SSブログ

オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」・8話 [出品展覧会/My Exhibition]

015・サロン・ドートンヌ「KBPとナギ」01・510.jpg

○サロン・ドートンヌ2012・ナギとその作品「KBP」
○Salon d'Automne 2012: Nagi and his work "KBP". 

オハイオ・パリ・ACDC・「2012年10月には」
8話「サロン・ドートンヌ」

◎『名札は絶対に再発行しません。』
そう規則に書いてある「名札」を、
入場早々「再発行」してもらう。

シルビーが搬入時に気付かず、
作品と一緒に提出してしまっていたからだ。

事務を司るマダムが手描きで、
「Nagi Iwasaki」と書いてくれる。

05・入選者「名札・岩崎ナギ」手描き・510.jpg

○日本式の名前表記なら氏が先に来るので、
「IWASAKI, Nagi」と表記されるべきだと思います。
○I thought Japanese style name was family name first.
So, it should be written, "IWASAKI, Nagi".

いつもなら「IWASAKI, Nagiです。」
「日本式に姓、名の順でお願い致します。」
とキッパリ要望する所だが、
今回は「絶対に」再発行しないと書かれていた、
名札を作り直して頂いたので・・・

「メルシー!(微笑み :D)」
・・・そのまま受け取る。

会場はまだ準備中で、
ザワザワと人が行き来している。

フランス語しか話せない人が多いが、
ナギが日本から来たと知って、
「KONNICIWA(こんにちは)!」
と名札を書いてくれたマダムがまず、
挨拶してくれる。

「こんにちは!」
件の名札を胸に付け、
サロンの会場を歩き出す。

すぐの壁には入選者の氏名が張り出されていた。
ナギの名前もあるのを確認し、
ようやくホッと一安心する。

016・サロン・ドートンヌ「入選者一覧」・510.jpg

○サロン・ドートンヌ入選者一覧
○The list of Salon d'Automne winners.

その後は会場の作品群を見て歩く。
パッと見た印象としては、
『個性』を全面に押し出した作品が、
それぞれ選ばれていたようだ。

技術の巧拙と言うよりは、
「自分の作品はこうだ!」
と言い切った作品群だ。

016・サロン・ドートンヌ「他作品・01」・510.jpg

016・サロン・ドートンヌ「他作品・02」・510.jpg

016・サロン・ドートンヌ「他作品・07」・510.jpg

○他の作家の作品
○The others artists' works.

『それはそうとナギ自身の作品はどこだ?』
少し不安になった会場の「4分の3」地点で、
遂に「KBP(それゆけ甲子園!)」を発見!

ちゃんと中央通路から見える位置に、
飾っていてくれた。

015・サロン・ドートンヌ「KBP遠望」・510.jpg

○中央通路から「KBP」発見!
○I found my "KBP" from the center aisle!

サロンは「写真審査」だから、
実際に見て出来の良くないのは、
通路から見えない位置に、
隠してしまうと聞いていたが、
何とかそれは免れた。

しかし会場「手前」から順に、
評価の高い作品を配するのが通例なので、
決して最高の位置とは言えない。
来年は順位を上げなくては!

フト見ると或る作品前に、
見知った顔が友人と談笑している。
FBで友人の「Chaban El Saiad」だ。

「ナギ?」と訊かれ「イエス!」
握手し抱擁する。

名前の発音がハッキリ理解出来ていなかったので・・・
「ハウ・ドゥ・ユー・プロナンショア・ネーム?」
「シャバン・エル・サイアド。」
・・・との事。

お互いに自作を鑑賞し合い。
作品の前で写真も撮ってもらった。

015・サロン・ドートンヌ「シャバンとナギと自作KBP」・510.jpg

○シャバンとナギ。
○Chaban and Nadi.

