人物デッサン完成・「モエ」 [デッサン(Dessin)]
題・「モエ」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・318×410(ミリ) F6号
Title / "Moe"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 12.7"×16.4"
◎4月3日から始まる、
神戸市・西区民センター、
春期「デッサン講座」。
その1回目の授業、
「人物画・お互いに」のために、
半身像デッサンを描きました。
今回のモデルさんは、
いつも人物画を描きに行っている、
「あかつき美術同好会」でのモデルさんでした。
月1回だけ人物画を描く時間を作るのも、
自分の仕事以外の事というのは、
案外しんどいものです。
でも人物を描く能力も、
怠けているとすぐに落ちてくるので、
頑張って出るようにしています。
では以下「指導案」です。
よろしくお願い致します。
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①怖れず塗る
最初は指四角(別プリント参照)で、
構図を決めます。
指四角(指窓)から相手の方を覗いてみて、
指を前後(画面での大きさを決める)したり、
上下左右(画面での位置決め)したりして、
構図を決めます。
構図には色々方法論がありますが、
一言でズバッと言えば、
「余白が美しいのが良い構図」です。
十字線を引いたらアタリを取ります。
十字線とは画面のタテヨコを2分割した線。
アタリとは軽い筆圧で、
大体の形をアタってみる事を言います。
指四角(指窓)の「真ん中」が、
画面中の十字線「真ん中」と対応しています。
この時、多少の形の狂いを怖れず、
かついきなり強い筆圧で描いたりせず、
「影」の部分から「塗る」ように描いていきます。
デッサンとスケッチの違いについても、
様々な論がある事とは思いますが、
当講座では「輪郭線」で描くのがスケッチ、
「陰影」で描くのがデッサン、
と定義しています。
輪郭線に囚われず怖れず塗ってみてください。
②手まで入れる
今回の「人物画・お互いに」では、
「手まで入れる」事を条件にして描きます。
芸術に条件は無いのかも知れませんが、
無軌道にやみくもに描いても、
実力が伸びないのも事実です。
特に最初の頃は自分で何らかの条件を付け、
その条件を達成するために、
苦心惨憺する事が、
結局は上達の早道です。
今回「手」を画面内に入れるためには、
全体の「比率」に気を付ける必要が出てきます。
この時「ある場所と別の場所の」大きさを、
比べて見ることが有効な手段です。
例えば自分の親指を測定棒の目盛りとして使い、
「頭」を棒の先端から親指の目盛りまでで、
「1頭身」としてそれを尺度として、
手までが「何頭身」かを測ってみます。
このモデルの方の場合「3.2頭身」位でした。
これは画面上下を4等分して、
その1分割と同じ大きさくらいに、
人物の頭の大きさを設定すれば、
手まで綺麗に収まる事を意味します。
③暗い所から描く
最初の項目で「影から描く」事をお伝えしました。
これは「暗い所から明るい所へ描く」、
事を意味します。
上達してくれば明るい所を効果的に、
「塗り残す」事が可能ですが、
最初の内は中々そうはいかないものです。
「画面が真っ黒になってしまうのでは、
ありませんか?」
・・・と訪ねられる方もおられる程です。
そんな時はどうすれば良いのでしょうか?
答は怖れずに真っ黒にしてください。
真っ黒にしてから「消しゴム」で、
明るく「描く(消す)」事は、
それほど難しい事ではありません。
描いたり消したり足したり引いたりしながら、
文字通り「試行錯誤」して、
理屈としてではなく、
「体感」として、
どこを塗り、どこを塗り残すべきなのか、
つかみ取って行って下さい。
④全体を見て完成
完成しました。
影から描く(暗い所から描く)と言う時、
同じ明度(明るさ)の所は、
同じ段階で塗る、
という意味も含まれています。
どういう事でしょうか?
例えば髪の暗い部分と、
目の瞳孔と、指の隙間が、同じ暗さなら、
たとえ距離が離れていても、
同じ段階で塗る事を意味します。
目を描いたら鼻、鼻を描いたら口、
という風に近い距離をつなげて、
描く訳ではないのです。
車の運転でも信号の色を見たら、
歩行者が渡ってこないか同時に確認し、
対向車もほぼ同時に確認し、
前の車両との車間もやはり同時に確認します。
運転が下手な人は、
前ばかりを見て運転し急な事態に対応できず、
追突しますが、
運転が上手い人は前述の「たとえ」のように、
全体への目配りが出来ている訳です。
デッサンも全く同じです。
+++++++++++++++++++++++++
・・・以上です。
ご助言頂ければ幸いです。
日一日と春めいてきて、
もう芯から冷えるような寒さはありません。
春期講座の追加募集は、
4月3日(火)の授業開始までは行っています。
デッサン講座は「昼、夜」の部に空きがあります。
ご希望の方は西区民センターまで、
よろしくお願い致します。
次回は4月2日(月)に、
更新したいと思います。
よろしくお願い致します。
では!
タグ:西区民センター デッサン講座 人物画 artwork dessin sketch portrait スペードランチ・バーン・アートショー NY個展 100人展 ニューヨーク Solo exhibition Ouchi Gallery ヲウチギャラリー 神戸市立小磯記念美術館 水彩画の栞 大下藤次郎と現代作家に学ぶ透明水彩画 アート 芸術 美術 岩崎ナギ アゴラギャラリー 日本水彩画会 デザイン道場 The New Primitive Declaration 新素朴派宣言 http://ouchigallery.com/4100/27.html フェイスブック潮流 水彩を通じて明るい未来を共有する
今日はすぐにアクセスできました。
問題ないようです。
プロのナギさんでも、人物を描く月一回の
同好会への参加は大切なんですね。
心掛けを見習わなければと、思っています。
by カズノコ (2012-03-26 14:20)
デッサン教室は今からでも通うべきなんですね。
了解しました。
と言っても、なかなかできません。
注意するところが
違うからか??。
by 匁 (2012-03-27 11:55)
こんにちは!
体調が悪く、病院通いばかりでブログは、なかなか遊びに
いけませんでした。今回はnice! 訪問で失礼致します。
by みなりん (2012-03-27 13:49)
とても素敵なモデルさんですね。
優しさがデッサンから伝わってくるようです。
娘が京都の大学卒業しました。昨日とんぼ返りで
卒業式に出席しに行ってきましたが、自分としては一仕事
終わったといった感じです。
by tromboneimai (2012-03-28 21:30)
カズノコさん→良かったですね!
PCがつながらないのは、
何かと不便なものです。
人物でも風景でも、
描かなければ落ちるだけですので、
それは注意するようにしています。
いつもありがとうございます。
匁さん→東京ではそれこそ、
信じられないくらいたくさん、
教室がありそうですから、
無理なく通えそうな所も、
あるかも知れませんね。
ご自身に合うところを、
選ばれると良いですね。
いつもコメントありがとうございます。
みなりんさん→お体の悪い折、
お越し頂きありがとうございます。
早く良くなると良いですね。
またよろしくお願い致します。
tromboneimaiさん→娘さんのご卒業おめでとうございます!
ものすごく時が経つのは早いですね。
ついこの前、娘さんが京都の大学に通われていると、
お訊きしたばかりのように思います。
今井さんもお忙しい中、
しっかりご自身の義務を果たされて立派です。
この困難の時代に意気高く進んで行って欲しいですね。
by 岩崎ナギ (2012-04-02 07:53)