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「フラワーロード」デッサン6回目 [習作(Study Work)]

フラワーロード・デッサン・01-06.jpg

「フラワーロード」デッサン6回目
鉛筆デッサン
岩崎ナギ

6st Study of "Flower Road Kobe"
Dessin by Pencil
IWASAKI, Nagi

○「フラワーロード」デッサン6回目です。
あと1回付け足して7回で、
何とかデッサン完成に出来ないか、
頑張っております。

いつも通り三宮の、
ギャラリーリーフの2階で、
描かせて頂きました。

この日はもう真夏日。
窓から照りつける陽射しが、
ジリジリと肌を焼きます。

しかしそんな苦しみの中、
集中して描いたせいか、
今まで解らなかった、
葉の生い茂った樹の描き方が、
ずいぶん解ってきました。

葉がたくさんある場合、
まず「塊(かたまり)」を取って、
それを小割していく、
というのが常道と思います。

その「小割」の仕方が、
今一つ解らなかったのですが、
「3B」などの濃い鉛筆で、
筆圧を変化させ抑揚を付けることで、
葉らしい感じが出てきました。

絵の解決方法は幾つもあるので、
これ一策が正解ではないでしょうが、
正答の一つに加えても良いと思います。
日本画が筆の圧で抑揚を取るのと、
やや共通するものがあります。

昔「ルアン先生にはさからうな
という本を読んだ事があります。

ミッシュエル・ファイファー主演映画でも、
知られていますが原作本ですね。

海兵隊出身でしかし、
戦闘部隊ではないから、
それほど強くもないけど、
でも諦めない強い意志を持つ女性、
それがルアン先生。

そのルアン先生に先輩の男性教師が、
助言した言葉が印象的でした。

「人間には3種類ある。

言葉で理解できる人間。
視覚で理解できる人間。

そして行動して初めて理解できる人間。
それが君(ルアン先生)だ。」

という言葉です。

これには色々な意味の理解を、
見いだす事が出来ました。

一つには自分もやはり、
「行動して初めて理解できる人間」
であること。

もちろん人間は複合的だから、
この3種類が何割かずつ混じり合って、
人柄を形成しているのだと思います。
でもやはり基本的には自分は行動の人。

そしてもう一つ理解したのは、
「絵は非言語的な伝達手段だから、
説明しなくて良い。」
という考え方が一面的なものである事。

大体「絵は説明しなくて良い。」
の考え方の人は、
もとから美術が得意だったり、
絵を専門としていたり、
その周縁の関係者だったり、
「見て解るのが当たり前の人」。
つまり「視覚で理解できる人間」。

でも世の中には、
説明されて初めて解る人、
つまり「言葉で理解できる人間」型の、
人も多いわけです。
あるいは行動の人も。

だから「絵は説明しなくて良い。」は、
絶対に間違いとまでは言わなくとも、
だいぶん狭量な考え方である、
とも言えます。
他の2つの人柄を認めない点において。

それに気付いてからナギは、
絵について努めて、
説明するようにしてきました。
また体験を勧めるようにしてきました。

料理人が出した料理を、
「食べたら解るだろう!」
と言わずに、
「このスズキはどこそゝで獲れて、
掛けているクリームの作り方はこれこゝ。」
と説明するのと同じですね。

その方が美味しく感じるから。

デズモンド・モリスが、
マンウォッチング」で、
ゴッホの「カラスのいる麦畑」を、
何の説明もせずに見せた後、
「これはゴッホが死の5分前に描いた絵です。」
と説明すると全く違う感慨がある、
と記していたのも同じ伝だと思います。

そんな風にいろんな事を気付かせてくれた本、
「ルアン先生にはさからうな」。

一冊の本によって、
自分が今まで何となく感じていた事が、
明快に理解できる時ってありますね。
この本が正にそうでした。

あと話題が2つになって済みませんが、
今日27日(日)までやっている、
日本の自然を描く展」の西日本展、
ようやっと見に行く事が出来ました。

ナギの「王子動物園」は、
以下のような展示でした。

「王子動物園」原田の森展示.jpg

上作品
題・21世紀回顧録「神戸市王子動物園」
作者・岩崎ナギ
入選

The work of the upper section;
title / The 21st century memoirs "Kobe-shi Prince Zoo"
artist/ IWASAKI, Nagi
Winning Work

