SSブログ

3原色「女性モデル」+生徒さん「代表作」 [水彩+色鉛筆]

003・三原色水彩完成「三原色のスモックを着るモデル」・510.jpg

題:3原色で描く「3原色の服を着た女性モデル」
作者:岩崎ナギ
技法・水彩
大きさ・410×318(ミリ)6号

Title : 3 Primary Colored "A Model With 3 Primary Colored Smock"
Artist : IWASAKI, Nagi
Technique / Watercolor
Size / 410mm × 318mm(16.4"×12.7")

+おはようございます!
岩崎ナギです。

神戸市「西区民センター」の指導案として、
3原色で描く「3原色の服を着た女性モデル」を描きました。

モデルさんは「あかつき美術同好会」で、
9月に来られたモデルさんです。

バレエもしておられた、
体の柔らかい方で、
足を持って頭に付けるポーズもしておられました。
しかもたまたま「3原色スモック」。

これはやはり3原色で描くしかないですね!
人物も3原色で描けた事で、
「大抵何でも3原色で本当に描けるんだ!」
と自信が付きました。
今後の自分の制作に活かしていきますね。

あと今回は指導案の後に、
今季の生徒さんの代表作を掲載しました。
皆さんとても良いですね!

では指導案と代表作4点です。
ご高覧よろしくお願い致します。

+++++++

001・三原色色鉛筆で比率.JPG

1・比率で捉える

人物画が難しいとおっしゃる方は、
比率でつまずく場合が多いです。

人の比率は頭身を用いる事が多く、
作例でも下した手まで3頭身など、
測りながら描画を進めています。

必ずしも頭身を用いる必要はなく、
肘から手の先を基準とし測る事も、
可能です。
ある場所と他の場所を比較して、
画中の相対的な大きさを知る事が、
重要な事なのです。

頭身を用いる事が多いのは、
顔が一番解りやすいからでしょう。

写真では三原色の色鉛筆で、
頭身を基準にして比率を測りつつ、
形と色を同時に進展させています。

002・2段階目・視線側大きく.JPG

2・視線側を空ける

人物画の構図も様々ですが、
基本として言える事は視線側を、
背面に比べて広く取られると、
安定した構図になりやすい事です。

逆に「不安」という題の絵なら、
視線側を詰める事もあり得ます。

通常は上記の理由から視線側を、
広く取られるのが良いと言えます。

003・三原色水彩完成「三原色のスモックを着るモデル」・510.jpg

3・流れを捉えて完成

絵を完成させて行く過程では、
大まかに捉えた題材を、
細分化する事が多いのですが、
大きさが感じられる筆致を加えて、
仕上げられると良いでしょう。

特に人物の場合は骨と筋肉の流れ、
更に衣服の流れなど大きな流れが、
特徴として見受けられますので、
再現して自然な感じに仕上げます。

+++++++

指導案は以上です。

では生徒さんの代表作をご紹介いたします。

2016・秋季・デッサン・大山正俊さん「西神中央公園・時計台」.JPG

題・西神中央公園・時計台
作者・大山正俊さん
講座名・デッサン講座

+まず構図が面白いですね!

垂直に伸びる(構図上少し斜め方向ですが)時計台。
それに絶妙な角度で交錯する飛行機雲。
指を指す子供。
木の下で何かを読む男性(手紙?、
時計が過ぎた時間を暗示しているのでしょうか?)
近景の動かない落ち葉と、
遠景の動く車の対比。
L字構図と△構図の組合せ、などなど!

その複雑な構図が繊細な階調で描かれいて、
連作で何枚か見てみたい、
素晴らしい出来栄えの作品です。

2016・秋季・デッサン・中山隆祥「風景・枯山水」.JPG

題・風景・枯山水
作者・中山隆祥さん
講座名・デッサン講座

+この場所この切り取り方を選ばれた時点で、
ほぼ良い絵が描けるだろう事が予測できます。

風景画というものは大体、
『あれも描きたい、これも描きたい』
盛り沢山になって焦点を絞れず、
凡庸な作になりがちなものです。

その点で中山さんは広い西神中央公園の中で、
枯れた池の中にある小さな枯山水に着目されて、
余分な部分を切り捨て、
ご自身が感興を憶えられた箇所に集中し、
優れた切り出し方をされて、
人を惹き付ける力のある作品を作られました。

