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デッサン完成「大根」 [デッサン(Dessin)]

04・「大根」完成・510.jpg

題・「大根」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・F6号(318×410)

Title "Japanese Radish"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 14.6"×21"

○デッサン「大根」完成しました。

西区民センター「デッサン講座」用ですが、
もうこれで3回目ですね、
「大根」を描くのは。

いつも書くことですけど、
「飽きない」
これが一番です。

大根を100回100本描いても、
100回とも新たな発見、
それに上達があるはず。

ひたすらと無心に見て、
これからも描いていきたいと思います。

そう言えば前回「箱+紙飛行機」で、
「立方体の影の付き方を、
次回のブログで発表します。」
と言いながら忘れてましたね(笑)。
済みません。

立方体・模式図「正解」.jpg

左上から光が射した場合、
面としての明るさに順番を付けると、
「1上面・2左側面・3右側面」
となっています。

更に「角」のある立体で、
(つまり球は当てはまらない)
憶えておくべき法則は、
「最も明るい箇所の隣が、
最も暗い」
です。

こう考えると、
3面の中では最も明るい上面でも、
「光」に近い所が最も暗い事が、
理解できます。

また残る2面でも、
最も明るい上面に接する部分が、
「最も暗い」事も理解されます。

立方体の影の付き方の問題も、
4度出題しましたが、
憶えて頂けましたでしょうか?

ではやはり4度目の出題となる、
「円柱」の光の付き方です。

0001・指導案「円柱の模式図」・510.jpg

断面に関しましては、
前述の法則で、
容易にお答え頂ける事でしょう。

では側面(曲面)は?

それは次回発表いたします。

それでは大根そのものの、
描画手順を見て参りましょう。

前回と同じ内容ですが、
冒頭で述べたように、
大根はやはり新たに描き直しました。

+++++++++++++++++++++++

01「長手方向から線を入れる」.jpg

①長手方向からアタリを取る

十字線を活用しながら、
題材の位置の大体の見当を、
付けていきます。

輪郭線のみを頼りとせず、
陰影を用いて、
立体的に判断します。

この時、長手方向の線から、
入れるのが常道です。

また同時に必ず「影」も、
軽く取り「構図」の一部として、
最初から考慮に入れます。

蛍光灯のような拡散光の場合、
全方向に影が出来がちですが、
「右」か「左」に強調して、
流した方が構図として退屈にならず、
より良いでしょう。

02「短手方向に線を入れる」.jpg

②短手方向に線を入れる

長手方向の対義語は、
「短手方向」です。

主要な線である長手方向の線を、
先に入れるのは前項通りです。

その後、短手方向を絡めます。

この時、機械的に等間隔に引くと、
かえって真実味が薄れます。

今回の大根のように、
自然物は特にそうです。

よく観察して必要と思われる所に、
線を引きましょう。

「必要と思われる所」とは、
具体的にどこか?

それは踏ん張って見ている内に
「ああここか!」と体得されるもので、
文字で説明することはできません。

ただ真摯に見てください。

03「鉛筆の持ち方を工夫する」.jpg

③鉛筆の持ち方を工夫する

写実的なデッサンを描く場合、
題材の「面」の方向に沿う線を、
引いていくのが基本です。
それで立体感を表現します。

しかし鉛筆の先端は細く、
上述の方法だけでは、
陰影を塗り分けるのに、
非常に時間が掛かります。

そこで余り面の方向に、
影響を与えない筆圧の弱い線を、
鉛筆を寝かせて持ち、
「面の方向」よりも「明暗の階調」を、
重視して「塗って」いきます。

細かく描く時には文字を書く持ち方、
大きく弱く塗る時には上記の持ち方、
その中間では3本指でつまむ持ち方、
など鉛筆の持ち方には色々あります。

持ち方も適宜変化させながら、
描いていきます。

04・「大根」完成・510.jpg

④完成

いつも通り全体の明暗関係を崩さず、
完成させます。

項目①から「影」を少しずつ、
描いて頂きました。

ここで注目したい事は、
床面に接している所は「影」も接し、
床面から離れている所は、
「影」も本体から離れている事です。

つまり「影」は題材が置かれている、
状況を示す「手がかり」の役割です。
基礎的なデッサンの場合は、
省かず描きましょう。

またデッサンを描く時のコツとして、
「ものの先端、端、を良く見る」
という事があります。

どちらも力が集中する要点です。

今回もやはり該当の箇所は、
しっかりご覧になって、
仕上げてください。

+++++++++++++++++++++++

次回の更新は11月24日(水)です。

前日11月23日(火・祝)、
「勤労感謝の日」に、
前ブログでご紹介した、
日本水彩「兵庫支部展」の当番に、
13時から16時まで出ておりますので、
その模様などをお伝えしたいと思います。

ではまた!
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広島ピアノ

こんにちは~!
訪問有難う御座いました。
大根のデッサン。
深いですね・・・。
by 広島ピアノ (2010-11-19 12:21) 

tromboneimai

飽きないというのは、大根はきっと基本的なものを
備えているからなんでしょうね。
そういう意味では大根は素晴らしいモデルさん、
大根役者なのでしょうね(笑)

by tromboneimai (2010-11-19 21:29) 

カズノコ

今回も、いろいろ教えて頂き有難うございました。
「飽きないことの心掛け」「角のある立体について」「影の状態ー接していのか・離れているか」「先端等のポイントをしっかり」など。
by カズノコ (2010-11-19 23:00) 

匁

勉強になります。
応用したいです。
by (2010-11-20 09:14) 

岩崎ナギ

広島ピアノさん→おはようございます。
こちらこそいつもありがとうございます。
どんなものでもいささかも飽きる事無く、
繰り返しに耐える事が絵の、
そして人生の本質だと考えております。




tromboneimaiさん→そうですね、
大根に限らず何でもそうなのかな??
と思っています。
もちろん大根は特に飽きるところのない、
種々の美しさが隠れています。
おっしゃる通りの大根役者ですね。
ありがとうございます。




カズノコさん→いつも丁寧にお読み頂き、
ありがとうございます。
大事な事はそう多くはないので、
指導内容はどうしても似てきますが、
作例は必ず更新して、
自身の進歩も促して行きたく思っています。
よろしくお願い致します。




ユウユウさん→ありがとうございます。
ぜひまたご助言下さい。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2010-11-24 09:47) 

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