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デッサン完成・21世紀回顧録「グッゲンハイム」 [デッサン(Dessin)]

04・デッサン完成「グッゲンハイム」・510.jpg

題・21世紀回顧録「グッゲンハイム」
作者・岩崎ナギ
技法・鉛筆デッサン
大きさ・H273×W190(ミリ)P3号

Title / The 21st century memoirs "Guggenheim"
Artist / IWASAKI, Nagi
Technique / Dessin
Size / H11"×W7.6"

○神戸市・西区民センター「デッサン講座」、
次週は「風景」です。

今回指導案用に描いたのは、
ニューヨークの「グッゲンハイム美術館」です。
今年の3月4日、
自身の展覧会の合間に行きました。

フランク・ロイド・ライトの建築です。
1959年の完成という事で、
もう半世紀以上前の建築ですが、
螺旋形を活かした、
「かたつむり」みたいな構造は、
いまだに新しさを感じさせます。

この時泊まった旅館から、
歩いて15分ほどだったと思います。
ごく近くなのでのんびりと行きました。

周りは「普通」のビル街で、
埋め込まれたようにこの美術館があり、
「(道を)行き過ぎたかな?」
と思って振り返ると、
この建物を見たという、
漫画のような展開でした。

ナギは今までカンディンスキーの真価を、
十分に理解していませんでしたが、
この建築のお陰で、
突然にそして激しく強く、
深々と理解する事が出来ました。

やはり絵も建築に合う合わないがあり、
少なくともカンディンスキー、
そしてマルクの絵は、
グッゲンハイムに素晴らしい適合具合で、
正直言ってカンディンスキーで、
ここまで感動するとは思っていませんでした。

兵庫県立美術館の安藤忠雄建築では、
全くピンと来なかったのですから、
「場」の重要性を改めて感じます。

1階の椅子(というか建築の一部の出っ張り)に座り、
3号の画用紙にデッサンを取りました。

5時間ほどもいたでしょうか?
お尻が痛くなり、
自然光が暗くなり始めたので帰りました。

やはり写真では、
目と角度も明暗も違うので、
なるべく多くの時間を、
実際に見ることは大事だと感じます。

現地でしっかり構図と概略を決めた後、
日本で写真を見て仕上げました。

隣に座っていた、
何人か解らない観光客(?)の女性を1階に、
それから実際にはありえない、
自分自身の肖像を、
3階部分に入れました。

自分の姿は、
アゴラの展覧会場で、
他の方に撮って頂いた写真から、
画面上で合成したものです。

「建築と人との有機的(感情的)結合」
を表す事を目的に、
このデッサンを描き、
続けて水彩版を作ろうと思います。

では以下指導案です。
よろしくお願い致します。

+++++++++++++++++++++++++

01・風景だけのアタリ.jpg

①よく測る

風景の構図を取る時、
大事なのはやはり「十字線」です。

「指四角(指窓)」(1回目参照)で、
風景を画面の比率に切り取り、
構図を把握します。

また「指四角」の中心点が、
「十字線」の中心点と同じです。

十字線を使って構図を取る場合、
把握しておくべき位置は、
画面の両端と上下端です。

また適宜「測定棒(鉛筆など)」を用い、
「この塀の切れ目から、
上に垂直線を(想像上)伸ばしてみると、
建物の他の部分では、
どこに当たるか?」

・・・など、
「ある部分」と「他の部分」の、
「位置関係」をよく測っておきます。

02・共通する線を引く.JPG

②共通した線を入れる。

建築は様々な細部を持ちます。

しかし最初に線を入れる時は、
その細部に一々反応して、
線を細分化するのではなく、
例えばグッゲンハイムの場合、
各階の円筒部分に共通する線を、
全ての階に同じ描線で入れ、
大きな「流れ」を把握します。

また陰影の付き方が、
「立方体」や「球」、
それに「円筒」の回で、
学習した影の応用である事に、
お気づきになれば、
描画時間の短縮が可能です。

03・点景人物を配する.JPG

③点景人物を入れる

意図として人物が必要ない場合は、
無理に入れる必要もありませんが
点景人物を入れられる方が、
画面に動きが出やすいでしょう。

人物は動いてしまうので、
個別にスケッチを取るか、
写真を撮られて画面の中で、
合成されると良いでしょう。

画面のある位置での、
点景人物の比率が解らなくなったら、
大体同じ位置に別の人が来た時に、
周りの風景との比を測定棒(鉛筆)で、
測られると良いでしょう。

人の他にもバスや列車など、
その場所を端的に表すものは、
描かれても良いでしょう。

但し写真は角度が変わったり、
最も明るい所と最も暗い所は、
かなり潰れてしまうので、
なるべく実際に見て描くことを大切にします。

04・デッサン完成「グッゲンハイム」・510.jpg

④完成

その場の「空気」を大切にして完成します。

作例の場合であれば、
展示してある絵と、
その土台である建築と、
そして鑑賞者である人との、
融合、融和した空気を、
捉える事を目標に置きました。

目標に従って、
入れる線、構図、
強調する事物、
逆に省略する事物も、
順位付けと選択が、
可能になると思います。

+++++++++++++++++++++++++

・・・です。
ご高覧ありがとうございます。

そして上記とは関係ありませんが、
一昨日は「甲子園」に応援に行きました。

11年7月13日「ジェット風船」・510.jpg

行った甲斐あってか???
阪神が巨人に1-0でサヨナラ勝ちを収めました。
巨人ファンの方、
広い心でご容赦頂ければ幸いです。

次は7月22日(金)に更新予定です。
よろしくお願い致します。

では!
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コメント 3

匁

六甲颪の大合唱
良かったですね。
by (2011-07-16 08:41) 

カズノコ

デッサンの大きさが3号とは、驚きです。
ずっと、おおきく見えますから!
指導案で、「その場の空気を大切にする・・・」
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目標を決めてそのように描いてみたいものです。


by カズノコ (2011-07-17 14:55) 

岩崎ナギ

匁さん→ありがとうございます。
この日もピッチャーを替えるのが遅く、
同点にされたのですが、
榎田が粘りに粘ってサヨナラでした。
ただ榎田はTVで見ているとさほどでもありませんが、
実際に見ると一投と一投の間が長いんです!
あれでは打者に読まれます。
満塁のピンチを凌ぎましたが、
一つには榎田自身も原因です。




カズノコさん→ありがとうございます。
街歩きで10号を持ち歩くのは、
中々大変ですし、
外国となれば航空貨物制限もあります。
それが3号ぐらいだとリュックに入り、
両手は空くので助かります。
街角を描くのは手軽が一番ですね。
描きたい場所でサッと取り出し、
その場で描き出す。
それが「その場の空気を大切にする」
に繋がってくるものだと考えています。
by 岩崎ナギ (2011-07-22 05:38) 

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