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アゼルバイジャン記5話「ミスター・マーディー」 [旅(Travel)]

005-001・展覧会準備「赤ジュータン」.jpg

+展覧会準備
+The preparation of our exhibition.

○朝は4時におきる。
ヒゲをそり水を飲む。

石ころだらけの河原を走る。
外はまだ暗いが、
空手を始める頃には明けてくる。

005-002・外はまだ暗い。.JPG

005-003「明けてくる」.JPG

着替えてレストランで食事を取る。
コーヒーとパンとリンゴを外で食べ、
中に戻るとパーク氏の奥さんも食事していたので、
一緒に食べる。

005-004「朝ごはん」.JPG

005-005「朝ごはん」.JPG

『夫を知らないか?』
『まだ眠っているんじゃないですか?
今回は部屋も別室ですし判らないです。』

パーク氏夫人(韓国は別姓だからパーク姓では無いけれど)は、
発音は滅茶苦茶だが英語は話せる。
やはり滅茶苦茶であろうと無かろうと、
対話できるならした方が良いだろう。

フロントに8時30分に行き、
事務局の人に質問。

『アメージング・パークという所に行くそうだが?』
『それは昨日の「ギャバランド」と同じ件だ(笑)!』

結局ナギの勘違いでお互い大笑いになる。
昨夜のドンチャン騒ぎの集合時間を、
今朝の見学の集合時間と間違えていたのだ。

ついでに事務局の人に、
『額(インボルダ)をペタンコ(平面)状態で送っており、
2作品分を組み立てるために、
会場に1時間くらい早めに到着しておきたい。』
と予めお願いしておく。

部屋に帰ってしばらくすると、
早速電話がある。

『下に車を出しますから、
スグ乗ってください。』

急ぎフロントに行くと、
やはり英語の解らないおじさん(先日とは別の人)が、
身振りで会場まで連れて行ってくれる事を示す。

005-006「タクシーで飛ばす」.JPG

浅黒い肌を持つおじさんの運転で、
「カルチャー・センター」に到着する。

『小一時間ほど掛かる』
と指で1を作り時計を指すと、
『待つから大丈夫。』
とおじさんは車と自分を指し示す。

国旗が立ち並び、
赤ジュータンも準備中の会場に入り
(作業員の人がピース・サインを送ってくれた)、
展示場所に急ぐ。

会場では頭の少しハゲた、
たとえ地球上のいかなる場所であれ、
見誤る事無く「現場監督」であると、
即座に理解できるおじさんが居て、
この人に話しかけて展示場所に案内して頂く。

この「ミスター・マーディー」も、
英語は喋れないが、
「ウン、ウン、ウン」と複数回うなづく、
日本の職人さんに共通したクセを持ち、
意思疎通が容易な人であった。

しかも「KSF Kobe Safe Farm(作品名)」のところに来ると、
驚くことに「組立指示書」はおろか、
部材と部材を留める「プラネジ」さえ、
渡していないのに(ナギ自身が組立てるつもりだったため)、
どうやったのか「インボルダ」が、
ちゃんと組みあがっている!
流石は「現場監督」だ。

その驚きを包み隠さず表現すると、
ミスター・マーディーは「ウン、ウン、ウン」と、
得意げに「KSF」の傍らに立ってみせる。

『アッ!でもマット構造は逆に入れてます。』
『オー・リバースサイド!』と断片を理解したミスターと、
気息を合わせてマット構造を入れ直す。

しかも作品の大きさを事務局が間違えて理解し、
インチ記号( " )を付けて寸法を送ったのに、
センチ( cm )と捉えていたため、
およそ半分の広さしか用意されておらず、
急遽、誰かの「作品輸送箱」に載せられ、
コンサート・ホール前に置かれていた。

『早急に展示台を替えて欲しい(身振り)』
「ウン、ウン、ウン」

次は「佐渡のたらい舟・グッゲンハイムを全ての人に」だ。
こちらは組立てていなかったため、
ミスター・マーディーと協業して組立てる。
吊り下げるヒモをホテルに忘れたが、
それも何処からか都合してくれた。