2016・秋季・色鉛筆・小西英夫さん「晩秋」.JPG

題・晩秋
作者・小西英夫さん
講座名・色鉛筆講座

+絵というものは一つの観点から言うと、
「対比が大切である」と言えます。

その点でこの絵は、
向かって左手の量感ある丸味の樹、
真ん中の角ばった埋蔵文化財センター、
右手の様々な方向性を持つ線形の木、
の対比が面白く・・・

更にそういった大きな題材と、
埴輪などの小さな題材の対比。
緑と補色関係にあるオレンジ色の対比。

・・・などなど対比の面白味のある、
飽きの来ない絵となっています。

2016・秋季・水彩・住田周三さん「小春日和」.JPG

題・小春日和
作者・住田周三さん
講座名・水彩講座

+西神中央駅前にある彫刻群は、
比較的多くの方が選ばれる題材ですが、
住田さんの作品で感心したのは、
笛を吹く少女が他の彫像と違い、
青味がかった色調で処理されている所です。

この課題の後で彫刻前の椅子に座り、
珈琲を飲みながら仔細に眺めてみると、
なるほど!確かに少女像だけ、
青味がかった表面処理がなされ、
彫刻群に引き締まりを与えているのです。

ぼんやり何となく風景を見ていると気付かない事を、
真剣に見る事によって見抜き、
その再現が結果的に作品の語らざる面白味となり、
見る人に訴える力のある作品となりました。

・・・です。

今回はデッサン講座が2作品となりましたが、
作品展示の金具が4つで、
3講座だと1講座だけ2作品となりますので、
次回は他講座から2作品を選ぶ予定です。
どんな作品を拝見できるか楽しみにしております!

いつもお読み頂きありがとうございます。
ではまた!
タグ:3原色で描く アゼルバイジャン Azerbaijan トルコ Turkey アート 芸術 美術 岩崎ナギ サロンドートンヌ パリ Salon d'Automne Paris NY個展 ニューヨーク  Solo exhibition Ouchi Gallery ヲウチギャラリー オハイオ Ohio ハドソン・ギャラリ HUDSON GALLERY アルバニア Albania ノエビアスタジアム神戸 川田画廊 KAWATA GALLERY  個展 private exhibition デッサン 鉛筆画 素描 dessin sketch 色鉛筆 水彩 colored pencil watercolor 神戸市 西区民センター デッサン講座 美術教室 芦屋春日集会場 http://iwasakinagi.wix.com/iwasaki-nagi-web The New Primitive Declaration 新素朴派宣言 「世界一の明るい水彩を通じて、 世界一の明るい希望を共有し、 自己、他者、社会を心から明るくすることで、 世界一の愛を三者で実現して行く。」 アゴラギャラリー 日本水彩画会 アニメフェア関西 関西のクリエイター展 デザイン道場 LIVING & DESIGN 2012 ACDC Gallery Re:novel 実用新案 patent   インボルダ iNbolda bolda ボルダ 丸一興業 http://bolda.jp/case/【折りたためる額縁】インボルダ 第25回 日本の自然を描く展 優秀賞 日本芸術センター第6回絵画公募展 入選 Architectural Award 2012 Nominee 1662. What is “iNbolda”? http://www.art-center.jp/ http://www.archiaward.com/2012.php?l=E&m=8&theme=15&Obj=1662&pos=15] http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=20171 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=25194 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=32019 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=79178 https://www.kobe-bunka.jp/course/center-list.php?cid=7&q=&p=1 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=448 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=449 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=447 http://www.flickr.com/photos/ouchigallery/sets/72157635924418506/
nice!(9)  コメント(8) 

nice! 9

コメント 8

匁

ナギさん
いつも詳しく基本を教えて頂いて有り難うございます。
人物に感情を入れる。活きて来るんですね。
by (2016-11-21 08:27) 

岩崎ナギ

匁さん→こちらこそお読み頂きありがとうございます!
おっしゃるように感情を入れるのはとても大事ですね。
自分もそのように描いて行きたいと思います。
いつもありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2016-11-21 10:23) 

makiko

岩崎先生、こんばんは^^
女性像、柔らかくて素敵、良い絵ですね~( *´艸`)
人物の量感もしっかり伝わります、
色も華やかでいいなあ、この絵 穏やかでとても好きです!
一目みて、
女性の優しさ、女性らしさの伝わる絵ですね^^
さすがだなあ。。

