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人物デッサン完成・「モエ」 [デッサン(Dessin)]

004・デッサン完成「モエ」・510.jpg

題・「モエ」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ) F6号

Title / "Moe"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"

◎4月3日から始まる、
神戸市・西区民センター
春期「デッサン講座」。

その1回目の授業、
「人物画・お互いに」のために、
半身像デッサンを描きました。

今回のモデルさんは、
いつも人物画を描きに行っている、
あかつき美術同好会」でのモデルさんでした。

月1回だけ人物画を描く時間を作るのも、
自分の仕事以外の事というのは、
案外しんどいものです。

でも人物を描く能力も、
怠けているとすぐに落ちてくるので、
頑張って出るようにしています。

では以下「指導案」です。
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++++

001・アタリ.JPG

①怖れず塗る

最初は指四角(別プリント参照)で、
構図を決めます。

指四角(指窓)から相手の方を覗いてみて、
指を前後(画面での大きさを決める)したり、
上下左右(画面での位置決め)したりして、
構図を決めます。

構図には色々方法論がありますが、
一言でズバッと言えば、
「余白が美しいのが良い構図」です。

十字線を引いたらアタリを取ります。
十字線とは画面のタテヨコを2分割した線。
アタリとは軽い筆圧で、
大体の形をアタってみる事を言います。

指四角(指窓)の「真ん中」が、
画面中の十字線「真ん中」と対応しています。

この時、多少の形の狂いを怖れず、
かついきなり強い筆圧で描いたりせず、
「影」の部分から「塗る」ように描いていきます。

デッサンとスケッチの違いについても、
様々な論がある事とは思いますが、
当講座では「輪郭線」で描くのがスケッチ、
「陰影」で描くのがデッサン、
と定義しています。
輪郭線に囚われず怖れず塗ってみてください。
 
002・構図の修正.jpg

②手まで入れる

今回の「人物画・お互いに」では、
「手まで入れる」事を条件にして描きます。

芸術に条件は無いのかも知れませんが、
無軌道にやみくもに描いても、
実力が伸びないのも事実です。

特に最初の頃は自分で何らかの条件を付け、
その条件を達成するために、
苦心惨憺する事が、
結局は上達の早道です。

今回「手」を画面内に入れるためには、
全体の「比率」に気を付ける必要が出てきます。

この時「ある場所と別の場所の」大きさを、
比べて見ることが有効な手段です。

例えば自分の親指を測定棒の目盛りとして使い、
「頭」を棒の先端から親指の目盛りまでで、
「1頭身」としてそれを尺度として、
手までが「何頭身」かを測ってみます。

このモデルの方の場合「3.2頭身」位でした。

これは画面上下を4等分して、
その1分割と同じ大きさくらいに、
人物の頭の大きさを設定すれば、
手まで綺麗に収まる事を意味します。

003・Fまで1回目.JPG

③暗い所から描く

最初の項目で「影から描く」事をお伝えしました。
これは「暗い所から明るい所へ描く」、
事を意味します。

上達してくれば明るい所を効果的に、
「塗り残す」事が可能ですが、
最初の内は中々そうはいかないものです。

「画面が真っ黒になってしまうのでは、
ありませんか?」
・・・と訪ねられる方もおられる程です。

そんな時はどうすれば良いのでしょうか?

答は怖れずに真っ黒にしてください。
真っ黒にしてから「消しゴム」で、
明るく「描く(消す)」事は、
それほど難しい事ではありません。

描いたり消したり足したり引いたりしながら、
文字通り「試行錯誤」して、
理屈としてではなく、
「体感」として、
どこを塗り、どこを塗り残すべきなのか、
つかみ取って行って下さい。

004・デッサン完成「モエ」・510.jpg

④全体を見て完成

完成しました。

影から描く(暗い所から描く)と言う時、
同じ明度(明るさ)の所は、
同じ段階で塗る、
という意味も含まれています。

どういう事でしょうか?

例えば髪の暗い部分と、
目の瞳孔と、指の隙間が、同じ暗さなら、
たとえ距離が離れていても、
同じ段階で塗る事を意味します。

目を描いたら鼻、鼻を描いたら口、
という風に近い距離をつなげて、
描く訳ではないのです。

車の運転でも信号の色を見たら、
歩行者が渡ってこないか同時に確認し、
対向車もほぼ同時に確認し、
前の車両との車間もやはり同時に確認します。

運転が下手な人は、
前ばかりを見て運転し急な事態に対応できず、
追突しますが、
運転が上手い人は前述の「たとえ」のように、
全体への目配りが出来ている訳です。

デッサンも全く同じです。

+++++++++++++++++++++++++

・・・以上です。
ご助言頂ければ幸いです。

日一日と春めいてきて、
もう芯から冷えるような寒さはありません。

春期講座の追加募集は、
4月3日(火)の授業開始までは行っています。
デッサン講座は「昼、夜」の部に空きがあります。
ご希望の方は西区民センターまで、
よろしくお願い致します。

次回は4月2日(月)に、
更新したいと思います。
よろしくお願い致します。

では!
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カズノコ

今日はすぐにアクセスできました。
問題ないようです。

プロのナギさんでも、人物を描く月一回の
同好会への参加は大切なんですね。
心掛けを見習わなければと、思っています。

by カズノコ (2012-03-26 14:20) 

匁

デッサン教室は今からでも通うべきなんですね。

了解しました。
と言っても、なかなかできません。
注意するところが
違うからか??。

by (2012-03-27 11:55) 

みなりん

こんにちは!

体調が悪く、病院通いばかりでブログは、なかなか遊びに
いけませんでした。今回はnice! 訪問で失礼致します。
by みなりん (2012-03-27 13:49) 

tromboneimai

とても素敵なモデルさんですね。
優しさがデッサンから伝わってくるようです。
娘が京都の大学卒業しました。昨日とんぼ返りで
卒業式に出席しに行ってきましたが、自分としては一仕事
終わったといった感じです。

by tromboneimai (2012-03-28 21:30) 

岩崎ナギ

カズノコさん→良かったですね!
PCがつながらないのは、
何かと不便なものです。

人物でも風景でも、
描かなければ落ちるだけですので、
それは注意するようにしています。
いつもありがとうございます。



匁さん→東京ではそれこそ、
信じられないくらいたくさん、
教室がありそうですから、
無理なく通えそうな所も、
あるかも知れませんね。
ご自身に合うところを、
選ばれると良いですね。
いつもコメントありがとうございます。



みなりんさん→お体の悪い折、
お越し頂きありがとうございます。
早く良くなると良いですね。
またよろしくお願い致します。



tromboneimaiさん→娘さんのご卒業おめでとうございます!
ものすごく時が経つのは早いですね。
ついこの前、娘さんが京都の大学に通われていると、
お訊きしたばかりのように思います。
今井さんもお忙しい中、
しっかりご自身の義務を果たされて立派です。
この困難の時代に意気高く進んで行って欲しいですね。
by 岩崎ナギ (2012-04-02 07:53) 

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