シャバンと別れ作品の続きを見ていると、
更に見知った顔に出会う。

人違いを避ける用心のため一応、
「ワッチョア・ネーム?」
と握手した後訊いてみる。
「ベンジャミン」との事。
やはりFBで友人のフランス人だ。

会場の設営に携わって、
細々した最終確認をしていたようだ。
邪魔しないように少しだけ話し、
1つめの仮設展示場を出て、
2つめの仮設展示場に入る。

サロンの仮設展示場は、
全部で2つあり、
1つ目は正規入選作品が、
2つ目は展示作品が、
それぞれ飾られている。

こう書くと正規入選作品の方が、
良いように感じられるが、
展示の方が作品を多く出せるため、
作家の特色が言いやすい所があった。

入選は例えば水彩の場合、
最大でも2点までなので、
むしろ展示場を借りる方が、
正直言えば華やかな気さえした。

ともあれ入選は入選。
自分の価値は自分で増して行かなくては!
来年は更に良い作品を、
飾れるよう最大の努力を払おう。

歩き回ると日本人の方も割合おられる。
ナギの事をウェブを通じて見知っておられた方や、
フィグー社の桐藤さんともお会いした。
それぞれご挨拶をしたり名刺を交換したりする。

午後5時前に入場したので、
シルビーが迎えに来る7時半までに、
しっかりと作品群を鑑賞する事が出来た。

自分の作品は並べて見ると、
まだまだ主張が弱いようだ。

なるほど近くで見ると構図も色調も、
自分なりに良く考えてはいるのだが、
一瞥しただけの人をもハッと惹きつける、
「磁石」のような魅力に欠けている。

磁石のように惹きつけ離さない、
そんな絵をぜひとも描かなくては!

会場ではサロン会長が、
「開会」を宣せられた。

017・サロン・ドートンヌ「会長の挨拶」・510.jpg

○開会を宣するサロン会長
○The president of Salon declared the opening.

が、フランス語なので聴いても解らず、
ちょうど迎えに来たシルビーに、
そのまま付いて行く形で会場を出る。

会場外は月と街が照らし出す、
オベリスクの針が天を突いている。

「月と針と街」の全てが入るように構図を取り、
写真をシルビーに撮ってもらう。

018・メゾン・アルフォードまで・「オダリスク」横位置・510.jpg

○月、針、街、そしてナギ
○Moon, needle, town, and Nagi.

民主主義が機能する国ならば、
私達は世界中の何処であれ行き、
その地に立ち友人と話す事が出来る。
不完全であれ私達の全員が、
「世界市民」だからだ。

兵営から正装した兵士が渡ってくる。
式典があったらしく、
バルコニーは兵士で溢れている。

018・メゾン・アルフォードまで「歩道の歩兵」・510.jpg

○正装の兵士が横断歩道を渡ってきた。
○The full dress soldier was walking across the pedestrian crossing.

「今夜はMaisons-Alfort(駅名)に住む、
友人があなたを泊めてくれるわ。」

シルビーの友人つまり自分にとっては、
一度も会った事の無い、
友人のそのまた友人の家へと、
流れ行く人生の象徴のように、
地下鉄の窓外の闇の中で、
パリ街衢は流れて行く。

(つづく)

++++++++++++++++++++

「サロン・ドートンヌ」を実際に見て、
改めて「強く描く!」事を決意しました。

次回は1月18日(金)に更新予定です。

では!
nice!(11)  コメント(2) 
共通テーマ:アート

nice! 11

コメント 2

カズノコ

「強く描く!」ことへの決意。
「磁石」のような魅力をどのように表現
されるのか、楽しみにしています!
おっしゃられることは、展示会用には、
特に、目立つ要素が必要なんでしょうね。
by カズノコ (2013-01-14 18:41) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます。
ご返事遅くなって済みません。
そうですね「目立つ」要素は、
おっしゃる通りいると思いました。
それは美術の本質で無いようで、
やはり本質だと思うようになりました。

というのは誰もが作品を、
唯一無二のものにしたいし、
絶対的な評価を欲しい訳ですけれども、
「この世の中に比較され無いものは無い。」
というのも確かな真理だからです。

例えば展覧会を見に行くのも、
芸術だからどんな事があっても行くかといえば、
雨が降っていたら行かないし、
自分の用事が忙し過ぎる時は行きません。
それはつまり芸術であれ「雨」や「用事」と、
比較しているわけです。

そんな風に作品は他の作品のみならず、
色々なものと比較されても、
なおご覧頂けるほどに、
強くなくてはいけないと思っております。
by 岩崎ナギ (2013-01-24 18:43) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。