生徒さんの絵もどれも力作ばかりで
良い絵ですね^^
先生は情感表現をしっかり指導されているんですね。
生徒さんの絵も見る人に語りかけてくれますね!
個人的に一枚目の生徒さんと、
四枚目の生徒さんの作品が好きです☆
一枚目の生徒さんは上手です~、
ぜひ色彩でみてみたい!
四枚目の生徒さんの作品は、
全体を通して陽気な音楽が聴こえてきそうなくらい、
生き生きと銅像を描かれていて、
感情移入をしながらしっかり観察されたのでしょうね!
私も先生の作品や
生徒さんの作品を拝見し、
大変勉強になりました。
しっかり拝読いたしました、
作品制作に活かしていきます^^
ありがとうございます!


by makiko (2016-11-21 20:10) 

岩崎ナギ

makikoさん→大変しっかりご覧頂き、
ありがとうございます!
まず女性像を気に入って頂けて嬉しいです。
自分の能力を全て同時に向上させる事は難しいですが、
今回は3原色で人物が描けるかどうか?
という自己課題に対し、
「描ける!」というのが解ったという意味で、
これは大事な一作となりました。

また生徒さんの絵を気に入って頂けて、
こちらも嬉しいです!
ありがとうございます。
一枚目の大山さんの作は本当に良いですね。
もともと凝り性の方で、
すごく表現にこだわって、
一つ一ゝの題材と課題を達成されて行かれる方です。
来季は水彩講座にお越し頂けるとの事で、
すぐに水彩もご覧頂けるでしょう。
四枚目の住田さんもまた凝り性の方なんです。
授業の前に家であるいは風景画の現場で、
何時間も先行して描いて来られて、
授業時間は「仕上げ」といった感じの方です。
そこまでされる方ですから、
1枚1々毎に実力が伸び、
短期間の間に印象に残る絵を描かれるようになりました。
また男性の方ですがおっしゃるように、
繊細な感性をお持ちで今回の色の違いなど、
大雑把に見ないで描き分けられていますね。
makikoさん、あらためまして、
ここまでシッカリと記事をお読み頂き、
ありがとうございました。
by 岩崎ナギ (2016-11-21 21:48) 

makiko

こちらこそ、いつもありがとうございます!
先生の指導案はとても分かりやすいのですが、
実際に行うのは頭を使いますし、とても難しいと感じます(*_*)
3原色の差し引きは微妙な匙加減で
描く側の色彩のセンスだろうなあと思いますし、
色彩だけでなく、全体を考えて描くというのが
本当に大切なんだろうなと思います。
とても素敵な女性像です!

ああやはり、、絵を描くということを
しっかり理解されている生徒さんでしたか、、。
これだけ描けるのだから、
先生のご指導も素晴らしいですし、
ご本人の熱心な姿勢なんだろうなと思っていました。
私もとても勉強になりました、ありがとうございます^^
生徒さんや先生を見習って、
これからも頑張っていきます☆
by makiko (2016-11-22 13:14) 

岩崎ナギ

makikoさん→そうですね、
水彩の理屈に難しい所は無くても
料理と一緒で実際に作るのは、
火の加減とか微妙な所に経験を伴いますね。
自分もまだまだ頑張り続けますね!

生徒さんと一応呼び方としてはそうなんですが、
それぞれ設計をしておられて退職された方だったり、
それぞれの分野で深いご経験をお持ちですから、
絵の考え方と技術に習熟してくれば、
自然伸びてくる方ばかりです。
今回もご感想をお聴かせ頂いてありがとうございます!
by 岩崎ナギ (2016-11-22 17:31) 

カズノコ

女性のモデルさん、6号なのにゆったり感じられるのか、画面が大きく見えます。素晴らしい証拠なんでしょうね!
生徒さんの作品。最初のデッサン、見事ですね!
テーマを絞ること、じっくり観察すること、構図に対比をいろいろ考えることなど、先生のご説明によりとっても参考になりました。
ありがとうございます。
それにもう一つ、女性の生徒さんがんばれーですね!

by カズノコ (2016-11-23 10:06) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます!
今回は足を置いておられる台を描いたために、
こういう構図になりました。
台をどこまで切るかは難しい所ですが、
カズノコさんが良いとおしゃってくださるなら、
安心ですね!ありがとうございます。
大山さんはとにかく凝り性の方で、
時間を掛けてじっくり取組まれますね。
短距離走者ではなく、
長距離走者のような方です。
色々な方がおられて色々な作品が楽しむ事ができます。
女性の生徒さんは今回は選びませんでしたが、
次回はきっと良い作品を見せて頂けるでしょう!
by 岩崎ナギ (2016-11-24 20:09) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。