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サロン・ドートンヌ2014・2話「リクエスト」 [旅(Travel)]

003・ドーハ空港内ぬいぐるみ・510・4618.JPG

ドーハ空港内のぬいぐるみ!
The bear of stuffed toy in DOHA airport!

◎出発の日16時に、
2週間前に梱包済の作品へ、
引っ張るためのヒモを巻き、
廊下を引っ張る。

『???』突如ロウバイする。
引っ張った時の重さが、
想像よりも遥かに重いのだ。

作品は額を含めて「11.3キロ」。
これは何度も量ってあるから間違いない。
そして作成して頂いた強化カートン箱は、
少なくとも見積もりメールでは「4~5キロ」。

重い方の「5キロ」で考えても、
「約17キロ」。

カタール航空エコノミー受託手荷物の、
総重量は「30キロ」だから、
もう1キロ余分を見ても残り「12キロ」が、
「衣類等」の別荷物として預けられる訳だ。

ところが引っ張った強化カートン箱は、
「約17キロ」どころではなく、
どう控え目に推量しても、
20キロは超えている。

体重計に載せてみると、
果たして「約24キロ」!
つまり強化カートン箱自体の重さは、
「12キロ」ほど。

「見積もり」の重い方5キロでも「2倍超」。
軽い方4キロなら実に「3倍」だ。

作成を依頼した梱包屋は、
もちろん長年の経験から、
完成して持った瞬間に判っただろう。
だが恐らく売れなくなっては困るから、
黙って引き渡したのだろう。

このようにして「3つの難題」の内、
最後の1つの姿が次第に明瞭になってきた。

『この作品をパリまで実際に運び、
そして展示可能なのか?』
という根本的な問題だ。

もしこれが解決できないならば、
パリには「観光旅行」として、
行くハメになるだろう。

「各自が夫々の責任を果たさなければ、
民主主義は回らないんだっっー!」
1人で叫びながら、
兎も角も現実面では、
手荷物の重さを「半分」に減らし始める。

「スーツケース」を止め、
「キャリーバッグ」に・・・

「携帯イーゼル」を諦め、
「腕鎮(腕を運筆用に載せるもの)」も置いていく・・・

持ち込み用「中リュック」に、
別の「小リュック」をヒモで括り付け、
「2個イチ」にして、
「機内持込み1個」を達成する。

結局「キャリーバッグ」に積み替えた、
作品を除く受託手荷物は「5キロ」。
作品が「24キロ」だから・・・
合計「29キロ」。
辛くも「30キロ以内」を突破した。

運送屋さんの植さんは、
約束より15分早い、
18時45分に到着する。

自分自身の用意がまだで、
約束の19時まで待って頂き、
更に2分超過して19時2分に出発!

空港で2台の台車を借り、
植さんと建物内に引っ張り込む。
中国人らしき旅客も手伝ってくれる。
「サンキュウ!」

カタール航空のカウンターに行くと、
職員が余りの大きさに眉を顰める。
「大きさは計っておりますか?」

「170+170+20=360で、
3辺の和は412センチ以内です。」

カタール航空の規定では、
3辺の和412センチ以内、
合計重量30キロ以内、
となっている。

「計ってみます」と女性職員。

上級職員らしき男性も近づいて来る。
少し怒っている様だ。

「これだけ大きな荷物を積む、
『リクエスト』はされていますか?」
「いえ、しておりません。」

「確かに規定上は412までは、
お受け出来ますが、
荷物状況によっては、
リクエストをお受けしていない場合、
積めない恐れがあります。」
「はい。」

「それに規定以内であっても、
航空機の扉から搬入出来なければ、
そこで止まってしまいます。」
「はい。」

「更に美術品だからといっても、
他の航空手荷物と同じで、
損傷しても何の保証もありません。」
「はい。」

「最後にヒモを掛けておられますが、
この1本だけでは開く可能性があり、
このままではお受けできません。

空港内にパッキング・サービス等ありますので、
そこでテープなどで留めてください。」

「ヒモが1本なのは、
中身を検分して頂く事を、
前提にしたもので、
箱の中に更に『PPバンド』が入っています。」

「『PPバンド』とは何ですか?」
「引っ張って締めるヒモです。」

『ご存知ですか?』という風に植さんを見る。
「ここで付けましょう」と植さんが言ってくれる。

そこで2人で許可を得て、
その場で『PPバンド』を付ける。
ところが2人とも付け方を知らない!

植さんも扱った事は無く、
ナギもクロネコのバイトで、
使った事はあるも忘れており、
しかもこの『PPバンド』は、
梱包屋が付けたもので、
様式が異なっている。

運ぶ約束だけだった植さんを、
巻き込みながら方法を探り、
ついに2人とも理解して、
『PPバンド』は絞められた。

「ご協力頂いたようなので、
そのままお預け頂いて大丈夫です。」
上級職らしき男性も機嫌を直す。

新たにお伝え頂いた情報では、
「大阪→ドーハ」間は運べるが、
「ドーハ→パリ」間は約束できないとの事。

ともあれ不安を抱えたまま、
植さんにお礼を言って別れ、
ドーハ行きに乗り込む。

001・関空出発前・510・4616.JPG

約10時間の飛行の後、、
ドーハに到着する。

搭乗口はC-26と告げられるも、
最終的にB-3に変更。
そのB-3で明けて行く空の下、
荷物が機に積み込まれるのを見守る。

004・ドーハ空港C-26搭乗口・510・4621.JPG

005・ドーハ空港B-3搭乗口・510・4624.JPG

果たしてあの中に、
パリで展示する作品は、
無事に含まれているのか?

何の保証もなく、
パリ行の便に乗り込んだ。
(つづく)

002・ドーハ到着・510・4617.JPG
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匁

パリに展示。
大変な様子、よくわかります。
重量は体重計が一つ有れば良かったですね。
0.5kg単位まで読み取れる機種もあります。
ほんとにご苦労様です。


by (2014-11-06 09:06) 

岩崎ナギ

匁さん→いつもありがとうございます!
箱だけが来た時に、
早速体重計に載せてれば、
こんな事態は防げたのですが、
梱包屋さんの見積もりを疑うことすら無かったもので・・・
「だろう運転怪我のもと」です。
いつも心したいと思っています。
by 岩崎ナギ (2014-11-06 09:23) 

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