「たらい舟」用「インボルダ」の組立ては、
そんな具合に急展開で進行して行くが・・・
『アッ!ミスター・マーディー「フチ構造」は裏から留めないと。』

9割がた出来上がっていたのに、
「素人」からのダメ出しを喰らい、
ミスター・マーディーはヘソを曲げ・・・

『この方法で「KSF」も組立てたのに。』
と全身で不満を表現して、
それ以降は手伝ってくれなくなる。
「現場監督」は己の仕事に誇りが高いのだ。

しかし「ミスター・マーディー」がどうあろうと、
自分の作品展示に妥協は有りえ無いので、
1人で最初から組み直す。
そもそも「インボルダ」は1人で組める構造だ。

組上げた「たらい舟」を、
ミスター・マーディーの所まで運び、
『じゃ後はお願いします!』
「ウン、ウン、ウン」

005-007・飾られている「たらい舟」・510.jpg

駐車場で待っていてくれた、
肌の浅黒いおじさんに、
「エブリシング・イズ・オーケイ!」と伝え、
車はホテルに帰る。

食事をしてシャワーを浴び、
簡易的な服装ながらタイを締める。
フロント前に集合すると、
それぞれの作家がそれぞれに盛装している。

いよいよ展覧会が始まるのだ!

(つづく)

+++++++++++++++

005-008・盛装の作家たち・510.jpg

「アゼルバイジャン記」5話です。

「ミスター・マーディー」のような、
一目見ただけで職業が判る方が、
世界中におられますね。

ところで、第101回「日本水彩展」は、
ブログでのご交流のある4名の方に、
お出かけ頂きました。
ありがとうございます!

それぞれの方に頂いた写真を、
自作、KSF「今日こそ・・・」の入選記事に、
追加する形で掲載しておりますので、
こちらの「リンク」からご覧下さい。

改めてありがとうございました!

次回の更新日はトルコのWEB環境が判りませんので、
確定していません。
インターネット環境があるようでしたら、
更新いたします。

ではよろしくお願い致します!
タグ:実用新案 patent   インボルダ iNbolda bolda ボルダ 丸一興業 http://bolda.jp/case/【折りたためる額縁】インボルダ 第25回 日本の自然を描く展 優秀賞 日本芸術センター第6回絵画公募展 入選 The New Primitive Declaration 新素朴派宣言 フェイスブック潮流 水彩を通じて明るい未来を共有する アゴラギャラリー 日本水彩画会 100周年記念 アニメフェア関西 関西のクリエイター展 デザイン道場 LIVING & DESIGN 2012 ACDC Gallery Re:novel アゼルバイジャン Azerbaijan トルコ Turkey アート 芸術 美術 岩崎ナギ サロンドートンヌ パリ Salon d'Automne Paris NY個展 100人展 ニューヨーク  Solo exhibition Ouchi Gallery ヲウチギャラリー オハイオ Ohio ハドソン・ギャラリ HUDSON GALLERY メリット賞 Merit Award ノエビアスタジアム神戸 川田画廊 KAWATA GALLERY  個展 private exhibition デッサン 鉛筆画 素描 dessin sketch 神戸市 西区民センター デッサン講座 美術教室 芦屋青少年センター Architectural Award 2012 Nominee 1662. What is “iNbolda”? http://www.art-center.jp/ http://www.archiaward.com/2012.php?l=E&m=8&theme=15&Obj=1662&pos=15] http://renovel.org/works/iwasaki.html http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=20171 http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=25194 https://www.kobe-bunka.jp/course/center-list.php?cid=7&q=&p=1 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=422 https://www.kobe-bunka.jp/course/detail.php?csid=423
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匁

トルコへお気をつけてお出かけください。
アゼルバイジャンに続いて
トルコでの記事を待っています。

by (2013-06-17 09:05) 

岩崎ナギ

匁さん→ありがとうございます!
今頃バタバタ準備中です。
明日は教室があるので、
結局当日の用意になりそうです。
また記事をご覧頂けるのが楽しみです。
よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2013-06-17 16:34) 

桜貝の想い出

読んでいるだけでワクワクします。
by 桜貝の想い出 (2013-06-23 23:12) 

岩崎ナギ

桜貝の想い出さん→ありがとうございます!
また続きも少しずつ書いていきますね。
ご返事が遅くなって済みません。
またよろしくお願い致します!
by 岩崎ナギ (2013-07-01 08:32) 

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