下作品
題・「友だち」
作者・池田與志
入選

The work of the lower section;
title / "Friends"
artist/ IKEDA, Tomoshi
Winning Work

池田さんの作品はお洒落な感じでしたね。
良い方と並べて頂いたと思います。
なお「與志」を「ともし」と、
読ませて頂きましたが、
万一誤読の場合、
これをもしご覧でしたらお知らせ下さい。

入賞作品でナギが気に入ったのは、
以下の作品でした。

増田力也「海が聴こえる・やわらかい光」.jpg

上作品
題・「海が聴こえる」
作者・増田力也
入賞

下作品
題・「やわらかい光」
作者・増田力也
入選

The work of the upper section;
title / "Hearing the Sea"
artist/ MASUDA, Rikiya
Prized Work

The work of the lower section;
title / "Gentle Light"
artist/ MASUDA, Rikiya
Winning Work

構成がとても良い。
塗り方も魅力的でした。
会場で一番気に入りました。

この展覧会は撮影自由でしたので、
良い作品としてご紹介させて頂きましたが、
もし作者の意図に反する場合、
お知らせ下さい。

他にも魅力的な作品が、
多く出品されていましたが、
1記事があまりにも長くなるので、
割愛します。

今日の午後3時までですね。
時間がありませんが、
ご覧頂ける方ございましたら、
よろしくお願い致します。

来年は入選ではなく、
入賞をめざして頑張ります。

明日はパン屋の早朝労働ですので、
一日ブログはお休みします。

火曜日にまたお会いしましょう。
では!
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よしあき・ギャラリー

デッサンは、現場の空気、暑さを感じます。
降参です。 ^^)v

「見れば分かるだろう」と言いがちですが、説明一つによって、鑑賞が随分違ってくることが、よく分かりました。気をつけなくては・・・


by よしあき・ギャラリー (2009-09-27 07:26) 

空

すご〜い!以前に載せられていたデッサン、だいぶ仕上がってきましたね☆
仕上がりを楽しみにしていますね〜(^^)
by (2009-09-27 21:45) 

カズノコ

木の葉の描き方、最近デッサンを始めたので、その筆法で木の葉を
描くにはどうしたらいいのだろうと、ウォーキングしながら、木々を見てそれを意識するようになりました。
いつも、いい加減に描いていたように思います。

大切な一冊の本、さて自分にあるのだろうかと考えてしまいます?
いつも、真剣に対応なさっているナギさんに感心しています!
有難うございました。
by カズノコ (2009-09-27 22:24) 

岩崎ナギ

よしあき・ギャラリーさん→ありがとうございます。
暑さまで感じて頂ける感受性に感謝です。

「見れば解る」は描き始めの頃は、
やっぱりナギも思っていましたね。
しかし様々な市井の場で作品を発表し、
多くの立場の方々からご意見を聴くことで、
ようやくその誤解から解き放たれました。
今ではそれが自分の財産と思います。
by 岩崎ナギ (2009-09-29 05:41) 

岩崎ナギ

空さん→お久しぶりです。
またご覧頂けて嬉しいです。
完成作は今日掲載しました。
またご意見よろしくお願い致します。
by 岩崎ナギ (2009-09-29 05:41) 

岩崎ナギ

カズノコさん→歩くのは良いですね。
季節をじかに感じられますし、
思考も深まります。
思わぬ思考の飛躍を得たとき、
すぐさま帰って試したくなったりします。

ご自身の回顧録を何度も読まれることで、
何か逆に創作的なものを、
書けるかも知れませんよ。
こちらこそいつも励まして頂き、
ありがとうございます。
by 岩崎ナギ (2009-09-29 05:41) 

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