デッサン完成「自画像を描く自画像」 [デッサン(Dessin)]
題・「自画像を描く自画像」
技法・鉛筆デッサン
大きさ・H318×W410(ミリ)・F6号
作者・岩崎ナギ
title / "The Self-Portrait To Draw The Self-Portrait"
technique / Dessin by Pencil
size / H12.72×W16.4(inch)
artist / IWASAKI, Nagi
○「自画像を描く自画像」、
完成しました。
西区民センターで次週、
10月13日(火)より始まる、
「後期デッサン講座」用に描きました。
いきなり言い訳をさせて頂くならば、
鏡の中の自分を観察中のため、
目が鋭いですが真剣だからです。
睨んでるんじゃありません(笑)。
指導案も書きました。
後述いたしますので、
ご助言頂ければ嬉しいです。
ところで昨日早朝は、
凄まじい台風でした。
パン屋の早朝労働に行く、
朝の4時ころが、
一番荒れ狂ってました。
寝る前に阪神淡路大震災より、
枕元に常備している英軍ヘルメットを、
ポン!と叩いて確認し、
『万一の時にはこれをかぶって行かねば。』
と思って寝て起きましたら、
その「万一」でした。
引き裂くような風が鳴き、
何かが吹き飛ぶ音がしています。
看板や瓦の直撃で亡くなった方の事が、
脳裏を走り冗談で無くヘルメット装着。
もちろん傘など到底させず、
腰を低くし頭を押さえ街路を走ります。
ぐわーんと打ち倒された塀が見え、
ぶわりと風が体をめくり上げます。
『店長が来てないのでは?』
と心配しましたが、
流石に来てました。
腹が据わってます。
そこから数量をいつもより減じて、
サンドイッチを作りドーナツを揚げました。
でもレジの女性までは来られない。
だから通常の6時半開店を遅らせ、
8時の開店としました。
昼過ぎには晴れてましたね。
過ぎ行きましたよ台風は、
少なくとも今回は。
では指導案を以下に掲載しますので、
ご高覧よろしくお願い致します。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
①十字線を引く
画面に十字線を引きます。
「十字線」とは、
画面を縦横「2等分」した線です。
題材の配置バランスは良いのか?
画面の上下左右の端は、
題材を含めた空間の、
どこに来るのか?
そこから割り出した、
画面の中心はどこなのか?
・・・など構図(画面の配置)を、
確認、決定するために使います。
②アタリを取る
十字線を利用して、
構図を取ります。
いきなり強い筆圧で描くのは避け、「アタリ」を取ります。
「アタリ」とはごく弱い筆圧を用い、
画面上で形の見当を付ける事です。
バランスの良い位置はどこか、
試行錯誤してみます。
今回は「手」まで入れる、
半身像とします。
作例では頭を少しだけ切り、
「大きさ」を感じさせています。
足など大きく画面から出る所は、
徐々にぼかして画面外に力が、
逃げないように留意します。
「視線側」を「背側」に比べて、
広く取るのが基本です。
画面のタテヨコは自由です。
題材の長手方向で決定します。
構図に決まりはありませんが、
「余白」が美しいのが良い構図です。
余白の確認方法は次項で記します。
③図地反転で構図決定
余白を「図地反転」で確認します。
図とは主要な部分(普通は題材)、
地とはその反対(普通は空間)。
これを白黒で(想像上)塗り潰し、
なお反転させて両方が面白い時、
それが良い構図です。
④明度関係を崩さず進行
描画の進行方法としては、
最も暗い所から最も明い所へと、
部分を一気に仕上げるのを避け、
画面全体を見渡しバランス良く、
数段階に分け完成度を高めます。
では具体的に「バランスが良い」
とはどんな状態でしょうか?
色んな解答がありますが、
一つの解答例として、
「画面全体の明度関係が正しい。」
という答が挙げられます。
具体例を挙げれば、
白い服のシワが気になっても、
髪の毛の方が黒いので、
それぞれの段階でその明度関係を
崩す事なくそれぞれ描いていく、
といった具合です。
ですから同じ明度の箇所は、
場所が離れていても、
同時期に描画します。
「髪の毛」と「黒いTシャツ」を、
同時期に塗ったりするのが、
その例だと言えます。
⑤要所を詰めて完成
前述いたしましたように、
バランス良く進めるというのは、
大変に重要な事です。
しかしながら絵を「仕上げる」
という段階になりますと、
バランスが良いだけでは、
少し、もの足りません。
そこで最終的には、
自分が最も描きたい所や、
絵としての要所を他の箇所より、
より集中して描いて仕上げます。
基本的な人物画に於いては、
「顔」と「手」が要所と言えます。
この人物画もその例に漏れず、
顔と手を他の箇所より段階を進め、
仕上げました。
ここで注意深い方は、
お気づきかも知れませんが、
短い制作時間でも、
画面全体をバランス良く、
また要所の段階を上げれば、
その時間なりの完成があります。
短い時間なら短い時間の、
長い時間なら長い時間の、
完成を目指して描いて行きます。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・・・でした。
前期と同内容ながら、
デッサンは新たに描き、
現場やブログでの反応を踏まえて、
説明の精度を上げられるよう、
鋭意努力しております。
またよろしくお願い致します。
ではまた明日!
台風、そちらはすごかったですよね!
東京は雨・風がすごかったですが、逸れているので・・・
でもあの強さ!
当直中でしたが・・・心配していた雨漏りが・・・(笑)
人物画の要所って、顔だけじゃないんですね。
手かぁ・・・そう言われてみるとそうですね。
バランスだけじゃないんですね。
by ぶぅ (2009-10-09 09:43)
「自画像の描き方」の指導案、
とってもいいと思います。
改めて、メモをとっておきました、
有難うございました。
ところで、ヘルメットを被ってのご出勤、
店長褒めてくれましたか!
ナギさんの心構え、大したもんですね!
by カズノコ (2009-10-09 12:10)
ぶぅさん→いやー想像以上に凄まじかったです。
東京は逸れて良かったですね。
夜中の1時に暴風雨の音で目が覚めましたが、
本当に起きる3時には収まるだろう・・・
と思っていましたが全然反対(笑)。
雨漏りはいやですねー老朽化??
手は大事ですね。
顔は履歴書、手は生き方、ですよ。
バランスにも「満遍なく」と、
「釣り合い」が取れていると、
2種類ありますから今回は「釣り合い」。
by 岩崎ナギ (2009-10-10 04:57)
カズノコさん→ありがとうございます。
カズノコさんにそう言って頂けると、
安心して提出できます。
いつも真摯にお読み頂き、
改めて感謝です。
店長は「いつもありがとう。」
と感謝してくれましたね。
でも後半になると、
忙しいもんだから、
やっぱり少しイライラしてましたね(笑)。
ただ理不尽なことで怒られる事は、
なかったですよ。
by 岩崎ナギ (2009-10-10 04:58)
自我だけではなく背景が重要になってくるんですね
by 差注すたい (2009-10-12 08:29)
差注すたいさん→そうですね。
やや大袈裟に言えば、
自己とその周りの世界との、
関係性を描くのだ、とも言えます。
by 岩崎ナギ (2009-10-13 05:12)