デッサン完成「大根」 [デッサン(Dessin)]
題・「大根」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・F6号(318×410)
Title "Japanese Radish"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin by Pencil
Size / 14.6"×21"
○デッサン「大根」完成しました。
西区民センター「デッサン講座」用ですが、
もうこれで3回目ですね、
「大根」を描くのは。
いつも書くことですけど、
「飽きない」
これが一番です。
大根を100回100本描いても、
100回とも新たな発見、
それに上達があるはず。
ひたすらと無心に見て、
これからも描いていきたいと思います。
そう言えば前回「箱+紙飛行機」で、
「立方体の影の付き方を、
次回のブログで発表します。」
と言いながら忘れてましたね(笑)。
済みません。
左上から光が射した場合、
面としての明るさに順番を付けると、
「1上面・2左側面・3右側面」
となっています。
更に「角」のある立体で、
(つまり球は当てはまらない)
憶えておくべき法則は、
「最も明るい箇所の隣が、
最も暗い」
です。
こう考えると、
3面の中では最も明るい上面でも、
「光」に近い所が最も暗い事が、
理解できます。
また残る2面でも、
最も明るい上面に接する部分が、
「最も暗い」事も理解されます。
立方体の影の付き方の問題も、
4度出題しましたが、
憶えて頂けましたでしょうか?
ではやはり4度目の出題となる、
「円柱」の光の付き方です。
断面に関しましては、
前述の法則で、
容易にお答え頂ける事でしょう。
では側面(曲面)は?
それは次回発表いたします。
それでは大根そのものの、
描画手順を見て参りましょう。
前回と同じ内容ですが、
冒頭で述べたように、
大根はやはり新たに描き直しました。
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①長手方向からアタリを取る
十字線を活用しながら、
題材の位置の大体の見当を、
付けていきます。
輪郭線のみを頼りとせず、
陰影を用いて、
立体的に判断します。
この時、長手方向の線から、
入れるのが常道です。
また同時に必ず「影」も、
軽く取り「構図」の一部として、
最初から考慮に入れます。
蛍光灯のような拡散光の場合、
全方向に影が出来がちですが、
「右」か「左」に強調して、
流した方が構図として退屈にならず、
より良いでしょう。
②短手方向に線を入れる
長手方向の対義語は、
「短手方向」です。
主要な線である長手方向の線を、
先に入れるのは前項通りです。
その後、短手方向を絡めます。
この時、機械的に等間隔に引くと、
かえって真実味が薄れます。
今回の大根のように、
自然物は特にそうです。
よく観察して必要と思われる所に、
線を引きましょう。
「必要と思われる所」とは、
具体的にどこか?
それは踏ん張って見ている内に
「ああここか!」と体得されるもので、
文字で説明することはできません。
ただ真摯に見てください。
③鉛筆の持ち方を工夫する
写実的なデッサンを描く場合、
題材の「面」の方向に沿う線を、
引いていくのが基本です。
それで立体感を表現します。
しかし鉛筆の先端は細く、
上述の方法だけでは、
陰影を塗り分けるのに、
非常に時間が掛かります。
そこで余り面の方向に、
影響を与えない筆圧の弱い線を、
鉛筆を寝かせて持ち、
「面の方向」よりも「明暗の階調」を、
重視して「塗って」いきます。
細かく描く時には文字を書く持ち方、
大きく弱く塗る時には上記の持ち方、
その中間では3本指でつまむ持ち方、
など鉛筆の持ち方には色々あります。
持ち方も適宜変化させながら、
描いていきます。
④完成
いつも通り全体の明暗関係を崩さず、
完成させます。
項目①から「影」を少しずつ、
描いて頂きました。
ここで注目したい事は、
床面に接している所は「影」も接し、
床面から離れている所は、
「影」も本体から離れている事です。
つまり「影」は題材が置かれている、
状況を示す「手がかり」の役割です。
基礎的なデッサンの場合は、
省かず描きましょう。
またデッサンを描く時のコツとして、
「ものの先端、端、を良く見る」
という事があります。
どちらも力が集中する要点です。
今回もやはり該当の箇所は、
しっかりご覧になって、
仕上げてください。
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次回の更新は11月24日(水)です。
前日11月23日(火・祝)、
「勤労感謝の日」に、
前ブログでご紹介した、
日本水彩「兵庫支部展」の当番に、
13時から16時まで出ておりますので、
その模様などをお伝えしたいと思います。
ではまた!
こんにちは~!
訪問有難う御座いました。
大根のデッサン。
深いですね・・・。
by 広島ピアノ (2010-11-19 12:21)
飽きないというのは、大根はきっと基本的なものを
備えているからなんでしょうね。
そういう意味では大根は素晴らしいモデルさん、
大根役者なのでしょうね(笑)
by tromboneimai (2010-11-19 21:29)
今回も、いろいろ教えて頂き有難うございました。
「飽きないことの心掛け」「角のある立体について」「影の状態ー接していのか・離れているか」「先端等のポイントをしっかり」など。
by カズノコ (2010-11-19 23:00)
勉強になります。
応用したいです。
by 匁 (2010-11-20 09:14)
広島ピアノさん→おはようございます。
こちらこそいつもありがとうございます。
どんなものでもいささかも飽きる事無く、
繰り返しに耐える事が絵の、
そして人生の本質だと考えております。
tromboneimaiさん→そうですね、
大根に限らず何でもそうなのかな??
と思っています。
もちろん大根は特に飽きるところのない、
種々の美しさが隠れています。
おっしゃる通りの大根役者ですね。
ありがとうございます。
カズノコさん→いつも丁寧にお読み頂き、
ありがとうございます。
大事な事はそう多くはないので、
指導内容はどうしても似てきますが、
作例は必ず更新して、
自身の進歩も促して行きたく思っています。
よろしくお願い致します。
ユウユウさん→ありがとうございます。
ぜひまたご助言下さい。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2010-11-24 09:47)