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風景水彩「猪名川」 [風景画(Landscape)]

03・風景一旦完成「稲川」・510.jpg

題・21世紀創世録「猪名川」
作者・岩崎ナギ
技法・水彩
大きさ・410×318(ミリ)6号P

Title / We're creating 21st century "Inogawa"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Watercolor
Size / 318mm×410mm (12.7"×16.4")

神戸市・西区民センター「デッサン講座」と「色鉛筆講座」、
芦屋市・春日集会所「デッサン・水彩講座」用、
水彩画の指導案です。

秋季講座は開始したばかりですが、
季節が進んで寒くなる前に、
今週、風景画を行う事にしました。

講座の方はおかげ様で、
神戸市・西区民センターが2講座で46名、
芦屋市・春日集会所が6名と、
合計52名の方にお越し頂いて、
秋季の開始を見る事ができました。

日本経済は必ずしも良いとは言いかねますが、
民主党期の悲惨な状況よりは、
自分個人の景況感としては若干良いです。
具体的な成長戦略を世界に示し、
より良い日本になって頂きたいものです。

さて「猪名川」は、
神戸からさほど遠くもない、
尼崎より更に少し奥に入った所にあり、
風景が美しく落ち着いた所です。
この時は晩春に行きました。

コシアカツバメと山の間にかかる、
靄(もや)が印象的で、
その2つに蓮池を見る点景人物を加え、
本作としました。

では以下指導案です。
よろしくお願い致します。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

01・風景「第一段階」.JPG

1・風景画は切り取る事で始まる

屋外で風景画を描く場合どこを切り取るかが、
最初の問題となります。

当然ではありますが空間自体に限りはなく、
切り取る事で初めて絵として成立します。
どう切り取ったかで意味が生まれるのです。

ですから実際の風景を眺めた時に例えば、
「ビルとビルの間の並木道が面白い」とか、
「駅前で大勢が行き来するのが面白い」とか、
作例は「蓮池上の燕の飛行が面白い」とか、
感興を覚えた「もの・こと」を構図の中で、
伝えられるように創意工夫して行きます。
つまり「主題の設定」です。

この時に注意すべき事は主題の数を多くせず、
一つに絞りその主題に集中し表現する事です。
全て語ろうとすると曖昧な絵になりがちです。

02・風景「第二段階」.JPG

2・構図の決定

前項で主題を設定する事を最初に置きました。
主題に伴って決定されるのが構図です。

主題に適う場所を指窓やデスケールで切り、
十字線を当てはめ「真ん中と上下左右」が、
画面のどこに来るかをキチンと把握します。

あとは計り棒(鉛筆)で「或る箇所」と、
「他の箇所」の位置関係が相対的にどうか、
常に確かめながら描き進めます。

一部だけを進めて他の箇所が進まない、
「部分描き」は極力避けます。
絵は画面全体で「一枚の絵」ですし、
描画時間が限られている時ほど、
全体を把握してから進める方が、
一枚の絵である部分が時間内に求められる、
描画密度を超えて描かれる事を防ぎ、
結果として時間を節約できます。

03・風景一旦完成「稲川」・510.jpg

3・主題の強調

前項までの主題や構図にも通ずる事ですが、
構図の構成要素に主題を明確にするものを、
描き加え他の事物よりも強調して表現すると、
絵の焦点が絞られ伝わりやすい絵となります。

作例なら「燕、池を指す人物、靄」など、
最初に感じた感興を伝える助けとなるものを、
他の要素よりもシッカリ描きました。

これらの強調すべき要素は描画が難しくとも、
こだわりを持ち強い意志で描き切ります。
その時点での上手下手は関係ありません。
主題を強調しようとする意志とその行為とが、
絵をその時の段階に応じて引き締める訳です。

また動物、人、雲などはいずれも動くので、
主題の強調に限らず構図の動きを増す事にも、
役立ちます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

・・・です。
いつもご覧いただき、
ありがとうございます。

次回は11月17日(月)に、
更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
タグ:猪名川 https://www.kobe-bunka.jp/course/center-list.php?cid=7&q=&p=1 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=422 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=423 アゼルバイジャン Azerbaijan トルコ Turkey アート 芸術 美術 岩崎ナギ サロンドートンヌ パリ Salon d'Automne Paris NY個展 100人展 ニューヨーク  Solo exhibition Ouchi Gallery ヲウチギャラリー ノエビアスタジアム神戸 川田画廊 KAWATA GALLERY  個展 private exhibition The New Primitive Declaration 新素朴派宣言 フェイスブック潮流 「岩崎ナギ目的」 世界一明るい水彩を通じて、 世界一明るい希望を共有し、 自己、他者、社会を心から明るくする事で、 世界一の愛を3者で実現していく。 アゴラギャラリー 日本水彩画会 100周年記念 デザイン道場 LIVING & DESIGN 2012 ACDC Gallery Re:novel 実用新案 patent   インボルダ  iNbolda bolda ボルダ 丸一興業 http://bolda.jp/case/【折りたためる額縁】インボルダ 第25回 日本の自然を描く展 優秀賞 http://renovel.org/works/iwasaki.html http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=20171 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=25194 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=32019 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=53241 デッサン 鉛筆画 素描 dessin sketch 色鉛筆 水彩 colored pencil watercolor 神戸市 西区民センター 色鉛筆講座 デッサン講座 美術教室 芦屋市 春日集会所 http://iwasakinagi.wix.com/iwasaki-nagi-web http://www.koiso-museum.jp/2011/09/開催中の大下藤次郎/
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カズノコ

最初に感じたことは、夢のような幻想的な見事な世界だ、
ということでした。これまでの先生の作風と違うのかなと!

指導案を読んでわかりました。主題が「靄(もや)」も入って
いること。今回、参考になったことは、「主題の設定」の
重要さと、一つに絞りこむこと。これまで、何でも描いて
仕舞って、何が主題なのか不明なことがほとんどでした。
この教えを活かしていきたいと思っています。
ありがとうございました!
by カズノコ (2014-11-11 23:12) 

岩崎ナギ

カズノコさん→ありがとうございます!
先生ではないかも知れませんが、
お褒めの言葉素直に嬉しいです!

靄ですね、今回は不定形のもので、
描くのは難しく感じましたが、
技術的に完全な解決策はないにしろ、
この一帯の雰囲気を示す重要な要素、
また主題の一部として、
省かずに入れました。
岩崎ナギ自身も「あれもこれも」と、
入れてしまいがちなので、
今回は自戒の意味を込めて、
絞る重要性について書きました。
by 岩崎ナギ (2014-11-12 08:20) 

匁

生徒さん52名は現場で描かれたんですか?
写真から描かれたんですか?

主題から構図、切り取り、詳細、背景を決めるんですね。
とかく、現場に行くと、描画時間、天候などが
気になって忘れてしまっています。
肝に命じたいです。
by (2014-11-13 09:46) 

岩崎ナギ

匁さん→ご質問ありがとうございます!
生徒さんは、神戸の朝、昼は西区民センター付近、
それに芦屋は土曜日にファッション美術館周辺と、
3講座それぞれ別々に描いて頂いています。

主題を決めてから描く方法もありますし、
やはり野外ですから、
おっしゃるように描画時間、天候など、
外的要因から決める場合もあって良いと思います。
特に屋外の制作は、
「出来る事を最大限行う。」
という側面も強いですね。
by 岩崎ナギ (2014-11-13 20:50) 

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