう。

02・ラジオ「穴の位置」を決める.jpg

2・穴の位置を決める

工業製品の表面に、
複雑な構造物が存在する時があります。

この構造物を描画する手がかりとして、
立体の中心点や、2分の1の場所を、
把握できれば便利です。

描画された立体の2分の1は、
現実の画面の中の絵を、
単純に定規で半分にしたところではなく、
立体面に沿って引いた対角線の交点です。

具体的な透視図法の応用方法は、
2枚目のプリントを参考にしてください。

03・ラジオ「ロゴ」を決める.jpg

3・B系をしっかり塗る

ラジオなどの音響機器は一般的に
「黒物家電」と呼ばれています。
(対義語は「白物家電」で洗濯機などです)

「黒物家電」は文字通り、
黒を中心とする場合が多いので、
鉛筆で言えばB以上の濃い鉛筆を、
シッカリと塗り「黒さ」を表現しましょう。

但し「シッカリ」とは必ずしも、
筆圧を強く塗ることではなく、
強弱をつけて題材の明暗に、
「シッカリ」反応することです。

また前回「鉢植え」の回で学んだように、
ものの端の明暗の関係をよく見て、
「空気」を描いて下さい。

04・ラジオ完成・510.jpg

4・影は情報

影などの微妙な変化を追うのには、
H系の鉛筆が好適です。

5課題目でお伝えしましたように、
H系の鉛筆はB系の鉛筆の後に入れます。
(理由は当該の回を参照して下さい)

題材が接地面に着いているのか?
浮いているのか?
あるいは浮いている場合、
どの程度、浮いているのか?を、
影は情報として与えてくれます。

影を最初から段階的にシッカリ描くことも、
「空気を描く」事につながります。


・・・です。

解りにくい点がありましたら、
ご教示下さいね。

ではまた明日!
nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:アート

nice! 4

コメント 4

komo

皮カバーのしなっている感じが良く出ていると思います。
カバーがかかっているのがいいんですね。
by komo (2009-06-20 22:27) 

岩崎ナギ

komoさん→ありがとうございます。
皮のカバーっていうのがちょっと古めかしくて、
昭和感ありますね。
また何かの機会に描きたいと思います。
by 岩崎ナギ (2009-06-21 05:39) 

カズノコ

お早うございます。
透視図法的理解、なかなか難しくて、
書くのが遅くなってしまいました。
まだ、分からないので、書いてみますね。

1.の「ヨコの場合は、消失点に向けて引けば、
  それが二分の一の線となる。」....?
頭で解っても、実際に引くとなると大変かなと
思った次第です。

2.のところでの図を見ると、中心点からヨコに
  引いた補助線が「二分の一」で、4段目の
  穴の並びと同じである。
この場合、中心点から補助線をどのように引いたら
いいのか?....教えて下さい。
何となく、もやもやしていますので!

あとの1.~4.まではとてもいいと思います。
「空気」を描いて下さい。...とか、
「影は情報」..........などは素敵です。

by カズノコ (2009-06-21 08:34) 

岩崎ナギ

カズノコさん→おはようございます。
コメント頂いてありがとうございます。
上手く説明しきれなかったようなので、
もう一度補足説明させて頂きますね。

1の消失点は手描きの時は、
把握するのは難しいですね。
何となく消失点というものがあり、
立方体などの上下の線が最終的には、
1点に収束していくもんなんだ、
という理解があると逆パースなどにならず、
透視図法に正しいデッサンを描く助けになります。

また2の補助線は全体の形が、
取れれば1点に収束して行く、
上下の線の真ん中ですから、
その角度の平均ですね。

ご指摘の箇所を修正して、
昨日区民センターに提出しておきました。
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2009-06-23 08:04) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。